犬も「やきもち」を焼く!犬が嫉妬したときに見られる行動や対処法を解説
海外の大学研究グループによる調査では、「犬もやきもちを焼く」と発表されています。
犬がやきもちを焼いたときは、どのような行動が見られるのでしょうか?
また、愛犬の性格や暮らしている環境によって「やきもちを焼きやすい犬」の傾向があるようです。
やきもちによる行動の中にはトラブルにつながるものもあるため、愛犬がやきもちを焼いたときの対処法も理解しておくとよいでしょう。
犬も「やきもち」を焼く!その原因は?
大きな原因は「立場の変化」
愛犬と飼い主さんとの関係性は、人間で言えば親と子の関係に似ています。子供は親にお世話をしてもらう必要があり、愛犬もまた飼い主さんのお世話なしでは快適に暮らせません。
犬は飼い主さんと遊ぶことも大好きで、自分が満足するまでおもちゃを持ってきてアピールすることも多いですよね。
今まで自分にだけ注目してくれていた親が、自分以外のお世話をし始めたらどう思うでしょうか?
人間の子供が、弟や妹が産まれて「ひとりっ子」から「お兄ちゃんお姉ちゃん」になったときと同じです。
愛犬は「私に注目して!」と、一生懸命自己アピールを始めるでしょう。
この場合、自分の立場が変化したことがやきもちの原因になると考えられます。
犬は飼い主さんの気持ちに敏感
犬は飼い主さんの気持ちを読み取る能力に優れているからこそ、自分以外に注目が向いていることを敏感に察知します。
犬は古くから人間と共生してきたことで、犬だけでなく人間の感情を読み取る能力にも優れているのです。
犬は人間の表情からも感情を読み取れるという研究結果もあり、飼い主さんが喜んでいるか怒っているかを声のトーンで察することもできると考えられています。
そして犬は群れを作って生きていく習性があるため、複数の人や犬がいる場の空気を読むことができるとも言われています。
やきもちを焼きやすい犬の特徴
飼い主さんへの依存心が強い
飼い主さんと愛犬の関係性が濃密だった場合、愛犬は「飼い主さんといつも一緒にいたい」と依存心を抱くことがあります。
二人きりの関係に第三者が登場することで、自分の立場が危うくなったと不安を感じた愛犬がやきもちを焼いてしまうことがあります。
去勢していないオス犬
去勢をしていないオス犬は去勢済みのオス犬よりも野生の闘争心が残っていることが多く、他者と序列争いをしやすい傾向があります。
飼い主さんの注目を集めている他の犬に対し、攻撃的になることがあるでしょう。
同居犬がいる
犬は人に対して順位付けを行わないと考えられていますが、犬同士では序列が生まれることがあります。
多頭飼いの場合、やきもちから序列が乱れてしまうと、犬同士でのトラブルが起こりやすくなります。
犬がやきもちを焼いたときに見られる行動は?
注目を集めようとする
「やきもち」と聞くと、拗ねている状態をイメージしますよね。
しかし犬がやきもちを焼いたときは、以下のように一生懸命に自己アピールをする行動も見られます。
・飼い主さんを見つめる
・飼い主さんを遊びに誘う
・おもちゃを持ってくる
・飼い主さんを舐める
・飼い主さんに向かって吠える
・間に割り込んでくる
このような行動は、「飼い主さん!私に注目して!」という愛犬からのメッセージと言えるでしょう。
元気がなくなる
愛犬が「一生懸命アピールしたけど、飼い主さんに注目してもらえなかった」と感じた場合、落ち込みが見られることがあります。
自分の立場が危うくなる不安感や葛藤によって、しっぽを股の間に巻き込んだり伏せて静かにしたりするのです。その様子は、まさに落ち込んでシュンとしてしているかのように見えます。
やきもちの対象を攻撃する
「相手を排除して飼い主さんの注目を取り戻そう」という目的で、飼い主さんの注目を集めている相手を攻撃することがあります。
やきもちから、以下のような攻撃的な行動が見られることがあるでしょう。
・相手に攻撃する
・相手に威嚇する
・物を壊す
対象の相手以外の「物」を破壊するのは、葛藤によるストレスを発散するためだけでなく、「物を壊したら飼い主さんが自分に注目してくれた」という誤った学習によることもあります。
トイレを失敗する
犬は強い不安感や不満な気持ちによって、尿意のタイミングを逃しトイレに間に合わないことがあります。
さらに粗相によって「トイレを失敗すると飼い主さんに注目してもらえる」と誤って学習してしまい、やきもちを焼くたびにトイレを失敗するようになることもあるでしょう。
自分の体を舐め続けたり噛んだりする
犬は強いストレスや不満を感じた際、自分の身体を執拗に舐めたり噛んだり掻いたりすることがあります。
それによって皮膚が傷付き、皮膚炎や脱毛につながることもあります。
犬がやきもちを焼きやすいシーン
家族の増員があったとき
以下のような変化があると、犬はやきもちを焼くことがあります。
・新しくペットを迎えた
・赤ちゃんが産まれた
・結婚して家族が増えた
犬は家族が増えた際に、やきもちを焼いてしまいます。
特に赤ちゃんが産まれた際に愛犬の行動に変化を感じる飼い主さんが多いのですが、それがやきもちによる行動だと気が付かないケースもあるようです。
自分だけかまってもらえなかったとき
以下のような飼い主さんの注目が自分以外に向けられるシーンで、犬はやきもちを焼くことがあります。
・来客があった
・散歩中ほかの犬と触れ合った
中にはぬいぐるみやおもちゃにも嫉妬してしまうやきもち焼きな子もいるようです。
自分だけ仲間はずれにされたとき
犬は群れで行動する習性を残した動物のため、集団の中での自分の立場に敏感です。
以下のような自分だけ不利な状態になったシーンで、やきもちを焼いてしまうことがあります。
・他の同居ペットにだけ特別なおやつを与えた
・自分だけひとりで留守番させられた
愛犬がやきもちを焼いてしまったときの対処法
過剰に反応しない
飼い主さんが過剰に反応してしまうと、愛犬は「こうすれば飼い主さんが注目してくれるのだ」と覚えてしまうことがあります。
愛犬のやきもちによる行動には、過剰に反応しない方がよいでしょう。
「おすわり」「待て」などのコマンドをかけて愛犬の気を紛らわし、成功したら褒めてあげるという対処法も有効です。
安心させる
犬がやきもちを焼くのは、「自分がないがしろにされてしまうのではないか」という不安によると考えられます。
赤ちゃんが産まれても、新しい同居犬を迎えても、愛犬が安心できていればやきもちを焼かずに済みます。
愛犬と過ごす時間をしっかり設けてあげることが大切です。
同居犬の場合は犬同士の序列を見極めて接する
多頭飼いの場合は、犬同士に序列があるかどうかを観察してみましょう。
おやつをあげたり「抱っこ」をしたりする場合、すべての愛犬に同時に行うことはなかなか難しいですよね。
同居犬にやきもちを焼いてしまう場合は、序列の上位である子から接することを試してみてはいかがでしょうか。
ストレスを発散させる
モヤッとした気持ちは、日々の遊びやお散歩で発散させてあげることが大切です。
また、愛犬がやきもちを焼いて一生懸命アピールする姿はとても可愛らしいですが、わざとやきもちを焼かせるのは愛犬に不安を与えることになります。
ストレスを発散させるのと同時に「どうすればやきもちを焼かずに済むか」を考え、環境や接し方を工夫してみるとよいでしょう。
攻撃的な場合は対象に近付かせない
他の犬や人に対して攻撃的になると、相手にケガを負わせる危険があります。
やきもちで攻撃的になる場合は、トラブルを避けるために相手と距離を保つことも重要です。
また、相手の犬や人に対する認識を「やきもちを焼く嫌な相手」ではなく「一緒にいると良いことが起こる相手」に変えることも有効です。
愛犬がやきもちを焼く対象と一緒にいる時におやつをもらうことで「嬉しい記憶」となり、その相手に対して嫌な印象が薄れることが期待されます。
まとめ
私の愛犬は、私が猫を膝に乗せると不満の声をあげて近くをウロウロすることがあります。
喋れない犬たちは、このように「飼い主さん、自分に注目して!」のメッセージをアピール行動で示すのです。
トイレを失敗してしまったり遊びに誘ってきたりといった行動は、一見するとやきもちであることがわかりにくいかもしれません。
犬のやきもちによる行動は、他の感情を抱えているときと共通したものが多いです。
例えばトイレを失敗したからといって、何らかの病気が原因の場合もあり、やきもちと断定することはできません。
しかし、愛犬が普段と異なる行動をとったときは「もしかしてやきもちかな?」と、選択肢の1つとして考えてあげるとよいでしょう。