いつまで一緒にいられる?猫の寿命や寿命を縮める腎臓病、新しい治療法について
初めて猫と暮らす時や一緒に暮らす猫がシニアになった時など、猫と暮らせる時間はどれくらいだろうと考えることがあると思います。
愛猫の寿命を知ることは少し怖いことかもしれませんが、正しく冷静に寿命を知ることでより一層愛猫への愛情が深まるかもしれません。
今回は、最新の猫の平均寿命と、猫の死亡原因の上位にある腎臓病と寿命が30年になると言われる腎臓病の治療法についてご紹介します。
最新の猫寿命はどれくらい?
一般社団法人ペットフード協会は、「全国犬猫飼育実績調査」を実施しています。
2020年度の調査では猫の平均寿命は15.45歳となっており、2016年以降では一番高い水準となっています。
徐々に平均寿命が長くなっているようですね。
意外と短いと感じられる方もいるかもしれませんが、医療の発達やペットフードの質が高くなっていることもあり、今では20歳を超える猫も多く見かけるようになりました。
猫の種類別平均寿命は?
アニコムによる調査「家庭どうぶつ白書2017」によると、契約頭数の多い種別から順に
・混血猫:14.3歳
・スコティッシュフォールド:13.4歳
・アメリカン・ショート・ヘア:13.5歳
・日本猫:14.3歳
・マンチカン:11.2歳
・ロシアンブルー:13.1歳
・ノルウェージャン・フォレスト・キャット:12.6歳
・ペルシャ(チンチラ):13.9歳
・メイン・クーン:12.5歳
・ラグドール:13.5歳
となっています。
ぜ混血猫の寿命が長いのかは今のところはっきりとした要因は分かっていないそうです。
ただ一説によると、様々な種類の血が入っている混血猫は免疫力が高い傾向にあるのだそうです。
逆に、寿命が短いとされている猫は純血種が多く、その特徴から遺伝性の病気に罹患しやすいようです。
このデータの中で一番寿命が短いという結果が出たマンチカンもその例です。
短足のマンチカンはその身体的な特徴から肥満になりやすいと言われています。
肥満というとやはり糖尿病などの恐れがでてきますよね。
また慢性腎不全にもなりやすくなります。
純血種の猫を持たれる方はこれを聞くと大変不安になるかもしれませんが、実際には猫の平均寿命を超える純血種の猫もいます。
食事に気を付けることや適度な運動、ストレスのない生活、定期的な健康診断はとても大切です。
できるだけ健康に猫生を全うできるよう飼い主が気を配りましょう。
人間の年齢に換算すると何歳?
猫の年齢を人間の年齢に換算すると、生後1か月で人間の5~6か月になると言われています。
そして生後1年で人間の18歳に、生後2年で24歳となります。
その後は1年毎に4歳ずつ歳をとっていくそうです。
つまり2歳以降は人間の4倍速く歳をとっていくことになります。
猫にとっては当たり前のことでも、飼い主からすると「そんなに生き急がないで」と感じてしまいますよね。
ですが逆に言うと、大半の猫が飼い主よりも早く亡くなるわけですからその猫生をずっと見守ることができます。
生後間もないころに迎え入れた方は、子猫のころは子育てのような感覚を覚え、シニアになると介護をしながら老猫の穏やかな表情を垣間見ることができるのです。
一生を見守ることができるということはこの上ない幸せだとも思います。
人間でいうと何歳になるかを知ることは、食事の見直しや健康診断のタイミングなどを考える良い機会になるかもれませんね。
室内飼いは長生きする
完全室内飼いの猫と外と室内を行き来する猫の寿命には違いがあります。
一般社団法人ペットフード協会の調査では、外に出ない猫の寿命は16.13歳、外に出る猫の寿命は13.57歳とかなりの差が出ています。
外に出る猫の場合、ほかの猫とのけんかで怪我をし、そのせいで感染症にかかる可能性が高くなります。また、交通事故に遭う事もあります。
これらの理由により、外に出る猫の寿命は外に出ない猫よりも短くなっています。
このような危険をなるべく避け寿命を長くするには、完全室内飼いを心がけることも大切かもしれません。
もっとも長生きした猫の年齢は?
長寿で有名な猫というと、ギネス世界記録にも登録されているアメリカのクリーム・パフちゃんです。
38年と3日、人間の年齢に換算すると約170才という驚くべき年齢でした。
クリーム・パフの飼い主さんは、クリーム・パフと同時期にグランパ・レックス・アレンという猫も飼っていましたが、この子も34才2ヶ月(人間でいうと150才)という長寿を全うしたそうです。
詳しくは、こちらの記事をどうぞ。
[blogcard url=”https://www.guinnessworldrecords.jp/news/2015/12/oldestcat”]
寿命を縮める腎臓病
猫の死亡原因のトップとも言われるのが腎不全です。
高齢期になってくると発症しやすく死亡率も高いということで、猫の飼い主の間では有名な病気です。
腎臓の機能が低下した状態が「腎不全」であり、その状態が長くなると「慢性腎不全」となります。
初期症状の一つとして多飲多尿が挙げられ、薄い尿が出てくるそうです。
初期症状とは言え、この状態はステージ2の状態です。
定期的な健康診断で尿検査をしてもらうと、ステージ1の状態で発見できる可能性もあります。
ただ残念ながら、一度機能が低下した腎臓が元に戻ることはありません。
ですから早期発見をし、食事療法や緩和療法などで進行をなるべく抑えることが大切になってきます。
寿命が30年になると言われる腎臓病治療法
その腎臓病について画期的な治療法が開発されました。
東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センターの宮崎徹教授が、AIMという腎不全の原因を取り除く物質を発見したのです。
たんぱく質のAIMは、免疫細胞のマクロファージが腎臓内の不要物を取り除く際の道しるべとなってくれるものです。
AIMがあることでマイクロファージが効果的に働いて、腎臓を健康に保ってくれるわけです。
このAIMという物質は人間の体の中にもあるのですが、猫の場合は人間ほどきちんとした働きをしてくれないため腎不全になってしまうそうです。
そのため、しっかり働いてくれるAIMを若いころから猫に投与することで、高齢になった時の慢性腎不全を防ぐことができるのだそうです。
この治療法が一般的に広がるようになると、猫の寿命は30年にもなるかもしれないと言われています。
興味を持つ猫の飼い主によって寄付も多くされているので、近い将来寿命30年が現実になるかもしれませんよ。
まとめ
いかがでしたか?
猫の寿命を知ることは、年齢ごとの食生活、運動が必要な時期、健康診断を受けるべき時など、健康的な生活を考えるヒントになると思います。
寿命は15歳かと素直に受け止めるよりは、どうしたら健康に寿命以上の猫生を送れるのかを考えながら、楽しい生活を送れると良いですね。
寿命が長くなることで出てくる問題もありますが、寿命が長くなることは決して悪いことではありません。
人の高齢化と同様に一つずつ問題を解決しながら、長く猫と暮らせる道を模索していきましょう。