猫が立った!猫が立つ理由や心理7選|病気の心配はするべき?

森の中でバスケットの上に立つ子猫

猫は四足動物の生き物ですが、さまざまなシーンにおいて突然二本足で立ち上がることがあります。

可愛い愛猫が目の前で人間のように立ち上がるのを見ると、飼育に慣れている飼い主さんでも驚いて息を呑むこともあるでしょう。

今回は、猫が立つ理由や心理をご紹介します。

つい立ち上がってしまう猫の気持ちを理解し、今まで以上に心情に寄り添ってあげましょう。

猫が立つ理由①威嚇行動

両手を上げている猫

具体的な理由

猫は相手に警戒心を抱いている場合、威嚇するために体を大きく見せようとします。

自分の力をアピールするために立ち上がり、相手より強いことを認識させて戦意を喪失させようと試みるのです。

立ち上がると同時に前脚も左右に広げるため、さらに体が大きく見えるでしょう。

猫が思っていること

・自分は相手より強い
・お前のことをいつだって攻撃できるんだぞ
・自分を攻撃すると、怪我することになるぞ

精神的に穏やかではなく、気が立っている状態です。飼い主を攻撃しようと試みている可能性があり、手を出すと怪我をしてしまうかもしれません。

また、仮に喧嘩になっても「飼い主になら勝てる」と思っていることもあるでしょう。

飼い主の対処法

飼い主への警戒心が高まっている可能性があります。

ふとした仕草や声掛けで驚かせたり、恐怖心を抱かせたりした覚えはないでしょうか?

猫との信頼関係を再構築するために、「危害を加えない」という意志を伝えましょう。

穏やかでリラックスした時間を設け、精神的にも物理的にも距離を縮めてくださいね。

猫が立つ理由②周囲を観察するため

立ち上がり周囲を見渡す猫

具体的な理由

猫は自分の縄張りを大切にする生き物です。物音や臭いなど異変を感じたときは、周囲を観察して異常がないか確認する習性があります。

また、何事もないときも周りを観察し、安全であることを確認することもあります。

観察するときは目線が高いほど周囲を見渡しやすいため、立ち上がって少しでも広い視野を確保しようとするのです。

猫が思っていること

・縄張りに異常はないだろうか
・物音がしたぞ?何かいるのかな
・何かが動いた気がしたから、よく観察してみよう

周囲をじっくり観察するときに、立ち上がるだけではなくキョロキョロと首を振ることもあります。

まるで人間のような仕草に見えて微笑ましい気持ちになりますが、猫にとっては真剣な時間です。

飼い主の対処法

縄張りの観察は猫にとって日常的な習慣であるため、たまに立ち上がる程度であれば問題ありません。

しかし、人の気配がする場所や、物音・臭い・光が頻繁に発生する場所は猫のストレスになる可能性があるため、キャットタワーやベッドを静かな場所に移動することを検討しましょう。

猫が立つ理由③おねだりをしている

おねだりをしている猫

具体的な理由

猫は飼い主におねだりをするときに立ち上がることがあります。

猫が二本足で立っている姿は可愛らしいため、立ったときに普段より多めに可愛がったりおやつを与えたりしたくなりますよね。その場合、猫が「立つといいことがある!」と覚えてしまっている可能性があるでしょう。

猫は人の言葉が通じないからこそ、鳴き声だけではなくポーズでも気持ちをアピールすることがあります。

猫が思っていること

・おもちゃで遊んでほしいな
・おやつが欲しいな
・寂しいから構ってほしいな

威嚇のために立ち上がるときは体に力が入りますが、飼い主さんに甘えるときやおねだりモードのときは体の力は抜け気味です。

まるでぬいぐるみのようにフニャリと立つ姿は、飼い主さんのハートを掴むでしょう。

飼い主の対処法

愛くるしいポーズについ構ってあげたくなりますが、猫にとって立ち上がるポーズは腰に負担がかかるものです。

ふいに立ち上がる程度なら心配ありませんが、飼い主さんのほうから意図的に立たせないように心がけてください。

立ったときだけ特別に甘やかすのではなく、普段から愛情を込めて接してあげてくださいね。

猫が立つ理由④トイレで力んでいる

猫用トイレに入っている猫

具体的な理由

人間も、トイレで踏ん張るときは体に力が入りますよね。猫も同じように、うんちをする際に力んで立ち上がる場合があります。

排泄のタイミングでトイレトレーに前脚を乗せ、軽く踏ん張る猫は珍しくありません。

その延長で、つい二本足で立ってしまうことがあります。

猫が思っていること

・このポーズだとうんちをしやすい
・うーん、うんちがなかなか出ない
・つい立っちゃった……

軽く前脚で踏ん張る程度なら心配はありませんが、トイレの度に毎回立ち上がるほど踏ん張っている場合には注意が必要かもしれません。

飼い主の対処法

うんちの状態を観察し、固さや色、血液の付着などを確認しましょう。違和感があればうんちを持参の上、動物病院の受診をおすすめします。

問題がなければ、「トイレをするときの癖なんだな」と暖かい目で見守ることが大切です。

あまり見すぎるとプレッシャーを感じてトイレを我慢してしまう可能性があるため、声はかけずに遠目で静かにチェックしてあげてくださいね。

猫が立つ理由⑤狩猟本能の高ぶり

ファイティングポーズで猫パンチを決める猫

具体的な理由

猫は群れを成さずに単独で生活する生き物で、狩りも自力で行います。

ペットとして飼育されている現代でも猫の狩猟本能は色濃く残っており、おもちゃや獲物を目の前にすると興奮して立ち上がることがあるでしょう。

とくにテーブルやソファーなど高さがある場所に獲物がいるときは、登る前に立ち上がり、背伸びをして覗き込むようにチェックすることも珍しくありません。

猫が思っていること

・これは何だろう?気になるな
・もう少し近くで観察してみよう
・自分なら狩れる!狙いを定めよう

獲物を確認するためだけでなく、興奮してつい立ち上がってしまうこともあります。

気持ちが高ぶってどう発散したらよいかわからなくなったときに、体を動かすことによって冷静さを取り戻そうとしている場合もあるでしょう。

飼い主の対処法

少し立ち上がっておもちゃで遊ぶ程度であれば問題ありませんが、飼い主さんが猫を立たせるために高い場所におもちゃを置くことは控えましょう。

おもちゃを収納する際は猫の目に入らない場所にしまい、無闇に立たない環境を作ることが大切です。

猫が立つ理由⑥驚いて反射的に立つ

驚いた様子のグレーの猫

具体的な理由

人間が驚いたときに後ろにのけぞるように、猫もびっくりして立ち上がることがあります。

すぐに攻撃できるよう、前脚を上げていることが多いです。

臆病な性格の猫や驚きが大きい場合は、そのまますぐに四足歩行に戻りダッシュで逃げ出すこともあるでしょう。

猫が思っていること

・これは何だ?
・わっ!びっくりした!

猫は基本的に好奇心旺盛な生き物のため、「興味の対象をもっと知りたい」「近くで触りたい」と思ったときにも立ち上がることがあります。

同じ驚きや警戒でも猫によってポーズや仕草は違うため、個性を感じますよね。

飼い主の対処法

すぐに四足歩行に戻り落ち着いている様子であれば、大きな心配はいりません。

驚いた後にひどく脅えていたり攻撃的になったりしている場合は、獣医師と相談して安心できる環境づくりに注力しましょう。

猫が立つ理由⑦放心状態

鏡越しにこちらを見ている猫

具体的な理由

喜怒哀楽さまざまな感情に見舞われたときに、放心状態で立ち上がるときがあります。

立ったまま一点を見つめていたりボーっとしていたりして、「大丈夫?!」と声をかけたくなるようなシーンもあるでしょう。

我に返るとすぐに四足歩行に戻りますが、飼い主さんは不安に思うかもしれません。

猫が思っていること

・……(何も深く考えていない)
・はっ!ボーッとしていた……

とくに警戒心が解けた後や、トイレで立ち上がったときなどに放心状態になることが多い傾向にあります。

猫によっては、立ち上がったこと自体がスイッチとなり放心することもあるでしょう。

飼い主の対処法

怪我をしている素振りや体調が悪そうな様子が見られなければ、そのまま見守りましょう。

ボーッとしている時間が長かったり声をかけても長時間反応がなかったりする場合は、一度診察を受けると安心です。

猫が立つときに考えられる病気は ?

椅子につかまり立ち上がる猫

猫が立つ姿は可愛いですが、楽観視していては危険かもしれません。

猫も人間と同じように、てんかんを発症することがあります。

てんかん発作は脳の神経を通る電気の異常によって起こり、体のコントロールがきかなくなります。痙攣を起こしたり口から泡を吹いたりもしますが、てんかんの症状の中には「二足での立ち上がり」もあるのです。

明らかに様子がおかしい状態で立ち上がっていたり、立ち上がり以外の症状・違和感が見られたりする場合には、すぐに動物病院を受診して検査を受けましょう。

発作時に怪我をしないように、普段から物を片付けて家を清潔にしておくことも大切です。

猫が立ったときに飼い主が気を付けること

ベッドで休む女性と子猫

無理やり立たせようとしない

猫は身体能力が高く、立つときに力が入る後ろ足の筋肉も発達しています。そのため、たまに短時間だけ立ち上がる程度であれば、体への負担はほとんどありません。

しかし毎日何度も立つ場合や長時間立つ場合、あるいは飼い主さんが立つように誘導している場合は心配です。

関節や筋肉への負担をかけすぎないために、無理に立たせないように心がけてください。

立ったときにご褒美を与えない

「お手」や「お座り」などの芸を覚える猫は可愛いですよね。ですが、芸の一環として立ち上がりを覚えさせるためにご褒美としておやつをあげるのはやめましょう。

猫が「立ち上がるといいことがある」と覚えてしまい、体に負担がかかるまで立ち続けてしまう可能性があります。

立ったときの様子の変化を観察する

猫が立つときは、様子を観察するように心がけましょう。

もしも以前のように立てなくなってきた場合、関節炎や肥満など体の不調が影響している可能性があります。

愛猫の異変にすぐに気付くためにも、小さなサインを見逃さないようにしてあげてくださいね。

まとめ

テーブルから身を乗り出す猫

今回は、猫が立つ理由や心理、対処法などをご紹介しました。

猫が立ち上がる姿はキュートでありながらユーモラスでもあり、思わず写真や動画を撮影したくなってしまいますよね。

しかし、見た目のインパクトだけにとらわれず、猫の心のサインに敏感になることが大切です。

愛猫の感情や体調の変化にいち早く気付き、過ごしやすい環境を整えてあげましょう。