【ペットショップ店員が経験】トイプードルとうさぎのハートフルな出会い
今回は、私が勤めるペットショップで実際にあった、トイプードルとうさぎのハートフルな出会いの一部始終をご紹介します。
動物を新しい家族としてお迎えするときは、それぞれお迎えの理由がありますよね。
動物への一目惚れだったり、以前からペットを飼うのが夢だったり……。
今回ご紹介するエピソードは、人と動物ではなく、なんと犬とうさぎの運命の出会いでした。
ぜひ最後までお付き合いくださいね。
トイプードルとうさぎが出会った日
私の勤務先のペットショップにはトリミングサロンが併設されており、トイプードルをはじめとした長毛種の犬がよく来店します。
今回ご紹介するトイプードル(以下トイプーちゃんと呼びます)も、トリミングのために飼い主さんに連れてきてもらっていた子でした。
トリミングが終わり飼い主さんと再会したばかりのトイプーちゃんは、若干興奮気味でした。
飼い主さん、トイプーちゃん、担当のトリマーの3人でレジに向かう途中でも、通りすがる人や私たちスタッフ、他の動物たちに興味津々の様子。
その中でも特にトイプーちゃんの興味をひいたのが、店頭の一羽のうさぎでした。じっと見つめ、離れようとしません。
飼い主さんもトイプーちゃんの熱意を感じとったのか、しばらくうさぎを見せてあげていました。
私はその後売り場から離れ、飼い主さんも会計を終えてトイプーちゃんと一緒に帰宅されたようでした。
これがトイプーちゃんとうさぎが初めて出会った日のことです。
トイプードルとうさぎが家族になるまで
そのトイプーちゃんは月1回の頻度でトリミングに通っているらしく、その1ヶ月後にまたお店にきてくれました。
こちらが覚えてしまうくらいカットが特徴的な子だったので、すぐに前回のうさぎとの出来事を思い出しました。
トリミングが終わり、担当のトリマーさんと飼い主さんとトイプーちゃんがレジに向かう時がやってきました。
トイプーちゃんがうさぎコーナーを通る時に注目していると……。
なんと、また同じうさぎに反応を示したのです。
しかも、うさぎのケージの場所は前回と違っているにもかかわらず!
一緒にいた飼い主さんも、担当のトリマーさんも、その場を通りかかった私も、みんなで驚いてしまいました。
トイプーちゃんの飼い主さんは、驚きつつも「そんなにこのうさぎが好きなのね……(笑)」と苦笑いをしてその日は帰宅されました。
私はそのトイプーちゃんとうさぎの関係に興味を持ってしまい、担当のトリマーさんに「あのトイプーちゃんがまたトリミングに来たら、私を呼んでほしい!」とリクエストしました。
そして1ヶ月後のトリミングの日がやってきました。
会計前のタイミングで呼んでもらった私は、飼い主さんと担当トリマーさんとドキドキしながらトイプーちゃんがうさぎコーナーを通るところを見ていたのですが……。
やはり、トイプーちゃんは同じうさぎに反応したのでした。
うさぎに愛を伝えるかのようにしっぽを振っています。
この時から、トイプーちゃんの飼い主さんはうさぎを新しい家族として迎えいれることを検討しはじめたそうです。
その後、飼い主さんはトリミングの予定がない日でもトイプーちゃんを連れて何度もうさぎを見に来店されました。
トイプーちゃんは毎回うさぎに対して尻尾をぶんぶん振り、会えて嬉しそうな様子。
何度か来店された後、ついにトイプーちゃんの飼い主さんは、うさぎを新しく家族にお迎えすることを決定したのでした。
家族になった今でも仲良し
うさぎを家族にお迎えした後も、飼い主さんはトイプーちゃんのトリミングのために何度も来店されています。その度に私に声をかけてくださり、うさぎの様子を聞かせてくださいます。
お迎え直後はうさぎがストレスを感じないようにトイプーちゃんと別の部屋にケージを置き、少しずつ部屋んぽ(お部屋のお散歩)の時にトイプーちゃんに会わせてみたそうです。
最初はぎこちなかったうさぎの態度も、だんだんとトイプーちゃんに慣れてきたようで、今ではとても仲良しになったとのことでした。
「うさぎを部屋んぽさせると、すぐにトイプーちゃんと追いかけっこしはじめるんですよー(笑)」と楽しげに話してくださいました。
うさぎのお迎えを担当させていただいたスタッフとして、お迎えされたうさぎの楽しそうな生活を聞けることはとても嬉しいことです。
トイプーちゃんとうさぎの運命的な出会いを見逃さず、うさぎまで家族に迎えいれた飼い主さんも器が広い素晴らしい方だな、と感じた出来事でした。
番外編:トイプードルはなぜうさぎに反応した?
さて、素晴らしい出会い方をしたトイプードルとうさぎの話でしたが、なぜトイプードルは特定のうさぎに対して反応を示したのでしょうか?
私なりに、仮説を三つ考えてみました。
犬が社会化の時期だった
もともと犬は群れで生活をする動物です。
そのため、生まれてからの幼い間は、仲間がどのようなものかを学ぶ「社会化」の時期があります。
今回の場面に当てはめると、トイプーちゃんは社会化を学んでいる最中だったために、うさぎを新たな群れの仲間だと認識したのではないか、と考えられます。
今回のお話に出てきたうさぎは店の中では一番体の大きな子で、体格もトイプーちゃんと近い子でした。
そのトイプーちゃんは家では単頭飼いされていたので、自分と同じくらいの体格の動物を見つけ、仲間だと認識したのかもしれません。
しかし、ではなぜ他のトリミングに来ていた犬やお店の犬には反応しなかったの?という疑問が残ります。
懐かしいにおいがした
トイプーちゃんはこのペットショップ出身の子であり、いわばトリミングは実家訪問のようなものです。
飼い主さんによると、犬猫コーナーの中では一番うさぎコーナーに近いケージにいたそうです。
そして、今回トイプーちゃんの家族に加わったうさぎは、うさぎコーナーの中でも犬猫コーナーに一番近いブロックにいる子でした。
もしかして、トイプーちゃんはお店にいた頃にそのうさぎのにおいを覚え、来店時ににおいで思い出したのでしょうか?
調べると、そのトイプーちゃんとうさぎは、2か月間だけ店にいた期間が重なっていました。
しかし、一番近いケージだったとはいえ、人間の足で八歩分は離れています。
もしこの仮説が正しければ、犬の嗅覚と記憶力に驚いてしまいますね。
人間にはわからない絆がある
これはもう仮説でもなんでもないのですが(笑)、人間にはわからない動物同士の通ずるところがあるのかもしれません。
今回の二匹の出会いも、私には彼らの運命だったようにしか思えません。
人間同士に運命の出会いがあると言われているように、動物同士にも運命の出会いがあるのでしょう。
それにしても、異種間の運命の出会いはとてもロマンチックですね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、トイプーちゃんとうさぎのハートフルな出会いをご紹介しました。
このエピソード以外にも、世界には異種間同士の出会いが多く起きているのかもしれません。
もしあなたのペットが他の動物に興味を示していたら、それは新たな家族を迎えいれる最高のタイミングかもしれませんね。