猫と暮らすボランティア in アメリカ:③返還依頼~里親に引き取られるまで
第2回目の記事では、アニマル・シェルターから預かっている兄弟猫との生活についてご紹介しました。
最終回となる今回では、猫たちの返還依頼が来てから、里親に引き取られるまでをお話したいと思います。
アニマル・シェルターからの返還依頼
2匹の猫を預かって9ヵ月が経った頃、ついに、アニマル・シェルターから連絡が来ました。
アニマル・シェルターではまだ里親を見つけられておらず、早く見つかるように里親募集イベントなどに参加させたいので、猫たちをアニマル・シェルターに返還してもらいたいとのことでした。
我が家の葛藤
この日が来るのは分かっていましたが、現実になるとショックを受けるものですね。
シェルターに返してしまえば、もちろんもう二度と一緒に暮らすことはできません。
でも実は1つだけ、返さなくてもいい方法があるのです。
それは我が家自身が里親になり、兄弟猫を引き取るという選択です。
でも里親になってこの猫たちを飼うとなると、色々と問題も出てきます。
家族で旅行に行く時は猫たちをどうしよう・・・?
猫たちが病気になった時の医療費はどうしよう・・・?
ここはアメリカだし、ペットの医療費も安いはずはありません。
考えれば考えるほど不安になり、我が家にはもう少し考える時間が必要でした。
ボランティア活動の延長を希望
そこで思いついたのは、我が家で里親を探すのでボランティア活動の延長ができないかどうか、アニマル・シェルターに問い合わせることでした。
そうすればもう少し考える時間もできて、猫たちとも一緒にいられると思ったのです。
また、残念ながら猫たちを手放すとしても、全く面識のない方ではなく信頼のできる方に里親をお願いしたいとも思いました。
早速延長希望の意思を伝えてアニマル・シェルターからの回答を待ちましたが、数週間しても連絡がありませんでした。
もうしばらく、このままで・・・祈るような気持ちでした。
返還期日の決定
しかし1ヵ月後に連絡があり、アニマル・シェルターの回答は「ノー」でした。
問い合わせの回答とあわせて、猫たちのアニマル・シェルターへの返還期日の連絡がありました。
期日はなんと「1週間後」でした。
もう先送りにできない状況になりました・・・。
テレビを見ていれば膝の上に来てニャーと泣き、ベッドで寝ていれば添い寝しに来る、可愛い猫たちがこの家からいなくなるなんて・・・
我が子同然の猫たちとお別れすることは考えられませんでした。
そして、我が家はついに決めました!
この猫たちの里親になることを!
里親になるために
アニマル・シェルターの特別イベント週間
里親になる決心がついたので早速アニマル・シェルターにその旨を話しに行ったのですが、対応してくださったスタッフの方から「なぜ、今日来られたのですか?」と言われました。
私たちは知らなかったのですが、その翌日から特別イベント週間が始まり、里親になる費用が安くなるので、里親希望者は明日以降に来た方がいいということでした。
一大決心をして来たつもりが、明日以降に出直すことになり、拍子抜けしてしまいました。
里親になるための費用とは?
里親になるには、Adoption Feeと呼ばれる引き取りの費用がかかります。この費用は猫の年齢によって異なります。(シェルターによって値段が違います。)
我が家が利用したシェルターの場合は、6ヵ月未満の子猫は100ドル、7歳までは30ドルで、それ以上のシニア猫は自分の好きな金額を寄付するということでした。(この金額の中に、避妊/去勢手術の費用や予防接種などの費用が含まれています。)
この費用が、特別イベント週間の期間は安くなるということでした。
里親希望者の方はアニマル・シェルターのホームページで、イベント情報なども確認しておくことをオススメします!
里親手続き完了
翌日もアニマル・シェルターへ行き、今度はちゃんと里親になる手続きをしてきました。
書類に必要事項を記入後、署名をして費用を支払うと手続きの完了です。(ちなみに我が家の場合は、特別イベント週間中につき1匹10ドルで済みました。)
こうして我が家は猫たちの里親になりました。
一時的に預かっていた猫たちが、本当の家族の一員になったのです!
まとめ
「フォスター」というボランティア活動を通じて、最終的に2匹の猫の里親になった体験を、3回にわたってご紹介いたしました。
友人から聞いた話なのですが、我が家のようにボランティア活動をしていると、手放せなくなる人が多く、そのまま里親になるケースが多いそうです。
多くのフォスター経験者が、我が家と同じ決断をしていたんですね。
里親になる前は、ペットを飼うことに不安がありましたが、今では引き取って本当によかったと思っています。
日本でも保護猫カフェで出会った猫を引き取る愛猫家さんが多くいると聞いています。
今、里親になるかどうかで悩んでいる方の、何かのきっかけになれば幸いです。