ネザーランド・ドワーフってどんなうさぎ?知っておきたいネザーランド・ドワーフの基本情報

白い小物とネザーランドドワーフ
ウサギ

ペットショップでも見かけることが多い「ネザーランド・ドワーフ」。

小さくて愛らしい姿に魅力を感じる人も多いでしょう。

今回は、ネザーランド・ドワーフの特徴や飼育のポイント、気をつけたい病気などについてお伝えします。

ネザーランド・ドワーフについて正しく知り、飼育の際の参考にしてくださいね。

歴史

ネザーランド・ドワーフはオランダ原産の品種です。

ポーリッシュという小型うさぎと野生の小型うさぎとの交配で誕生しました。

ポーリッシュは、穏和で人懐っこい性格をしている小型のうさぎです。

日本国内ではあまり見られませんが、ARBA(世界最大規模となるアメリカのうさぎ協会)にも登録されている歴史ある品種です。

このように交配によって誕生したネザーランド・ドワーフは、オランダからイギリス、アメリカへと渡り、1969年にARBAに登録されました。

ARBA公式サイト(英語)

大きさ

フードを食べるうさぎ

ネザーランド・ドワーフは、純血種の中ではもっとも小さいうさぎです。

成長しても体長はおよそ25cm、体重は1kgほど。

オスとメスで体の大きさにそれほど差はありません。

毛色

ネザーランド・ドワーフは、うさぎの中でもとくに毛色が豊富です。

ブラウン系やグレー系、ブルー系、ブラック、ホワイトなどがあり、区別がつきにくいカラーもたくさんあります。

一見単色に見えても部分的に色が異なることも多く、ミックスした毛色も多いです。

また、ネザーランド・ドワーフは毛色だけでなく目の色もさまざま。

好みのカラーの子を選べるのも、ネザーランド・ドワーフの魅力です。

体の特徴

グレーと白のネザーランドドワーフ

ネザーランド・ドワーフの体の3大特徴は、以下の通りです。

・体が小さい
・丸みがある
・耳が短い

さきほど紹介した通り、ネザーランド・ドワーフは大人になっても1kg前後と非常にコンパクトな上、丸みを帯びた体つきをしています。

また、顔や目も丸いため、まるでぬいぐるみのような雰囲気です。

丸い頭にちょこんとのった短めの立ち耳はとても愛らしく、ネザーランド・ドワーフのチャームポイントともいえるでしょう。

寿命

ネザーランド・ドワーフに限らず、うさぎの寿命は約7~8年です。

ペットのうさぎの場合は、飼育環境の良さなどから寿命が伸びており、10年以上生きることも少なくありません。

しかし、うさぎはストレスによって体調に変化を生じやすい動物です。

とくにネザーランド・ドワーフはストレスに弱いとされているため、ストレスを感じさせないように飼育することが長生きの秘訣といえるでしょう。

性格・気質

ネザーランド・ドワーフは好奇心旺盛で活発な子が多いです。

人になつきやすい子が多く、メスよりもオスのほうが甘えん坊な子が多いともいわれています。

しかし、性格は個体差が大きいため、抱っこが嫌いな子やクールな子、わがままな子もいるでしょう。

ネザーランド・ドワーフは警戒心が強く、敏感な一面もあります。

それに加え、ストレスを感じやすい傾向があるので、飼い始めは苦労するかもしれません。

飼育のポイント

食事中のうさぎ

環境

うさぎの飼育環境において注意すべきことは、温度や湿度の管理です。

ネザーランド・ドワーフを飼育するときは、とくに注意してください。

というのも、ネザーランド・ドワーフは体温を下げる役割を果たす耳が短いため、体温をうまく調節できないこともあるからです。

うさぎを飼育する際、エアコンは必須です。

1年を通して、温度は18~24℃、湿度は40~60%を保つように設定しましょう。

うさぎを飼育する部屋は、エアコンをつけっぱなしにしておくことをおすすめします。

冬はペットヒーターなども活用し、うさぎが快適に過ごせる環境を作ってあげましょう。

運動量

ネザーランド・ドワーフは非常に活発です。

1日に1回30分~2時間程度、ケージから出して遊ばせてあげるとよいでしょう。

屋外に連れ出し散歩を楽しむ人もいますが、運動量の面からいえば室内遊びだけで十分です。

時間がないときは短時間でも構いません。

肥満になったりストレスをためたりしないようにするためにも、1日1回はケージから出して運動させてあげるのが理想です。

飼い主さんやうさぎのライフスタイルに合わせて柔軟に対応してくださいね。

しつけ

うさぎのしつけとして重要なのがトイレです。

もともとうさぎは同じ場所で排泄をする習性があるため、トイレを覚えさせることは比較的容易でしょう。

とはいえ、完璧にトイレでウンチをさせるのは難しいです。

うさぎはリラックスしているときや興奮しているとき、エサを食べているときなど、いろいろな場面でウンチをします。

おしっことは異なりふとした拍子にポロポロと出てしまうため、ウンチに関してはしつけが難しいことを知っておきましょう。

お手入れ

うさぎの飼育には、ブラッシングが欠かせません。

短毛種であるネザーランド・ドワーフの場合、通常2日に1回程度のブラッシングを行います。

ただし、換毛期や抜け毛が多い時期は、毎日ブラッシングをしてあげましょう。

換毛期などで大量の毛が抜けると、自分の毛をたくさん飲みこんでしまいますが、うさぎは吐き出すことができません。

そうなるとおなかの中にたまり、健康に影響が出てしまいます。

このような事態にならないためにも、定期的にブラッシングをしましょう。

うさぎのお手入れとして、爪切りも大切です。

爪が伸びた状態だとケガをしやすいため、爪切りは1~2か月に1回のペースで行います。

抱っこを嫌がるネザーランド・ドワーフの場合、爪切りに苦労することもあるかもしれません。

そのようなときには、うさぎの爪切りをしてくれる動物病院やペットショップなどにお願いするのもひとつの方法です。

食餌

うさぎの食餌の基本は、牧草とペレットです。

牧草やペレットは成長段階に合わせたものを選んでください。

牧草は食べ放題にし、ペレットは体重に応じた量を与えます。

ペレットの食べ過ぎは肥満や病気の原因になるので、しっかり管理しましょう。

とくにネザーランド・ドワーフは体重が軽いため、ペレットの量も少なめです。

目分量で与えるのではなく、毎回計量して与えることが健康を保つポイントです。

遊び

人懐っこい性格のネザーランド・ドワーフは、飼い主さんとの遊びの時間が大好きです。

追いかけっこやかくれんぼなどをして遊んであげましょう。

飼い主さんになつかないネザーランド・ドワーフの場合は、ひとりで遊べるおもちゃなどを用意してみてはいかがでしょうか?

うさぎは狭い場所を好むので、もぐれるトンネルやハウスがおすすめです。

おもちゃなどを与えるときは、うさぎがかじっても安全なものを選ぶようにしてくださいね。

遊びは飼い主さんと触れ合える貴重な時間です。

なつかないからといって放っておくのではなく、飼い主さんの雰囲気を感じさせながら遊ばせるようにしてみましょう。

毎日声をかけたり褒めたりすることが、信頼関係を築くきっかけになるかもしれません。

気をつけたい病気

獣医師の診察を受けるうさぎ

消化管うっ滞

ネザーランド・ドワーフに限らず、うさぎに多く見られる病気として消化管うっ滞があります。

消化管うっ滞とは、なんらかの原因で消化管の動きが鈍くなり、食欲の低下を引き起こす病気です。

消化管の動きが悪くなる原因には、ストレスや不適切な食餌、歯科疾患、泌尿器疾患など、さまざまなものが考えられます。

とくにネザーランド・ドワーフは神経質な子が多いため、環境の変化など小さなストレスでも消化管うっ滞になる場合があります。

うさぎは食べ続けることで健康を維持しているため、食欲不振は命取りです。

食餌を残す、ウンチが小さくなる、ウンチの量が減る、元気がなくなるといった症状が見られたら、早急に治療を受けさせることが大切です。

不正咬合

不正咬合は、うさぎがかかりやすい歯の病気です。

不正咬合には、一生伸び続けるといううさぎの歯の性質が関与しています。

通常うさぎは、牧草を咀嚼(そしゃく)することで、歯をすり減らせて適切な長さに保ちます。

しかし食べる牧草の量が少ないと、うまく歯を削れません。

歯が適切に削れず異常に伸びてしまうと、ほおや歯肉などに食い込んでしまいます。

そうなると、大量のよだれが出たりエサを食べられなくなったりしてしまうのです。

不正咬合は、一度なってしまうと繰り返すことも多い病気です。

ネザーランド・ドワーフは、顎が小さい丸顔なため、噛み合わせが悪くなりやすいといわれています。

鼻涙管狭窄

鼻涙管狭窄(びるいかんきょうさく)とは、目と鼻をつなぐ「鼻涙管」という細い管が狭くなる状態のこと。

丸顔のネザーランド・ドワーフは生まれつき鼻涙管が狭くなっているため、とくに注意が必要です。

通常、涙は鼻涙管を通って鼻に流れていくため、目からあふれることはありません。

しかし、鼻涙管が狭くなり涙がスムーズに通れなくなると、目からあふれ、目の周りの皮膚炎などを引き起こしてしまいます。

原因として、不正咬合による鼻涙管の圧迫がよくみられます。

先ほどお伝えしたようにネザーランド・ドワーフは不正咬合になりやすいので、鼻涙管狭窄にも気をつける必要があるでしょう。

ソアホック

足の裏に起こる皮膚の炎症で、「足底皮膚炎」や「潰瘍性四肢皮膚炎」、「飛節びらん」とも呼ばれるソアホック。

実は、ネザーランド・ドワーフに限らず、すべてのうさぎが気をつけたい病気でもあります。

通常、うさぎの足の裏は厚い被毛で覆われています。

ソアホックは、足の裏の被毛が薄くなり、皮膚がむき出しになることで炎症や潰瘍が起こった状態です。

被毛が薄くなる原因には肥満や加齢のほか、足に負担のかかる飼育環境などが考えられます。

床材が固すぎたり爪が伸び過ぎたりしていると、足の裏に負担がかかりやすくなります。

ソアホックを予防するためには、正しい飼育環境づくりを心がけることが必要です。

まとめ

かごの中のうさぎ

ネザーランド・ドワーフは、小柄で愛らしい見た目や人懐っこさから人気の高い品種です。

一方で、丸みを帯びた体つきは病気の原因となることもあります。

また、性格については個体差が大きく、神経質な子はストレスに弱い一面があることも多いです。

ネザーランド・ドワーフの飼育を検討している人は、特性をよく理解してからお迎えしてくださいね。