紀州犬ってどんな犬?知っておきたい紀州犬の基本情報
今や海外の人たちにも大人気の日本犬ですが、皆さんは日本犬の犬種をどれくらい知っていますか?
柴犬や秋田犬は有名ですが、紀州犬は出会う機会があまりないですよね。
そこで今回は、紀州犬の歴史や体の特徴、飼育のポイントなどをご紹介します。
紀州犬の魅力を感じて頂けたら嬉しいです♪
歴史
紀州犬は紀伊国(現在の和歌山県から三重県南部)の山岳地帯で暮らしていた犬です。
イノシシ猟を行う猟犬として働いてきました。現在でも飼い主と協力して狩猟を行う犬もいます。
1934年に天然記念物に指定されました。
今では家庭犬として愛されていますが、飼育数は柴犬や秋田犬などと比べてとても少ないです。
2019年の犬籍登録数は、なんとたったの3頭。生活環境の変化が減少の原因とされています。
大きさ
紀州犬の体高は46~55cm、体重は15~25kgほど。一般的にオスの方が大きいようです。
体重的には中型犬に分類されます。
毛色
紀州犬といえば白一色の美しい姿が魅力。
しかし昔は赤毛、虎毛、胡麻毛、斑毛といった毛色の犬もいました。
繁殖が進められるにつれて白毛が増え、今では白以外の毛色は珍しくなっています。
白毛が多い理由として、狩猟中に誤って犬を銃撃しないよう、森林で目立つ色が好まれたと言われています。
体の特徴
筋肉質の引き締まった体、三角形の凜々しい瞳と鼻筋が通った顔立ちで、美しさとかっこよさを兼ね備えています。
まっすぐな尻尾が主流ですが、巻き尾の犬もいます。
顔は丸顔や面長などそれぞれ個性がありますよ。
寿命
紀州犬の寿命は14年前後と言われています。19歳まで生きた長寿の犬もいたそうです!
性格・気質
紀州犬は飼い主に忠実で、知らない人に強い警戒心を持つ犬が多いです。
自分より大きなイノシシに向かっていく勇気や精神力も備えています。
誰にでもフレンドリーという訳ではありませんが、芯が強くて頼もしい犬ですよ。
飼育ポイント
環境
紀州犬は県によっては、人に危害を加える恐れのある「特定犬」に定められています。
そうした地域では訪問者に向けてステッカーを貼ることや、鍵付きの檻で飼育することが求められます。
飼いたい人は、まず住んでいる地域に特定犬の条例があるか確認してくださいね。
そうした決まりがない地域では室内飼いも可能ですが、運動量が多いため十分な広さのある部屋が必要です。
運動量
有り余る体力を発散させるため、1日1時間の散歩は必須です。
朝と夕方の2回に分けて行うと良いですね。
散歩だけだと物足りないので、体を使う遊びをしたりドッグランへ連れて行ったりするのもおすすめです。
しつけ
警戒心の強い紀州犬は時に他の人を攻撃することも。
2015年には、飼い主から逃げた紀州犬が通行人を襲うという痛ましい事件が起こりました。
愛犬を攻撃的にしないために、しっかりしつけを行うことが大切です。
子犬の頃から飼い主の指示に従うよう訓練しましょう。
色々な人と会う経験を積み重ねて、上手なコミュニケーションの取り方を学ばせます。
成犬になった時、誰とでも穏やかに接することができるよう育てましょう。
家族とも協力して一貫性のあるしつけを行ってください。
お手入れ
紀州犬は短毛でダブルコート。
普段のブラッシングは週2~3回でOKです。
春と秋の換毛期には抜け毛が多くなるため、毎日ブラッシングしてあげましょう。
毛の汚れが気になる時は濡れタオルで拭きます。
換毛期にはシャンプーをするのもおすすめ。
子犬の頃から慣れさせておくと良いですね。
気をつけたい病気
アレルギー性皮膚炎
アレルゲンが皮膚に触れたり、体内に入ったりすることで発症します。
ハウスダストや花粉、ノミ、肉などの食品がアレルゲンになることも。
若い時に発症しやすいと言われています。
かゆみが出るので、犬にとってとてもストレスになります。
しきりに掻いているなら早めに病院へ行きましょう。
かゆみ止めの薬を使ったり、アレルゲンを避けたりすることで症状を抑えられます。
心室中隔欠損
心臓の左心室と右心室の間にある壁に穴が開いている、生まれつきの病気です。
血液の循環が上手く行えず、咳や呼吸困難といった症状が現れることも。
穴が小さい場合は治療せずに済みますが、大きい場合は手術が必要になります。
予防できないため、子犬の頃に検診を受けて早期発見することが重要です。
まとめ
あまり知られていない紀州犬の魅力を発見できましたか?
紀州犬を飼うには、飼育する側にも体力や知識が求められます。
しっかりとしつけられた紀州犬は、飼い主の良きパートナーとして無くてはならない存在になりますよ。
紀州犬に会う機会があれば、外見の美しさだけでなく内面の賢さや忠誠心に注目してみてくださいね。