愛犬が耳を痒がるときの対処法|応急処置で悪化を防ぐ!
「かゆい!」
この一言を見ただけで、かゆみを感じてしまいますよね。
犬にとっても、かゆみは非常にストレスがかかる症状です。そして、多くの場合、そのかゆみが一番出やすいのが「耳」の周りです。
原因はさまざまですが、どんな原因でも放置しておくわけにはいきません。
そこで、愛犬をかゆみのストレスから解放するための対処法をお伝えします。愛犬と快適な時間を過ごすために、この情報を活用してみてください。
耳が痒い合図を見逃さない
先程お伝えしたように、犬にとって耳の痒みは非常に一般的な症状です。
実際、ペット保険業界の最大手であるアニコム損害保険株式会社が公表したデータによると、保険請求理由の1位が「原因不明の外耳炎」であることからも、その多さがうかがえます。
犬の耳の痒みは放置せず、適切な対処を行うことが必要です。
アニコム家庭どうぶつ白書2019
※8ページ目「2-10 犬の請求理由」 TOP20参照
外耳炎の症状の一つが「痒み」のため、多くの飼い主は犬が耳を痒がる状況に遭遇することになります。
耳を痒がっているときの具体的な様子を確認してみましょう。
耳が痒いときのしぐさ
犬の耳が痒いときの代表的なしぐさや様子は、以下の通りです。
・頭を振る
・後ろ足で耳を直接掻く
・耳だけでなく首の周りを掻く
・耳を床に擦り付ける
・なぜかイライラしている
わかりにくいのは、首を掻いているときや痒みのストレスでイライラしているときです。
痒みの程度は様々ですし、痒みを感じたときのしぐさも犬によってそれぞれ違います。
犬の様子から「耳が痒いのかも」と思ったら、耳の見た目も確認してみましょう。
痒いときの耳の見た目
痒みがある場合、耳の見た目が普段と比べて以下のように変化しているかもしれません。
・耳が赤い
・耳が臭う
・耳が膨らんでいる、もしくは腫れている
・耳からの膿や耳垢が多い(ベタついた黄色っぽいものや黒いもの)
・耳や首を掻き過ぎることによる掻き壊しが見られる
痒みのない通常時でも、耳垢は出ます。
薄い茶色でベタつきもなく、少量でしたらさほど気にする必要はありません。
普段から耳の様子を気にする方は少ないかもしれませんが、通常時の耳の状態を知っておけば、早い段階で変化に気付けるでしょう。
ただし、犬にとって足先や耳、口を触れられることは嫌なものです。
常日頃からスキンシップを兼ねてそういった場所に触れることは、犬にとっても飼い主にとっても多くの利点があります。ぜひ実践してみてください。
耳を痒がるときの応急処置
実際に犬が耳を痒がっているときは、どうすればよいのでしょうか?
飼い主としては楽にしてあげたいと思うのが当然でしょう。
すぐに動物病院に連れていけない場合にできる応急処置を紹介します。
洗浄液を使用した耳の掃除
犬の耳掃除には、洗浄液を使用する方法があります。ただし、注意が必要なのは、刺激の強いイヤークリーナーを避けることです。
犬の皮膚は人に比べてデリケートなため、強い刺激は逆効果になる可能性があるため、優しく掃除することが大切です。
初めて耳掃除をする場合は、耳の中を無理に掃除しないようにしてください。
おすすめの耳掃除液は、「ミミキュアワン」です。この商品は、獣医師、薬剤師、動物病院が協力して開発されたもので、安心して使用できます。
汚れを浮かし、臭いや異物を効果的に取り除く調合に加え、皮膚の水分・油分を保ち乾燥を防ぎ、敏感な耳周りを健やかに保つ効果があります。
また、天然由来成分のラベンダー油を使用しており、リラックス効果や抗菌効果も期待できます。
日頃のお手入れはもちろん、プール後やお風呂後の耳ケアにもおすすめです。Amazonや楽天でもデイリーランキング1位を獲得し、多くの愛犬家から支持されています。
愛犬の健康な耳内環境を維持するために、ぜひミミキュアワンをご活用ください。
耳の風通しをよくする
ダックスフンドやゴールデンレトリーバーなどの耳が垂れている犬種がいます。
耳が垂れていると耳穴が塞がれるため通気性が悪くなり、湿気がこもりやすくなります。
暗い耳の中は細菌やカビが増えやすい環境なので、可能であれば耳の風通しをよくしてあげましょう。
ペットショップや通販で耳を上げるサポーターを購入して試してみるのも一案ですね。
なお、耳の毛先をクリップで止め耳を持ち上げる、輪ゴムで縛るなどの方法もありますが、注意が必要です。
耳介部分を直接クリップで止めたり輪ゴムで縛ったりしてしまうと、その部分に血液が流れなくなり壊死してしまいます。絶対にやめましょう。
耳上げサポーターを使うとしても、何かをつけられた違和感から、首を振って取ってしまう子もいます。
難しいようであれば別の方法で応急処置をしましょう。
犬にとって快適な室温と湿度の環境をつくる
適した温度と湿度を保つことは、皮膚によいだけでなくストレス減少にもつながります。
痒みのある部分は熱を帯びやすく赤くなることもあるため、環境を整えることは大切です。
犬が快適に過ごせる室内の温度は20℃前後、湿度は40~60%くらいです。空調設備を上手く使って、その子にあった環境をつくってあげましょう。
エリザベスカラーを付ける
エリザベスカラーは首につけるラッパ状のものです。
手術やケガでできた患部を舐めたり引っ掻いたりするのを防ぎます。
避妊・去勢手術を受けたことのある子なら、すでに持っているかもしれません。
耳が痒くて我慢ができないと、犬は後ろ足で耳を掻き壊してしまうことがよくあります。
人の掻き壊しと同じで必要以上に掻くことはよくないため、エリザベスカラーで防ぐことはよい方法です。
ただし、これはあくまで応急処置だということを忘れないようにしてください。
エリザベスカラーをつけると顔まわりの通気性が悪くなり、耳にはよくありません。
あくまで掻き壊しを防ぐことが目的です。人の目が届かない夜間などに使い、翌朝には動物病院に連れていってあげましょう。
正確な診断を受ける
これまでに紹介した応急処置は耳の痒みの悪化を防ぐための方法であり、治療ではありません。
痒みには原因があるため、それを取り除く必要があります。
耳を痒がる原因と治療法
動物病院では痒みの原因を調べるために、耳の中を覗いて耳垢をとり、検査にかけます。
すぐに原因がわかることもあれば、アトピーやアレルギーが背景にあることもあり、はっきりとした原因が出ないこともあります。
細く長く暗い耳の中は治療効果が出にくく、よくなるまでには時間がかかります。
早く治してあげたい気持ちはわかりますが、獣医師の指示に従い焦らずにしっかりと治療を続けましょう。
細菌、真菌
通常でも耳の中には細菌や真菌が存在しますが、普段は異常に増殖しないようにバリア機能が働いています。
しかし細菌や真菌が増殖しやすいあたたかくジメジメした環境ができてしまうと一気に増殖し、その結果炎症を引き起こし痒みが出てしまうのです。
治療には耳の掃除と点耳薬、内服薬を続ける必要があります。
耳ダニ
耳ダニとは、ミミヒゼンダニのことです。
この耳ダニが寄生すると、非常に強い痒みが生じます。
真っ黒な耳垢が大量に出てくるので、見ただけですぐにわかります。
治療にはいくつか方法がありますが、背中に滴下するタイプの駆虫薬や注射によって耳ダニを駆除することが多いです。
同時に耳掃除をして耳垢を取り除き、炎症が起きていれば点耳薬や内服薬も使います。
異物
散歩中に草むらに顔を突っ込んだ際に、草の実や葉っぱなどの異物が入り込んでしまうことがあります。
これが耳の中で刺激や違和感、痒みを引き起こすのです。
異物を取り除けば治療は終わりですが、奥に入り込んでしまった場合は鎮静をかけて取ることもあります。
アトピー
アトピーとは、遺伝的素因により痒みや皮膚炎を引き起こし、良くなったり悪くなったりする病気です。
つまり、アトピー体質の犬は痒みを繰り返すことが多いといえます。
痒みは体のいたるところに出ますので、当然、耳にも出ます。
治療には投薬だけでなく、食事やシャンプーへの工夫も組み合わせ、その子にあった方法を模索しながら痒みを抑えていくことが必要です。
つらい痒みにおすすめの痒み対策にはプロテクトワンもおすすめです。
アレルギー
アレルギーは、特定のものに対して体が過剰に反応してしまうことをいいます。
その反応の一つが、痒みです。
何がアレルギーの原因物質なのかを見極めることが、治療の第一歩になります。
外耳炎、中耳炎、内耳炎
外耳炎、中耳炎、内耳炎は直接的な原因ではなく、細菌や真菌、耳ダニなどによって引き起こされる耳の炎症の総称です。
耳のどの部分に炎症が起こっているかによって呼び名が変わります。
犬が耳を痒がる際に動物病院へ連れて行くと、このような診断名がつくことがあるでしょう。
耳の痒みの悪化を招くかもしれないNG行動
耳の痒みを引き起こすものとして外耳炎はとても多く、さらに再発しやすい病気です。
再発予防や悪化を防ぐため、色々と工夫している方も多くいると思います。
その中でも「おすすめできないNG行動」をご紹介します。
頻繁な耳の掃除
犬の皮膚は人に比べデリケートで、それは耳も同じです。
毎日、もしくは数日置きに耳掃除することは、刺激を増やし炎症を促してしまう可能性があります。
月に数回程度に控え、やさしく掃除をしてあげましょう。
市販薬を使って自分で治そうとする
犬が耳を痒がっているときに人用の痒み止めクリームを塗ったり、飲み薬を使ったりする方がわずかながらいます。
これはとても危険なため、やめましょう。
耳の症状悪化だけでなく、体調面に悪影響をおよぼす可能性があります。
耳の毛を抜く
耳の毛を抜くことは通気をよくすることで、悪いことではありません。
むしろ場合によっては必要です。
しかし、耳の毛はホコリやゴミなど、異物が入ってくるのを阻止する役割もあるので、抜きすぎるのは逆効果です。
また耳の毛を抜く時にわずかながらも刺激があることを覚えておいてください。
まとめ
犬が体を掻くことは普通のことですが、痒みが持続するときには何か原因があります。
耳を痒がる病気は、とても身近なものです。
応急処置を知ることで悪化を抑え、少しでも愛犬のストレスを減らすことができれば幸いです。