犬の分離不安とは?原因や症状、飼い主にできる対策について。
わが家は『犬』を多頭飼いしています。
そして平日は仕事の都合で、長時間お留守番をしてもらわなくてはなりません。
先住犬が短期間でお留守番に慣れてくれたので、下の子を迎えた時も大丈夫だろうと過信していたら、驚くほどの破壊王に!
まだパピーだし、しつけが甘かったかなーと思っていたのですが、病院でそのことを先生に話したら「分離不安かもしれませんね」と…。
「ん?分離不安って何だ!? 」
その時、初めて聞いたその言葉に驚いたことを覚えています。
でもどうしても長時間お留守番をしてもらうという生活環境を変えることはできません。
今回は、愛犬の分離不安を解消するためにわが家が行った対策をご紹介します。
そもそも分離不安って?どんな症状を起こすの?
分離不安とは、その名の通り、飼い主さんが不在になると「このままいなくなる」「帰ってこないかも…」という不安や恐怖からパニックを起こすことです。
その症状はさまざまで軽度のものから重度のものまであります。
症状例(1)物を壊す
ベッドやトイレシート、ケージ、時にはカーペットや家の壁まで噛みちぎり、破壊してしまいます。
わが家はまさにこれで、帰宅すると、ケージの中はいつもボロボロになったクッションの綿やケージの木くず、トレイシーとが散乱していました。
症状例(2)長時間、吠え続ける
飼い主さんが外出すると、普段吠えない愛犬が吠え続けます。
症状が重度の場合は、長時間吠えるため、声が枯れてしまうこともあります。
症状例(3)手足や尻尾を舐める
不安を解消するために、手足や尻尾を舐める自虐行為を続けます。
頻度が増すと、手足に炎症を起こすこともあります。
症状例(4)トイレを失敗する
トイレトレーニングができているにも関わらず、所構わずおしっこやうんちをしてしまいます。
飼い主さんがいる時は失敗しないのに、留守番中に限って粗相してしまいます。
愛犬にとっても飼い主さんにとっても辛い状況ですよね…。
わが家も「分離不安」を知らなかったら、単にしつけの失敗や、この子の性格がよくないという間違った結論になっていたかもしれません。
飼い主さんから愛犬にアプローチできること
飼い主さんが今日から始められることはいくつももあります。
まずは、愛犬が留守番することで不安にならないよう、慣らすことが大切です。
徐々に留守番に慣らす
居なくなっても必ず帰ってくるということを覚えてもらうため、段階を踏んで留守番させるようにしました。
行うことは実にシンプル。
まずは15分くらい外出して戻ってきます。
それを繰り返し、次は30分、次は1時間と徐々に留守番の時間を延ばしていきます。
ただし、わが家の場合、平日の留守番は必須です。
ですので、最初は荒らされるのをある程度は覚悟。
普通に留守番をしてもらうのと並行で、平日の帰宅後と週末の時間が取れる時にこの訓練を続けました。
最初はまったく効果なし(笑)。
めげずに、あきらめず、時間をかけて繰り返します。
すると、ほんとにゆっくりですが、ケージやベッドを荒らすことが減り、飼い主がいなくなる不安を解消していったように思います。
お留守番は楽しいと思わせる
お留守案は、愛犬にとっては構ってくれる人がいなくなり、「退屈 ⇒ 暇 ⇒ ストレスが溜まる」という図式も考えられます。
ですので、飼い主さんがいなくても、留守番はそれなりに楽しいと感じることが大事です。
ここは、やはりおやつの出番。
留守番専用のおやつを用意してあげて、留守番すると特別なおやつがもらえる♪ということを覚えてもらいます。
ガムや蹄など、色々と試しましたが、最終的に落ち着いたのはガジーでした。
ガジーはおやつ(フード)を入れて渡すと、鼻先で突きながら取り出しては食べるという知育玩具です。
一粒取り出すのに手間がかかるので、暇な時間が減ります。
また、食べることでお腹を満たし、あとは寝て待つのみという流れを作ることができます。
これを覚えるとガジーを出すだけで、尻尾を振ってケージに入ってくれるようになり、とても助かっています。
必要以上に声がけはしない
出がけに「行ってくるね」「ごめんね」とつい声をかけがちですが、それは「これからお留守番だからね!」と宣言しているようなもの。
過剰に声をかけることはせず、日常生活の一部なんだと思わせるよう、ガジーを渡したらサクッとでかけてしまいます。
声がけをするということは、犬にとって特別な何かが起こる…という不安を煽ります。
「時々居なくなる飼い主さん、でも必ず帰ってくる」
という日常であることを理解してもらうことが一番です。
また、帰宅した時に大喜びで猛ダッシュで(吠えながら…笑)迎えてくれると思いますが、その時も、過剰に声をあげたり、撫でまくったりしないほうが良いと思います。
わが家の愛犬はこれが吠える(訴える)ことを助長していたようで、吠え癖がつくのもこれが原因のひとつです。
帰宅時は、どんなに愛犬が吠えても、飛びついてきても基本無視。
愛犬の興奮が収まるまで淡々とやり過ごします。
ある程度収まってきたら、落ち着いた声で「ただいま」と声をかけることにしています。
留守番環境を見直してみる
飼い主さんがいなくなった後に不安を軽減するためには、留守番する環境を考える必要があります。
どうすれば安心して待っていられるか、今の環境を見直してみましょう。
ケージの位置
犬は基本、穴倉や四方が囲まれたちょっと薄暗い落ち着いた環境のほうが安心します。
窓際や道路脇など、外の音が頻繁に聞こえるようなところでお留守番させていると、かえって落ち着きません。
ケージを部屋の中央の壁際などに移すのもひとつの方法です。
わが家の愛犬は、先住犬がフリースペースで留守番できていたので、後から迎えた子も大丈夫だろうと過信していました。
病院で聞いたところ、守るべきテリトリーが広すぎてパニックになってしまうとのこと。
そこで、下の子はケージに入れてから出かけるようにしました。
すると、自分の居場所が見つかって安心したのか、悪さをすることがなくなりました。
長時間の留守番になりそうな時はTVをつけっぱなしに
どうしても遠方まで出かけなければならないことが分かっている時は、TVをつけっぱなしにして出かけます。
すると、いつも聞こえる音があることで、いつか帰ってくるだろうと思ってくれるようです。
また、帰宅が夜になる時は、電気も点けておきます。
真っ暗な中で待つのは犬にとって負担になるのではと思います。
慣れた音、環境を用意するだけで、安心感は全然違うようです。
まとめ
分離不安はいつ起きるかわかりません。
成犬になっても何かのきっかけ(怖い思いをした、びっくりしたなど)をきっかけになることもあります。
「どうしてこんなに吠えるんだろう、物を壊すんだろう…?」
と悩んでいる飼い主さんは、もしかしたら分離不安かもしれません。
病院で相談しながら、飼い主さんも愛犬も安心して過ごせる環境を考えてみてくださいね。