ノミ・マダニから愛犬を守るための10の常識・非常識
冬から春になり暖かくなってくると、動物も植物も活動的になります。
暖かい季節になると、犬の飼い主なら気になり始めるものがありますよね。
ノミ・マダニの存在です。
近年、テレビのニュースやネットなどでマダニからの感染症が取り上げられることが増え、興味関心を持つ方も増えたのではないでしょうか?
ノミやマダニは外部寄生虫といって、動物の体表に寄生し様々な悪さをします。
気持ち悪いな、怖いなと思うだけでなく、ノミ・マダニの予防について正しい知識を知り、必要以上に怖がらないようにしましょう。
今回は、Q&A形式でノミ・マダニ予防について説明します。
今までに知っていたことも知らなかったことも含めて、答え合わせをするような感覚で読んでみてください。
ノミ・マダニに関するQ&A
人が死ぬ?ノミ・マダニから人への感染症
ノミ・マダニの1番厄介なことは何だと思いますか?
様々な悪さをするノミ・マダニですが、犬の飼い主として知っておかなければならないのは「感染症」へのリスクです。
特に人と動物(犬ももちろん含む)の両方が感染する病気は、人獣共通感染症(ズーノーシス)といい、ときには命の危険性も伴います。
以下が、ノミ・マダニから犬や人へと感染する代表的なズーノーシスです。
■ノミによる感染■
・瓜実条虫(サナダムシ)感染症
・ノミ刺咬症
■マダニによる感染■
・SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
・ライム病(細菌ボレリア)
・日本紅斑熱(細菌リケッチア)
中でもニュースで取り上げられることもある「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」は、日本での致死率が約30%と高い数字になっています。
ズーノーシスに関しては、特に小さなお子様がいるご家庭は気になるでしょう。
しかし予防をしっかりすれば、不安も感染もぐっと減らすことができます。
ノミとマダニどちらが怖い?
犬も人も、ノミに寄生されると痒みが出て生活の質が著しく低下します。
一方、マダニよって引き起こされる病気では、貧血や発熱、食欲不審など重篤な症状が出ることもあります。
過去の例を見てみると、ヨーロッパで大流行し、多くの人命を奪ったペストはノミが大きく関わっていました。(*ただしネコノミは主な感染源ではありません)
マダニが感染源となるSFTSの日本のおける致死率は高く、しかも有効な治療方法はありません。
ダニに比べるとマダニによる症状は重いものが多いため、より注意が必要なのはマダニでしょう。
暖かくなってきたら草むらなどは避け、少しでも寄生される機会を減らすようにしてください。
イエダニも犬や猫に寄生するのか?
ダニの種類は非常に多く、イエダニと呼ばれるものはマダニとは全く異なります。
イエダニは主にネズミに寄生するダニで、衛生環境が整っている現代ではあまり見ることはありません。
とはいえ何らかの経路でイエダニが侵入した場合、人も犬も猫も吸血される可能性があります。
吸血されると非常に強い痒みが現れ、大量に寄生された場合は貧血や食欲不振などの症状も出ます。
ちなみにカーペットや寝具などに生息するダニは、ヒョウヒダニやツメダニと呼ばれる種類のダニです。
これらのダニは吸血こそしませんが、アレルギーや痒みの原因となることがあります。
ノミ・マダニを見つけたときのQ&A
ゴミ?ノミフンの見分け方
ノミは犬や猫に寄生し吸血すると、フンをします。
犬や猫の被毛をかき分けたときに体表に黒い粒状のものが見られれば、ノミフンである可能性が高いです。
黒い粒状のものを水に濡らしたティッシュに取ってみてください。溶けて赤黒い色が見られれば、ノミフンです。
ノミ自体を発見できなくても、ノミフンが付着していれば寄生されている可能性が高いです。早めに駆除してあげましょう。
ノミ・マダニをどう駆除する?
犬に寄生するノミ・マダニは目に見えるサイズなので、偶然発見した方も多いでしょう。
ノミはノミフン、もしくは体表を動くノミそのものを視認できます。
マダニは吸血すると小豆より少し小さいくらいのサイズになるので、その時点で発見できるかもしれません。
もし見つけた場合、それらを手で取り除こうとするのはやめてください。
最も良い方法は、動物病院で薬剤によるノミ・マダニの駆除をしてもらうことです。
なぜなら、薬剤による駆除は体表にいるノミ・マダニをほぼ100%取り除けるからです。
通販などでマダニを取り除くための器具も購入できますが、体表にいる全てのマダニを発見・駆除できるとは言い切れません。
緊急処置として取り除くのはよいかもしれませんが、1匹でも見落とせば、あっという間に増殖拡大につながる可能性が高いです。
寄生による体調の悪化も心配です。ノミ・マダニを発見した場合は、すぐに動物病院へ連れて行くことをおすすめします。
ノミ・マダニの予防にまつわるQ&A
予防はいつからやる?いつまでやる?
ノミ・マダニ予防に関してよくある質問が、予防期間についてです。
結論から述べると、多くの動物病院が推奨している「通年予防」がベストです。
とはいえ、通年となると費用の負担が大きくなります。難しい場合は、少なくとも「春から秋」までは必ず予防するようにしましょう。
環境の温度が高い季節は、ノミ・マダニが活発になるからです。
「環境の温度」は、住んでいる地域や建物の中も含みます。
寒い冬でもノミ・マダニは存在し、暖かい環境であれば繁殖もします。
通年予防が最も安心ですが、特に屋外での寄生のリスクが高い春から秋にかけては必ず予防をしましょう。
市販薬と動物用医薬品どう違う?
市販薬とは、処方せんがなくても購入できる薬で、主にホームセンターやドラッグストア、インターネットで販売されています。
対して動物用医薬品とは、基本的に獣医師による処方が必要となる薬です。
そこで気になるのが、市販されているノミ・マダニ予防薬の効果です。
市販薬は虫が寄りつかなくなる「忌避効果」が主であり、すでに寄生しているノミ・マダニを駆除する効果については保証されていません。
ノミ・マダニは1匹でもいればそこから爆発的に繁殖するため、100%駆除することがとても重要です。
また、駆除効果があると謳われている商品もありますが、動物用医薬品とは違い国に認められた商品ではないため、どこまでの効果があるのかはわかりません。
ノミ・マダニをほぼ100%駆除できる商品を動物病院で処方してもらうのが安心安全です。
スポットタイプとチュアブルタイプ、どちらがよい?
動物病院で処方される予防薬には、滴下するタイプのものと、ごほうび感覚で与えられるおやつタイプの2種類があります。
■スポットタイプ(滴下タイプ)■
・首のうしろの肩あたりに滴下するもので、簡単にできる
・シャンプーの頻度が多い場合、商品によっては効果が薄れるものもあるため注意が必要
■チュアブルタイプ■
・有効成分が含まれていて、おやつのように与えられる
・シャンプーの頻度は気にする必要がない
・犬にも味の好みがあるため、食べてくれない場合は工夫が必要
それぞれの特徴を知って、自分と愛犬に合った商品を選ぶとよいでしょう。
ノミ取りシャンプーの効果はいかに?
ノミ取りシャンプーだけで駆除しようとするのは、おすすめできません。
ノミ・マダニの予防において重要なのは、寄生している全てのノミ・マダニを死なせることと、すでにカーペットや寝具などに卵があると仮定し、そのライフサイクルを断ち切ることの2点です。
そのためには月単位で効果が持続する予防薬が必要なため、ノミ取りシャンプーだけではほとんど意味がありません。
動物用医薬品の予防薬を使用し、犬の皮膚の状態や体調をしっかり見極めてから通常のシャンプーできれいにしてあげましょう。
予防薬で100%ノミ・マダニを防げるのか?
動物用医薬品であるノミ・マダニの予防薬は、厳密にいうと駆除剤です。
ノミ・マダニを寄せ付けないようにする薬ではなく、体表に付着したノミ・マダニを有効成分によって瞬時に駆除するものです。
そのため、「動物病院で処方された薬をつけたのに、またノミ・マダニがついた!」ということもあるかもしれません。
また、スポットタイプの場合、つけてからすぐにシャンプーをしてしまったり、誤って犬が舐め取ってしまったり、付けた瞬間に犬が体を震わせてたりして、薬剤が取れてしまうこともあります。
チュアブルタイプの場合でも、食べさせたと思っていても知らないところで吐き出していることがあります。
このようなイレギュラーを除けば100%効果を発揮してくれるため、安心してください。
まとめ
ノミ・マダニの予防や駆除について理解することは、犬だけに留まらず家族や社会全体への配慮にもなります。
今回のQ&Aで、知識が1つでも増えれば幸いです。