ミックス犬と雑種の違いは?魅力とは?成長後はどうなる?まとめて解説!
最近ペットショップなどでも「ミックス犬」と呼ばれる犬がショーケースに姿を現すことが多くなってきました。
「ミックス犬ってそもそも何なの?」「雑種とは違うの?」と感じたことはないですか?
ミックス犬とは、種類が分かっている血統書付きの犬同士の子のことです。
今回は、動物ライターの私が、ミックス犬が誕生した経緯やミックス犬の魅力、姿が変化しやすいミックス犬の、気になる成長後のルックスなどについてご紹介します。
後半では今流行りのミックス犬を5種、画像つきでピックアップするのでぜひ読んでみてくださいね。
雑種とミックス犬の違いは?
雑種とミックス犬は、どちらも犬種の違う両親から生まれてきた子のことを言います。
ここまでは雑種もミックス犬も変わりありません。
違いはここからです。
雑種の場合は、犬の交配に人が介入せず、犬同士自らの本能行動によって生まれてきた子たちが多いのです。
特に昔は犬の避妊手術が行われることが少なかったのと、外飼いのワンちゃんが多かったことから、
「うちの子いつの間にか妊娠してるんだけど?!」
なんていうことがよくあったようです。
つまり何の犬種との子か分からない子たちを「雑種」と呼びます。
対してミックス犬は犬の交配に人の手が介入します。
もっと言うと、きちんと種類が分かっている血統書付きの犬同士の子が「ミックス犬」です。
なぜミックス犬が誕生したの?
「そういえば気付けばミックス犬って呼ばれている犬がいたなあ」
なんてぼんやりと感じるくらいしれっとミックス犬が誕生していませんでしたか?
ミックス犬をしれっと誕生させたのは、ブリーダーさん達のある思惑があったからです。
当時のペット業界では、雑種は血統書付きの犬より軽視される傾向にありました。
同じ命なのですから軽視なんておかしな話ですが、そういった世の中の動きを止めようとしたひとつの手が「雑種のブランド化」です。
とはいえミックス犬なので両親は血統書付きに限られますが、
「どこの犬の子か分からないなんてことはありませんよ」
という、いわば血統が保証された雑種を作ろうという方向に動き始め、「ミックス犬」と呼ばれるブランド種が誕生しました。
結果的に、世間は今までの犬種とは違う目新しい犬の姿形に衝撃を受け、「雑種のブランド化」はペットブームに更なる躍進の後押しをしたと言えるでしょう。
ミックス犬の魅力は?
ミックス犬にはさまざまな特長があります。ミックス犬の魅力を見ていきましょう。
血統書の犬に比べて体が丈夫
純血種の犬種は、多くの場合ブリーダーによって繁殖されますが、その方法は近親繁殖や系統繁殖が多いのです。
ちなみに近親繁殖とは、親と子との交配や兄妹同士など、血縁関係がとても近い犬同士での繁殖をいいます。
また、系統繁殖は近親繁殖以外の近しい血縁関係、つまり叔父と姪などの親戚同士で交配させる方法です。
「えぇ?!」
と目を疑う人も多いかもしれませんが、動物同士では自然界でも結構よくあることなのです。
近い血縁関係で交配することで、犬種の血統らしさが子により強く現われることが多いため、ブリーダーの間でもよく行われています。
ですがデメリットとして、その血統独特の病気を持ちやすくなってしまうのです。
たとえば極端な話ですが、関節が悪い遺伝子を持つ犬同士を交配させると、当然関節の悪い遺伝子を持つ子が生まれやすくなってしまいます。
良いところも継げば悪いところも継いでしまうということですね。
それに比べてミックス犬の場合、片親が関節の悪い犬であっても、もう一方の親が関節に問題がなければ、関節が悪いという遺伝子を持ちにくくなります。
つまり血統書付きの犬独特の病気が遺伝しにくく、結果的に体が丈夫な子が生まれやすくなります。
一匹一匹に個性が出る
当然ですが、チワワ同士の間に生まれた子は当然チワワの形をした子しか生まれませんよね?
ですが、仮にそれぞれチワワとトイプードルのカップル5組の間に子犬が生まれると、この子犬たちはカラーはもちろん、毛質や体つきなどがそれぞれ違うのです。
チワワのような大きな目を持つ子もいれば、トイプードルのようなアーモンド型の目を持つ子。
チワワのようなすべすべした毛質を持つ子もいれば、トイプードルのようなクリクリした毛質の子がいます。
同じ犬種同士の掛け合わせでも全く違う見た目の子が生まれるのも、ミックス犬の魅力のひとつです。
成犬でどうなるかは大きくなってからのお楽しみ
血統書付きの犬種は成犬の姿がどうなるのかが分かりますが、ミックス犬の場合は成長した時にどんなルックスの子になるのかが分かりません。
成長してみると子犬の頃とは全然違う特徴が!ということもしばしばあるようです。
こういった変化が楽しめるのもミックス犬ならではですね。
ミックス種の成犬はかわいくないというのは本当?
ネットやSNSでポメプー(ポメラニアン&トイプードルのミックス)やマルプー(マルチーズ&トイプードル)といったミックス種は、「成犬になったときかわいくない」という言説を見かけることがあります。
検索していてそんな情報に出会ってしまうと不安になりますよね。
かわいくないと言われる理由は、前述のとおり、ミックス犬は見た目の特徴が大人になるにつれて大きく変わることがあるからのようです。
たとえばポメプーなら、子犬のころはトイプードルの印象が強かったのに、成犬になるとポメラニアン寄りになり口元がとがってきた、といったような具合です。
印象が変わるとしても、手塩にかけて育てている愛犬はかわいいですよね。
ポメラニアンもプードルも、どちらに似ても愛犬はかわいいものですから、心配はいりませんよ。
人気のミックス犬5種を紹介!
それでは実際に、どのようなミックス犬が人気なのかをご紹介します。
チワプー(チワワ&トイプードル)
人気ペット犬種の1位2位を争うチワワとトイプードルのミックス。
チワプーの被毛は、チワワの中でも長毛種と短毛種がいるので、バリエーションも豊かで個性溢れる子が多いです。
どちらかというと、トイプードルのカールした毛質を受け継ぐ子が多いようです。
どちらも超小型犬種なので、どちらに似たとしても将来的にもあまり大きくならない場合が多く、チワワより少し大きいくらいの体格になるでしょう。
性格は陽気で社交的です。賢いのでしつけもしやすいと言われています。
芸能人では桐谷美鈴さんがチワプーのパトラちゃんを飼っています。
チワックス(チワワ&ミニチュアダックスフント)
チワワと胴体の長いミニチュアダックスフントを掛け合わせた種類で、芸能人ではオアシズの大久保佳代子さんや戸田恵梨香さんが飼っています。
ミニチュアダックスフントの血が入っているので、長い胴体を受け継ぐことが多いです。
しかし時にはあまり胴体の長くない子も誕生したり、立ち耳と垂れ耳の両方がいたり、毛色や毛質が多種多様だったりと、見た目の個性が大きく左右されるミックス犬です。
ポメプー(ポメラニアン&トイプードル)
直毛で毛の抜けやすいポメラニアンに、巻き毛で毛の抜けにくいトイプードルを掛け合わせた種類です。
ポメラニアン寄りの直毛かトイプードル寄りの巻き毛に似る場合だけでなく、両方の特徴が混ざって、うねったくせ毛のような毛質になる子もいます。
もともと毛の抜けにくいポメラニアンをブリードさせようという思惑で誕生した組み合わせですが、やはりその子によって違いが出てしまうようです。
ポメラニアンのようなふわふわの毛にトイプードルの見た目、などといったユニークな見た目が好評です。
ポンスキー(ポメラニアン&シベリアンハスキー)
大きさ全然違うけど大丈夫?!
と心配するような組み合わせですが、最近では見た目が可愛いor格好良いと評判のミックス犬です。
シベリアンハスキーの模様なのに小さくてクリクリおめめの可愛い子や、ポメラニアンのオレンジカラーでシベリアンハスキー寄りの子など、個性豊か過ぎて同じ犬種から生まれたとは思えません。
私も一度でいいから生でお目にかかってみたいところです。
どちらも活発な性格の犬種なので元気いっぱいな子が多いようですよ。
マルプー(マルチーズ&トイプードル)
フレンドリーで飼いやすい性格の犬種同士の掛け合わせのミックス犬です。
どちらも毛質がクリクリとしていているため、肌触りの良い毛質の子が生まれます。
シングルコートで毛が抜けにくいのも特徴です。
従順で賢い性質を持つところも嬉しいポイントです。
まとめ
血統書付きの雑種、ミックス犬の魅力は伝わったでしょうか。
今後も多くのミックス犬が登場してくるので、個性豊かなバリエーションにも目が離せません。
他の人とはちょっと違う珍しい犬を飼いたい方、ぜひミックス犬との暮らしを検討してみてはいかがですか?
公開日:2019/02/15 最終更新日:2021/07/27