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リーダーウォークのメリットは?しつけの方法を覚えて安全な散歩を楽しもう

飼い主を見上げながら散歩をする犬

「犬が散歩で勝手に歩いてしまう」「飛び出しが怖くていつも気を張っていて、散歩が楽しめない」

そんな悩みを抱いている飼い主さんは少なくありません。

そこで取り入れたいのが、「リーダーウォーク」と呼ばれるしつけです。

今回は、リーダーウォークの必要性やしつけの方法などをご紹介します。

犬と人間の安全を守るために、正しい散歩のやり方を取り入れましょう。

犬のリーダーウォークについて知ろう!

犬にリードを付ける男性

犬にとって先頭はリーダーが歩くもの

犬のリーダーウォークについて説明する前に、犬の集団意識について説明します。

犬はもともと複数体が群れを成して生活をする生き物で、群れには必ずリーダーとなる犬が存在します。

これは、ペットとして飼育されている犬も同じです。家族の中で誰がリーダーなのかを意識し、順序付けをします。

そして、犬社会ではリーダーが先頭を歩くものです。

つまり、犬が飼い主よりも前を歩いている場合は、犬自身が「リーダーは自分だ」と思っている状態といえます。

飼い主に合わせて犬が歩くのがゴール

以上を踏まえて、リーダーウォークについて解説します。

リーダーウォークとは、「飼い主が犬にとってのリーダーとなり常に先頭を歩き、犬は寄り添う形で歩く」ことです。

犬は飼い主をリーダーだと認めれば自然と後ろに下がり、歩行の主導権を譲ります。

リーダーウォークとは「歩行トレーニング」

散歩をする犬と飼い主

ノーリードでの散歩が推奨されていない日本においては、リーダーウォークに求められるのは「飼い主の後ろを犬が歩くこと」だけではありません。

犬に付けた首輪にリードを装着し、その先端を飼い主が持ち、犬が勝手に歩かないようにコントールをするための歩行トレーニング全般を指します。

リードを付けた散歩は動物愛護法による努力義務

動物愛護法では、リードを付けた散歩は飼い主の努力義務と記載されています。

リードを付けていなくても違法ではありませんが、「人間と犬の健全な共生のためには、可能な限りリードを付けるべきである」という解釈です。

ノーリードは飛び出しによる事故や怪我を招いたり、近隣の人たちに不安を与えてしまったりする可能性があります。

リードを用いたリーダーウォークをしつけることで、胸を張って「誠実に犬を飼育している」と言えるわけですね。

リーダーウォークをしつけるのはいつから?

お庭を散歩する服を着たトイプードル

リーダーウォークのしつけは、お散歩デビューの頃から始めて構いません。

具体的には、3回の混合ワクチンの接種と初めての狂犬病ワクチンの接種が終わった20~100日後が目安となります。

ワクチン接種前やまだ免疫が安定していない接種直後は、散歩を控えましょう。

また、生後4ヵ月を迎えた子犬は「恐怖期」と呼ばれる思春期のような敏感な状態に入ります。

恐怖期に入ると社会化が難しくなるため、できれば生後4ヵ月以内にお散歩デビュー&リーダーウォークのしつけを始めましょう。

子犬時代よりもしつけに時間がかかる可能性は高いですが、成犬になってからでもリーダーウォークのしつけは可能です。

愛犬の性格に寄り添いながら、じっくり取り組んでいきましょう。

リーダーウォークをしつけるメリット

リードをくわえた犬

誤飲や事故を防止できる

リーダーウォークをしつけることで、飼い主が犬の動きをコントロールできるようになります。

そのため、散歩中の誤飲や飛び出しが減り、事故や怪我を未然に防げる可能性が上がります。

また、道行く人への飛びかかりも防止できるため、相手に怪我をさせてしまう・怖がらせてしまう不安も解消できるでしょう。

犬が精神的に安定して散歩ができる

散歩の主導権を飼い主が握ることで、犬は勝手に動くことがなくなります。

すると、犬が今まで感じていた「自分の好きなように歩きたいけれど、首輪を引っ張られるから行けない」というストレスが解消され、精神的に安定した状態で散歩できます。

首輪が引っ張られることによる負担が軽減される

首輪のきつさを確認する飼い主

犬が思い通りに動かないと、ついリードを引っ張ってしまう飼い主さんもいます。

しかし、リードを引っ張られると首や神経、呼吸器に負担がかかり、気管虚脱などの病気になるリスクがあります。気管虚脱は、気管が途中で潰れてしまい呼吸ができなくなる恐ろしい病気です。

犬の健康のためにもリーダーウォークをしつけ、安全な散歩を楽しみましょう。

飼い主さんの散歩の負担が減る

犬が自由に動いてしまうと、飼い主さんが想定していた散歩ルートから大幅に外れてしまったり、力ずくで言うことを聞かせたりするシーンが増えます。

余計な体力や精神力を使い、飼い主さんの負担が倍増してしまいますよね。

リーダーウォークをしつけることで、犬も人も心身に余裕をもって散歩が楽しめます。

リーダーウォークをしつけないことによる危険性

散歩中に動かなくなった犬

飛びかかりの癖が抜けづらい

リーダーウォークをしつけずに犬の意思に任せて歩かせると、人や車、他の犬に飛びかかってしまう危険性があります。

飛びかかり癖は相手に怪我をさせてしまったり洋服を汚してしまったりするだけではなく、愛犬が事故に遭う可能性もあります。

相手が小さな子どもや小型犬などの場合は怪我のリスクも増え、大きなトラブルにつながる場合もあるでしょう。

犬に引っ張られてしまう

犬が主導権を握っている散歩では、ルートや速度が犬の意思に左右されてしまいます。

すると飼い主さんが物理的・精神的に振り回されることになり、思わぬ事故の原因になります。

特に、誤飲や飛び出しなどの危険行為を飼い主さんがコントロールできなければ、大きな怪我や事故から愛犬を守れないでしょう。

車道に出てしまう危険がある

横断歩道を渡る柴犬と飼い主

若い犬や好奇心旺盛な犬は車への恐怖心が薄く、リーダーウォークをしつけていないと車道に出てしまう可能性があります。

また、車は危険だとわかっていても、興奮やワクワク感で周りが見えなくなることは十分考えられるでしょう。

犬をコントロールできていない場合、急な飛び出しでリードを振り切られてしまう危険もあります。

愛犬が目の前で車道に出てしまい、車が走ってきたら……なんて、想像すらしたくないですよね。

人も犬もストレスを感じる

リーダーウォークができていないと、人間側は犬をコントロールできずにストレスがたまります。

また、犬からしても、リードで動きを制御されることが多く不満を抱きます。

リーダーウォークは安全を守るためだけでなく、お互いが散歩というコミュニケーションを心から楽しむためのしつけでもあるのです。

リーダーウォークのしつけ方

散歩を嫌がる甲斐犬

ここでは、実際にリーダーウォークをしつけるときの方法をご紹介します。

リーダーウォークのしつけで用意するもの

リーダーウォークで必要なものは、以下のみです。

・首輪
・リード
・フードポーチ

リーダーウォークはあくまで歩行訓練であるため、特別な道具を必要としません。

上手に指示を聞けたときに褒めてあげるために、フードポーチにおやつを入れて持ち歩きましょう。

リードを正しく握る

まずは、リードの正しい握り方を確認してください。

首輪にリードを装着したら、犬の右側に立ちます。左手でリードを張り、おへその位置で握ります。この状態で、両腕を下ろしましょう。

すると、リードがアルファベットの「U」のようになっているかと思います。

このたるみを維持しながら、リーダーウォークのしつけを行いましょう。

犬が前を歩いたら反対方向へ歩く

準備ができたら、まずは前に進みます。

しばらくすると犬が前に出ていこうとするので、飼い主さんはすぐに反対方向に歩き出してください。

また犬が飼い主の前に行こうとしたら反対方向に歩く、という行動を繰り返すと、少しずつ犬が前に出なくなります。

これがリーダーウォークのしつけの基本です。

リードがピンと張る前に方向転換をするのがポイントです。

犬の動きに注目をしながら、リードのたるみを維持した状態で往復を繰り返してください。

犬がこちらを見ているかに注目する

飼い主を見上げるトイプードル

犬の動きに注目を向けるべきですが、凝視する必要はありません。

基本は前を向いたまま、時々犬が飼い主さんをしっかり見ているかどうかを確認しましょう。

リーダーウォークのしつけが進行すると、次の動きを予測するために犬が飼い主を見上げるようになります。

今まで散歩中に飼い主さんのことを見ていなかった子の場合は特に大きな効果が期待できるため、ぜひ目線に注目してあげてくださいね。

上手にできたらご褒美もあげる

犬のしつけは、ご褒美を与えることでより効果が得られやすくなります。

しっかりとこちらを見てリーダーウォークができていたら、おやつを与えて「今の歩き方が正解だ」と教えてあげましょう。

慣れてきたら坂道やジグザグ歩きをしてみよう

リーダーウォークの基本の歩き方に慣れてきたら、坂道やジグザグ歩きなどのバリエーションを増やしましょう。

練習のために往復する距離も、少しずつ伸ばしてあげてくださいね。

リーダーウォークができないときの原因は?

飼い主の肩にのせられた犬

長い距離で練習をしている

うまくリーダーウォークができないときは、最初から長い距離で練習をしてしまっている可能性があります。

慣れないうちは、飼い主さんの方向転換のリズムが掴めず犬が混乱しやすいです。

すぐに前に進んでしまったり付いてきてくれなかったりするときは、「3歩だけ歩いて方向転換」を繰り返し、感覚を覚えさせましょう。

犬がこちらを見ていない

犬が飼い主さんを見ていないときは、自分の意思で好き勝手に歩きたい気持ちが残っています。

犬の動きを横目で捉えながら、しっかりとこちらを見上げているかを時々確認しましょう。

付いてきてくれないときでも犬の動きに合わせず、飼い主さんがコントロールすることが大切です。

基本的な信頼関係が足りていない

犬が付いてこない場合、飼い主さんのことを「どうでもいい」と思ってしまっている可能性があるでしょう。

根本的な信頼関係の欠如は、リーダーウォークのしつけにも悪影響を及ぼします。

普段からスキンシップの時間を増やしたり、優しく落ち着いたコミュニケーションを取ったりして、信頼を高める生活を送るよう心がけてください。

飼い主さんが諦めてしまっている

リーダーウォークに限った話ではありませんが、何事も成功するまでに諦めたら失敗で終わってしまいます。

リーダーウォークのしつけは早ければ数分で効果が現れますが、性格・年齢・関係性によっては長い時間を費やします。

愛犬の可能性を信じ、根気強くとことん付き合ってあげましょう。

犬にとってメリットがなくストレスになっている

リーダーウォークのしつけ自体に、犬が大きなストレスを感じている可能性があります。

飼い主さんが求めていることはわかっていても、「それに応えることで自分に何のメリットがあるのか?」という気持ちになってしまっているのです。

慣れるまではご褒美のおやつを与えるなど、信頼を築きながら楽しく続けられるための工夫を取り入れましょう。

まとめ

散歩を楽しむ女性と犬

今回は、犬のリーダーウォークのメリットややり方をご紹介しました。

リーダーウォークは人と犬の安全を守るためだけのしつけではなく、散歩におけるストレスを減少させるためのトレーニングでもあります。

犬を飼育している限り、散歩は必須の習慣です。できる限りお互いに楽しくリフレッシュしたいですよね。

ぜひ今からでもリーダーウォークを覚えさせ、愛犬と充実した散歩時間を過ごしましょう。

公開日:2019/4/10 最終更新日:2022/6/15