犬と一緒に寝るのはOK?添い寝のメリットとデメリットを解説!

みなさんは愛犬と一緒に寝ていますか?
動物ライターの私、Tenは、子どもの頃からいつも犬や猫と添い寝をしてきました。
現在は人間2人と秋田犬1頭、黒猫2匹が、一台のベッドで一緒に寝ています。
もう1匹柴犬がいますが、我が強くて動物同士の和を乱すため、クレートで寝かせています。
ところで、「犬と一緒に寝るのはよくない」と、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
私自身「よくない」と感じたことはありませんが、実際はどうなのか気になりますよね。
そこで今回は、犬と添い寝することのメリットとデメリット、注意点などを解説します。
犬と一緒に寝るのはいけないって本当?
「一緒に寝ると犬との関係性が崩れ、犬の問題行動の原因になる」と、よく言われます。
しかし、実は「犬と一緒に寝ることで関係性が崩れる」のではなく、「もともと関係性が曖昧なために犬が問題行動を起こす」のだと思います。
日々の暮らしのなかで「好き勝手に行動してはいけない」「人の指示に従う」というような、明確なルールを設け徹底することで、関係性をしっかりと築いておくことが重要です。
飼い主と愛犬とのあいだに強固な関係性が築かれていれば、一緒に寝ても問題はないどころか、むしろメリットがたくさんあります。
ただし、デメリットやリスク、注意点をあらかじめ把握しておくことも大切です。
愛犬と一緒に寝る【飼い主のメリット】
幸せを感じられる
幸せを感じられること、癒されることが、飼い主にとってなによりのメリット!
愛犬の体温と重みを感じながら添い寝していると、心も体もリラックスしていくのを実感できますよね。
2015年に麻布大学を中心としたグループが発表した研究結果では、犬との交流によって飼い主のオキシトシン=「幸せホルモン」の分泌量が増えることがわかっています。
科学的にも、「犬と添い寝することで飼い主が幸せを感じ癒される」ということが証明されているのです。
愛犬との絆が深まる
愛犬とのコミュニケーションが密になり、絆が深まることも、飼い主にとっては大きなメリットです。
絆が深まると、自然と信頼関係も深まります。
お互いの意思の疎通もスムーズになり、愛犬との暮らしがより一層楽しいものになるでしょう。
愛犬と一緒に寝る【愛犬のメリット】
安心感を得られる
犬はもともと群れをつくって生きてきた動物です。
寝ているあいだは無防備になるため、群れの仲間同士で身を寄せ合い、お互いを守ろうとします。
また、犬は自分の体がなにかに触れていると、安心する習性をもっているそうです。
我が家の犬たちも、壁に背中をくっ付けていたり、クッションに頭をのせていたり……そんな姿で休んでいる様子をよく目にします。
飼い主に寄り添うことで、犬は安心して眠ることができるのかもしれませんね。
心地よい寝床で眠れる
飼い主にとって心地よい布団やベッドは、愛犬にとっても心地よいはずです。
また、寒い季節は暖かさを求めて、飼い主に寄り添って寝たがる犬も多いでしょう。
心地よい寝床で飼い主の温もりに包まれて眠れる愛犬は、幸せですね。
愛犬と一緒に寝る【飼い主のデメリット】
熟睡できない
愛犬と添い寝することで、熟睡できなくなる可能性があります。
私がベッドで一緒に寝ているのは、約30kgの秋田犬と、2匹合わせると約10kgの猫たち。
全員が掛け布団の上で寝ているのですが、重すぎて寝返りを打てないことがあります。
また、犬も寝返りを打ったり、寝る場所を移動したりするので、それで目が覚めてしまうこともあります。
寒い季節は、彼らの重みで掛け布団がずれて、寒さに凍えてしまうこともあります。
できれば安眠妨害されずに、朝まで熟睡したいものです。
アレルギーが悪化する可能性がある
どんなに愛犬を清潔に保っているつもりでも、衛生面に影響が出ると思われます。
お散歩から帰ったときに、足や体を拭いてブラッシングをしても、汚れを完全に取り除くことはできません。
また、犬の毛やよだれも寝具に付着しますし、犬にノミ・ダニが寄生している場合もあります。
アレルギーが少しでもある人は、アレルギーが悪化する可能性があるので犬と一緒に寝ることは避けた方がよいでしょう。
病気に感染するリスクがある
動物と人とのあいだで感染する病気が「人獣共通感染症(ズーノーシス)」。
動物から人に感染するだけでなく、逆に人から動物に感染することもあります
世界保健機関(WHO)で確認されている人獣共通感染症(ズーノーシス)は約150種。
日本ではこのうち約50種が報告されているそうです。
ウィルスや細菌、真菌(カビ)、原虫や寄生虫などを病原体に、さまざまな病気に感染するリスクがあります。
我が家では、猫が持っていた真菌が他の犬猫に感染し、私たちにも感染するかもしれないと、震え上がった経験があります。
最近では、子猫を保護してしばらく経ってから、その子に瓜実条虫(サナダムシ)が寄生していることに気づき、大慌てで他の犬猫も含めて動物病院で駆虫しましたが、これは人にも感染する寄生虫です。
幸いなことに、どちらも私たち人間は感染しませんでしたが、人獣共通感染症(ズーノーシス)のリスクを思い知らされました。
愛犬と一緒に寝る【愛犬のデメリット】
愛犬も熟睡できない
飼い主と添い寝することで、愛犬も熟睡できないかもしれません。
飼い主の寝返りやいびき、夜中にトイレに行ったりすることで、愛犬が目を覚ましてしまうこともあるでしょう。
我が家でも、一緒に寝たはずなのに犬が夜中に別の場所に移動していることがあります。
きっと、犬の安眠を妨げる、何らかの要因があるのだと思います。
子犬や小型犬の骨折、落下など事故のリスク
体の小さな子犬や小型犬は、飼い主が寝返りを打った拍子につぶしてしまったり、関節を痛める、足を骨折してしまうなどの事故のリスクがあります。
愛犬がベッドから落下して怪我をすることもあるので、注意が必要です。
分離不安になる可能性も
飼い主から離れると、不安や恐怖によってパニックを起こしてしてしまったり、ひとりで寝られなくなるなど、「分離不安」になる可能性があります。
ひとりで留守番しなくてはいけないときや、ペットホテルに預けられたり動物病院に入院することになったとき、愛犬に大きなストレスがかかるようになってしまいます。
このような状況は、避けたいものです。
赤ちゃんや子どもとの愛犬の添い寝は?
愛犬に咬まれる事故に注意!
もっとも心配されるのは、赤ちゃんや子どもが愛犬に咬まれることです。
痛ましい事故のニュースも、ときどき耳にします。
大人と違って予想外の動きをするうえに、甲高い声を上げる赤ちゃんや子どもは、犬にとっては恐怖の対象にもなりえます。
好奇心に駆られた赤ちゃんや子どもにまとわり付かれると、それが大きなストレスとなって犬が咬んでしまうことがあるのです。
また、寝ている赤ちゃんや子どもの上に犬が乗ってしまったり、犬の爪で皮膚が傷ついたりすることもあります。
赤ちゃんや子どもを犬と一緒に寝かせることは、避けるべきでしょう。
一緒に寝かせる場合も、必ず大人が同じ部屋にいて、目を離さないようにしてください。
アレルギー発症のリスクが軽減!?
大人と同様、アレルギーや感染症のリスクはもちろんありますが、アレルギーに関しては逆に発症のリスクが低くなるという見方もあるようです。
「犬の飼育歴はアトピー性皮膚炎発症リスクを低下させた。小児期(特に生後1年以内)のペットを含む動物との接触は免疫系の発達を促すとともにアトピー性皮膚炎発症の予防につながるとの見方もある。特に犬の飼育歴はより好ましい影響を与えるようである」
といった研究結果も発表されています。
ただし、現在のところ実際にアレルギー発症の予防につながるかどうかの結論は出ていません。
愛犬と一緒に快適に寝るためには
広めのベッドを用意する
事故を防ぐために、ゆったりと添い寝できる広めのベッドを用意しましょう。
特に超小型犬と狭いベッドで一緒に寝ると、押しつぶしてしまう危険性が高まってしまいます。
人も犬も質のよい睡眠をとるためにも、広めのベッドが必要です。
我が家の場合、人間2人と大型犬1頭、猫2匹が、クイーンサイズのベッド寝ていますが、窮屈で寝苦しく感じることがあり、キングサイズへの変更を検討中です。
ハウストレーニングをしっかりとしておく
愛犬がひとりで寝なくてはならない日に備えて、クレートやケージで落ち着いて過ごせるように、ハウストレーニングをしっかりと行いましょう。
飼い主の「ハウス!」などの指示で、いつでもスムーズにクレートやケージに入れるように、根気よくトレーニングをしてください。
災害によって避難生活を送ることになっても、ハウストレーニングができていれば安心ですね。
また、ひとりで過ごすことに慣れれば、飼い主にあまり依存しなくなるので上述の分離不安の予防にもなります。
寝室にもトイレを設置しておく
愛犬が寝具で粗相したり、排泄を我慢することがないように、寝室にもトイレを設置しましょう。
我が家は寝室のドアを開け放っているので、寝室を出たところにある和室にトイレを設置しています。
排泄を我慢することはストレスになりますし病気を引き起こしかねないので、トイレトレーニングは必ず行っておきましょう。
犬もベッドも常に清潔にしておく
上述のアレルギーや人獣共通感染症(ズーノーシス)を予防するためにも、犬を定期的にシャンプーしましょう。
寝具をこまめに洗濯し、コロコロ(粘着クリーナー)や布団クリーナー、布団乾燥機などを使って清潔に保つことも必要です。
私は毎日「コロコロの消費量が世界一では?」と思いながら、ベッドを掃除しています(笑)。
また、洗濯用洗剤や柔軟剤には、犬のストレスとなる合成香料などが含まれている場合があるので、洗剤は無添加のものを選び、柔軟剤は使用しない方がよいでしょう。
まとめ
賛否両論のある愛犬との添い寝。
飼い主にも、愛犬にも、さまざまなデメリットがあることを認識し、きちんと対策できれば、添い寝はよいことだと私は感じています。
ただし、事故や病気のリスクもあるので、一緒に寝るかどうか決める際は慎重に。
まずは、愛犬と関係性がしっかり築けているか、愛犬の性格や健康状態などについて、ゆっくり時間をかけて考えてみてはいかがでしょう。
一緒に寝ることで、飼い主も愛犬もともに癒やされ、絆を深めることができれば、それがなによりハッピーなことですね。