フェネックはペットとして飼える?性格や価格、飼育方法と5つの注意点をご紹介!

皆さんはフェネックという動物を見たことがありますか?
フェネックの見た目は、犬とキツネを足して2で割ったような感じでとても小さく、キュートなルックスをしています。
愛らしさ、そしてユニークさは、一度見ると頭から離れないほどのインパクトです。
なんと最近では、そんな可愛いフェネックを家族に迎え入れることができるのです!
とはいえ、人間と共存した歴史がまだまだ浅いフェネックは飼育方法などの情報が少ないのも現状です。
そこで今回は、エキゾチックアニマルが大好きな動物ライターの私がフェネックの性格や生体価格、飼育する際の注意点などをご紹介します。
フェネックってどんな動物?
フェネックはイヌ科の中のキツネ属という部類に入る動物です。
イヌ科の中でも最も体が小さく、体長30~40cmと超小型犬サイズに、同じくらいの長さのふさふさとした尻尾がついています。
そして一番の特徴は身体の半分ほどもある大きな耳。
「イヌ科界のダンボ」と言っても過言ではないほどの耳のサイズは、本当に空も飛べてしまいそうです。
ですがこの耳、無駄に大きいだけではありません。
この大きな耳は、体内の熱を瞬時に放出することができるのです。
フェネックはもともと砂漠地帯に生息していて、言うまでもなく昼間は灼熱地獄。
この暑さの中でも生き抜いていくために、フェネックの耳は大きく進化したのだと言われています。
さらに砂漠の夜は極寒です。この寒暖差から身を守るために、ふかふかの被毛が全身を覆っています。
そんなフェネックの毛の色は黄金色で美しいのも特徴です。
この色は砂漠と同化するためで、天敵の多いフェネックにとってのカモフラージュ術になっているのです。
フェネックの性格は? ペットとして人になついてくれる?
フェネックを家族に迎え入れる際に一番気になるのは「人になつくの?」ということではないでしょうか。
結論から言いますと、時間はかかりますが、徐々になつきます。
可愛いフェネックが家にやってきたら誰もが触りたくて仕方がありません。
ですが、フェネックはもともと臆病で警戒心の強い性格の持ち主です。
自然界では周りは天敵だらけで、捕まってしまえばなす術もないフェネックにとって日常的に警戒心を解くことができません。
そのため、最初はフェネックを触ろうものなら手などにガブリと噛みつかれてしまう可能性も大です。
特に大人のフェネックを飼い慣らそうと思うと、相当な根気が必要です。
警戒心を解いてもらうには、飼い主さんが安全だということを理解してもらう為に多くの時間が必要になるため、気長に地道に少しずつ心の距離を縮めていきましょう。
フェネックと仲良くなるには、とにかく根気です!
また、慣れてくると今度はやんちゃに遊び始めます。
広い砂漠地帯に住んでいたフェネックにとって運動は欠かせません。
結構な速度で部屋中を走り回るので、「猫被ってたの?」と思う飼い主さんも多いようです。
その元気に動く姿が、またたまらなく可愛いそうです。(笑)
フェネックを手に入れる方法や生体価格は?
フェネックはブリーダーや一部のペットショップなどで取り扱われています。
中には「エキゾチックアニマル専門店」といったペットショップがあるので、そういったところに足を運んでみるとフェネックに会える可能性は高いでしょう。
そして肝心な生体価格ですが、とても珍しい動物であるため、安くても50万円台、高い子では100万円を超える額になります。
月齢や性別によっても価格が大きく変動するようですね。
ちなみにオスよりもメスの方が値段が張る傾向にあります。
さらにフェネックのペット化や毛皮ブームの影響もあり、フェネックの生息数自体が減っているというのも価格が高い理由のひとつです。
フェネックを飼ってみたいと思っても、価格を見て断念する私のような人も多いようです。
フェネックをペットとして飼育する際の注意点は?
フェネックはイヌ科ではありますが、犬のように飼いやすいというわけではありません。
むしろ飼い主の生活をフェネックの生態に合わせないと飼育が難しいと言えます。
私も「フェネック欲しい!」と思って生態や飼育環境などを調べていましたが、調べるうちに現実的に今飼育するのは無理だと確信しました。
飼った後で後悔しないよう、フェネックを飼育する際の注意点を挙げていきます。
トイレは覚えません!
犬や猫とは違い、フェネックはトイレを覚えられません。
「じゃあフェネックを飼っている人たちはどうしているの?」と思いますよね。
それは、「したら即片付ける」です。
床だろうが高級カーペットの上だろうが本の上だろうが、「今したい!」と思えばしてしまうのがフェネック。
しかも結構おキツイ臭いなのだそう。
飼い主さんは始末に忙しく、これがフェネックの寿命分(およそ15年前後)続きます。
ですから、床はフローリングか防水マットを敷いておくと片付けがしやすいでしょう。
また、飼い主さんが留守の間に部屋を汚されないよう、外出時にはフェネックを犬用ケージなどに入れている人が多いようですよ。
体臭もおキツイ
可愛いお顔のフェネックですが、見かけによらず体臭も結構あるそうです。
シャンプーをしてあげても、体内からの分泌物が無くなるわけではないので良い匂いも一時的です。
動物独特の臭いが苦手な人は飼育にはあまり向かないかもしれませんね。
夜はとっても元気
フェネックは夜行性動物のため、夜中~朝方はとっても元気です。
元気な時にケージに入れておくのは可哀想だから…という理由で夜中はフェネックを部屋で放し飼いにしてあげている飼い主さんもいるようですが、夜のフェネックはすごい行動力。
飼い主さんが寝ている時にもダーッシュ!ジャーンプ!ドッタバタ―!といった様子です。
もちろんケージに入れていても中で元気に活動していますので、騒音対策は必須かもしれませんね。
鳴き声が大きい
フェネックの鳴き声、どんな感じか想像できますか?
「可愛い顔してるし、きっとキュートな声なんだろうな」と思いきや。
ギャッ!ギャギョッ!みたいな鳴き声です。
フェネックのさまざまな鳴き声を集めた動画です。
そして鳴き声のボリュームもわりと大きいため、夜は近所迷惑になってしまう可能性があります。
しかし、こんなちょっと不気味な(?)鳴き声ばかりを発するのではなく、甘えてくる時などには「キュー」という超絶愛くるしい声を出してくれます。
この可愛い声を聞くまでには時間を要するかもしれませんが、辛抱強く頑張って仲を深めるとご褒美に悶絶するほどの癒し系甘声が頂けますよ。
土を掘る性質がある
野性で砂漠に穴を掘って暮らすフェネック。本能を満たし、ストレスを発散させてあげるために、穴掘りができる場所が必要です。
庭などがある場合は放してあげるのも手ですが、脱走する危険もありますので目を離さないようにしましょう。
フェネックを飼うときに用意するもの
フェネックは珍しい動物のため、フェネック専用の飼育グッズは販売されていません。
他の小動物用の飼育グッズを代用して環境を整えましょう。
飼育ケージ
トイレを覚えないため、飼育ケージは必須アイテムです。
運動量が多いため、中型~大型犬用の大きめのケージを用意しましょう。
こまめな掃除が必要なので、床が引き出せるタイプのケージが便利です。
また、時にはケージから出して遊ばせてあげる必要があります。
フェネック用に一部屋を用意できるとベストです。
給水ボトル・エサ皿
フェネックは砂漠地帯の動物なので、水はそれほどたくさん必要としません。
ケージに取り付けられる、ハムスターなどの小動物用の給水ボトルが便利です。
体が小さいので、エサ皿は小型犬用のものでOKです。
フェネックのエサ
フェネックは雑食性ですから、基本的になんでもよく食べます。
ドッグフードやキャットフードを基本に、キャベツなどの野菜やバナナなどの果物を与えましょう。
外に連れていくと、トカゲやバッタなどの昆虫を食べることも。
エサは1日2回朝と夜に与えます。
夜行性なので、夜のほうがたくさん食べます。
巣箱やおもちゃ
フェネックの様子を見て、巣箱やハンモック、おもちゃなどを用意しましょう。
サイズが同じくらいのフェレット用の物が代用しやすいです。
また、上り下りの上下運動も大好きなので、猫用のキャットタワーも楽しめるようです。
まとめ
日本でも少しずつ飼育数が増えているフェネック、その愛らしい姿に心を奪われる人は少なくないはずです。
しかし、可愛いからというだけで飼育を決めてしまうと、あとで大きく後悔をする生態でもあります。
フェネックの購入の前に一度冷静になり、自分の生活環境にフェネックを迎え入れられるのかという事をよく考え、フェネックについてもしっかり勉強してみましょう。
よし!いける!とガッツポーズをした人へ。
ぜひ可愛いフェネックとの素敵なライフを楽しんでみてくださいね!
飼えないけどフェネックに会いたい方は、池袋のアニマルルーム「いけもふ」で会えますよ!
公開日:2019/06/25 最終更新日:2021/07/26