うさぎはいつ寝る?特徴的な体勢や安眠のための環境作りも紹介

寄り添い合って眠る4羽のうさぎ
ウサギ

うさぎは寝るタイミングや場所、体勢など睡眠のあらゆることに個性があらわれます。

そんな個性豊かなうさぎの睡眠事情について、飼い始めるまでまったく知らなかった飼い主さんもいるのではないでしょうか?

今回は、うさぎの睡眠について紹介します。

いつ寝るのか、どのような体勢で寝るのかといった内容から、うさぎがリラックスして寝られる環境作りまで解説します。

この記事を参考に、うさぎについての理解を深めてくださいね。

うさぎはいつ、どのくらい寝る?

サンタ帽をかぶって眠るうさぎ

うさぎは1日何時間寝る?

うさぎは1日8~12時間程度寝るといわれています。

うさぎは人間と同じかそれより少し長い時間寝ているのですね。

しかし、うさぎは人間のようにまとめて何時間も寝るわけではありません。

これには野生として生きてきたうさぎの習性が引き継がれています。

そもそも野生のうさぎは敵から襲われないよう常に警戒しており、ぐっすり眠ることはありません。

そのため細切れに睡眠をとる習性があるのです。

とはいえ、環境に慣れ非常にリラックスしているうさぎの中には、長時間まとめて寝る子もいるようです。

うさぎが寝る時間帯は?

本来、うさぎは昼間と夜間に寝ます。

これは元々うさぎが明け方や夕方に活発になる「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」の動物だからです。

野生のうさぎは薄明薄暮性の生活リズムで暮らしていますが、飼いうさぎは飼い主さんの生活の影響を受けます。

そのため薄明薄暮性としてのリズムが薄れ、飼い主さんと同じような生活リズムで過ごす子もいるようです。

うさぎが寝るときの体勢

並んでうとうとする2羽のウサギ

前足をおなかの下に入れて座る

うさぎは寝るときに、前足をおなかの下に折りたたんで座ることがあります。

うさぎ本来の寝姿のため、見たことがある人も多いでしょう。

この座り方は「香箱座り」と呼ばれるもので、猫の座り方としてよく知られています。

ちなみに香箱とは、香木などを収納するための蓋つきの木箱のこと。足を折りたたんで座る様子が香箱のように四角く見えることから、香箱座りという名前がつけられたそうです。

香箱座りで寝ているときは、顔を上げた状態で目を開けていることも多いため一見すると寝ているように見えません。

ゴロンと横になる

仰向けで眠るうさぎ

うさぎも人間のようにゴロンと横になって寝ることがあります。

ゴロンと横になると一言でいっても、その体勢はさまざま。横向きやうつ伏せのほか、中にはおなかを見せて仰向けになる子もいます。

また、夢を見ているかのように口をモゴモゴ動かしたり、いびきをかいたりする子もいるのだとか。

いずれにしてもゴロンと横になって寝ているのは、リラックスできている証拠でしょう。

とはいえ、うさぎの寝方には個体差があるため、横になって寝てくれないからといって「リラックスできていないのでは?」と心配する必要はありません。

ものに寄りかかる

うさぎの中には、ハウスやトイレなど何かに寄りかかったまま寝る子もいます。

うさぎは狭い場所が好きなので、ものに寄りかかっていると安心するのかもしれませんね。

なついている子や甘えん坊な子は、飼い主さんに寄りかかって寝ることもあります。

バタンと倒れる

普段通りに過ごしていたうさぎが急に立ち止まり、バタンと倒れてそのまま寝てしまうことがあります。

初めて見たときには「びっくりした」「病気なのかと心配になった」という飼い主さんもいるほど、急に倒れます。

実は身体の構造上、うさぎは姿勢を保ちながらゆっくりと横になることができません。そのためいきなり倒れるように見えるのです。

安全な環境だとうさぎが認識しているからこそできる寝方なのでしょう。

うさぎには目を開けたまま寝る子もいる

巣の中の子ウサギ

目を開けたまま寝る理由

うさぎの中には目を開けたまま寝る子もいます。

目を開けたまま寝るのは、寝ている間に敵が近づいてきたとしてもすぐに気づけるようにという野生うさぎの習性です。

飼いうさぎにもその習性が残っているため、目を開けて寝る姿は比較的よく見られます。

ところで、うさぎはなぜ目を開けたままでいられるのか知っていますか?

人間が目を開けたままでいると、目が乾いてしまいますよね。

しかしうさぎの眼球は「瞬膜」という膜で守られているため、目が乾くことはありません。

うさぎがほとんどまばたきをしないのも、瞬膜があるためです。

寝ているかどうか見分ける方法

目を開けたままじっと座っている状態では、寝ているのか起きているのかわかりません。

そこで注目してほしいのが鼻です。

うさぎの鼻は寝ていると動きませんが、起きているときは小刻みにヒクヒクと動きます。

また、耳を見て寝ているかどうかを見分けることもできます。

寝ているときは音がしても耳を動かさないことが多いですが、起きているときは耳だけ音源に向けるのです。

うさぎが目を閉じている場合でも、それだけでは寝ているかどうか判断できないこともあるでしょう。そのようなときも、耳や鼻の動きを参考にしてみてくださいね。

うさぎが目を開けて寝ているときは、視界に変化があるとすぐに起きてしまいます。

寝ているかどうかを探るために近づくと起こしてしまうこともありますので、少し離れた場所から観察するのがおすすめです。

寝る時間や場所はうさぎによってさまざま

壁に寄りかかって眠るうさぎ

寝るときの体勢以外に、タイミングや場所もうさぎによって異なります。

以下にその例を紹介します。

【寝るタイミング】
・エサを食べたあと
・掃除機をかけ始めたとき
・飼い主さんが出かけた直後
・飼い主さんが寝るタイミング
など
【寝る場所】
・トイレの中
・こたつの中
・家具と壁の隙間
・クッションなどお気に入りグッズの上
など

うさぎの睡眠は飼育されている環境やその子の性格によって個性があり、とてもおもしろいですね。

うさぎがリラックスして寝るための環境作り

花に囲まれたうさぎ

明るさを自然に合わせる

お伝えしたように、うさぎは昼間の明るい時間帯にもよく寝ます。

飼い主さんとしては「明るいと寝にくいかな?」と、暗くしてあげたくなるかもしれませんね。

しかし、うさぎのためにわざわざ暗くしなくてもよいでしょう。

うさぎにとって明るい時間帯に寝るのは普通のことなので、明るくてもきちんと寝られます。

それよりも、昼は明るく夜は暗いという自然の明るさを感じさせてあげるほうが大切です。

光の刺激はうさぎの体内時計を調節するために重要で、生活リズムを整えることにも役立ちます。

生活リズムが定まっていると、ストレスを感じにくく快適に過ごせます。うさぎをリラックスさせてあげるためにも、自然の明るさを感じられる環境を意識するとよいでしょう。

温度や湿度を一定にする

うさぎが快適に寝るためには、温度や湿度の管理が欠かせません。

暑かったり寒かったりして寝られないのは、うさぎも人間も一緒です。

特にうさぎは温度や湿度によるストレスに弱いため、1年を通して適切な室温をキープする必要があります。

夏や冬はもちろん、朝晩の気温差が大きい季節もストレスを感じやすくなります。

快適な睡眠のためにも、温度・湿度管理を徹底しましょう。

ケージを清潔にする

うさぎがリラックスして寝るためには、ケージを清潔にしておく必要があります。

うさぎはきれい好きで、ケージが汚いと大きなストレスを感じる動物です。中には汚れたケージで寝るのを嫌がる子もいます。

毎日掃除をして、リラックスできる環境を整えてあげましょう。

生活音はいつも通りでOK

うさぎが寝る昼間は、飼い主さんにとっては活発に生活している時間帯です。

静かな環境を作ってあげることは理想ですが、神経質になることはありません。生活音程度なら、いつも通りでよいでしょう。

しかし中には、特定の音を嫌がる子がいます。

私が飼っていたうさぎは掃除機やドライヤーの音が嫌いでした。

もしうさぎに苦手な音があるなら、寝ている間は避けてあげるとリラックスできるかもしれません。

うさぎが寝ないときの対処法

うさぎが寝ないときは、その理由を探ってみましょう。

まずわかりやすいのが、温度や湿度が適切かどうかです。

エアコンで設定している温度とケージ付近の温度が異なることもあります。温度計や湿度計をケージの近くに置いて確認してみましょう。

もしうさぎが興奮して寝られないようなら、布やカバーなどでケージ全体を覆ってあげると落ち着きやすいです。視野を遮り、狭い空間を作ることで、うさぎをリラックス状態に導きます。

ただし、ケージを覆うときはケージ内の温度上昇に注意が必要です。

通気性がよいカバーを使用する、空気の通り道を作るなど工夫しましょう。

興奮して寝ないことが毎日続くようなら、生活リズムが崩れているのかもしれません。

夜中に部屋の電気をつけていることが続いたり、自然光が感じられなかったりすると、うさぎの体内時計が狂いやすくなります。

自然な明るさを感じられる環境を作って、生活リズムを改善してあげましょう。

同時に、食餌やへやんぽ、ケージの掃除などお世話の時間帯をある程度決めてあげると、生活リズムを整えやすくなるでしょう。

まとめ

カゴの中で眠る2羽のうさぎ

うさぎの寝方は非常に個性的です。

寝方もさまざまで、年齢や飼育環境、なつき具合によって変化することもあります。

ぜひ愛うさぎの寝方に注目してみてください。

うさぎの睡眠について知り、うさぎとの暮らしが今まで以上に楽しいものになるとよいですね。