【ペットショップ店員が解説】うさぎを飼おう!うさぎはどうやって飼うの?必要なものは?
今回は、うさぎを飼ったことがない方に向けて、飼い方や飼うために必要なものをご紹介します。
近年、うさぎの人気が国内で広がってきており、飼育頭数も増加傾向にあります。
人気の理由としては、お世話がしやすい、マンションでも飼いやすい、など様々です。
しかし、なんといっても一番の魅力はその可愛さですよね。
つぶらな瞳、まるまるとした体、ふわふわな手触り……。
うさぎをお迎えするための準備として、本記事を参考にしていただけると嬉しいです。
うさぎの基本情報
うさぎの種類
うさぎには様々な種類があります。
今回は、ペットとしてメジャーな4種類をご紹介します。
ネザーランドドワーフ
かの有名なピーター・ラビットのモデルになったうさぎです。
短い耳と丸い顔、小柄な体型が特徴です。
ホーランド・ロップ
横に垂れ下がった耳が特徴のうさぎです。
うさぎの中ではやや大柄で、人に慣れやすい性格をしています。
ミニ・レッキス
密度が高いふわふわな毛皮と、筋肉質な体が特徴のうさぎです。
警戒心が少なく、人に慣れやすい性格をしています。
ミニウサギ
ペット用のうさぎを交配して誕生した、雑種の総称がミニウサギです。
「ミニ」とついていますが、野生うさぎと比べると小さいという意味であり、他のペット用うさぎよりは体格が大きいことが多いです。
ペットショップで働いていると、お客様から「ミニウサギなのに大きいわねぇ!」とよく驚かれます(笑)
うさぎの性格
基本的には、臆病で警戒心が強い動物です。
というのも、うさぎは野生では捕食される側の動物であり、常に狙われていないか警戒しながら過ごしているからです。
そのため、お迎えした後は飼い主に慣れてくれるまで比較的時間がかかります。
しかし、慣れてからはとても懐いてくれる動物でもあります。
飼い主が外出すると寂しがる、あるいは飼い主がスマホばかり見ていると妬いてしまうことも……。
あまり懐くイメージがない動物ではありますが、想像以上に甘えん坊なので、しっかりかまってあげる時間を作るようにしましょう。
飼育費用
初期費用は、生体代を除いて2~3万円程度かかります。
加えて、その後飼育していくための費用として月5千円程度かかります。
避妊・去勢手術をする際や大きな病気をしてしまった際には、急に高額な医療費が必要になることもあります。
そのような場合に備えてペット保険に加入する場合は、健康保険料として年2~4万円程度かかります。
お迎えする場所
うさぎを買うことができる場所として、ペットショップ、ホームセンター、ブリーダー、うさぎ専門店などがあります。
ペットショップやホームセンターでは様々な種類のうさぎに会うことができ、他の動物と比較検討しながら選べます。
ただし、血統書がついている純血種のうさぎは少なめです。
ブリーダーやうさぎ専門店は、血統書付きの純血種のみを取り扱っているところが多いです。
もし飼いたいうさぎの種類を決めているのであれば、ブリーダーやうさぎ専門店を訪問した方が、たくさんのうさぎの中から選べるでしょう。
うさぎを飼うために必要なもの
ケージ
うさぎ専用のケージを用意します。
掃除がしやすく、清潔に保ちやすいものを選ぶとよいでしょう。
うさぎの体格に合わせて、ケージの中で足を前後に伸ばせる広さを確保してくださいね。
牧草・ペレット
普段の食事となるものです。
牧草はチモシーを中心に与えます。健康のためにはシングルプレスの一番刈りのものがおすすめです。
お迎えするうさぎが子うさぎの場合は、チモシーに加えてアルファルファも用意しましょう。
ペレットは、体重に合わせて適切な量を牧草の副食として与えましょう。
ペレットにも様々な種類があり、硬さや味が異なります。急に食べ慣れないペレットに切り替えると食欲不振にも繋がりかねません。
そのためうさぎのお迎えの際には、お店で食べていたペレットを教えてもらい、少なくとも最初は同じものを購入して引き続き与えるようにしましょう。
牧草入れ・エサ皿・給水ボトル
牧草、ペレット、水をいれておくものです。
牧草入れは、うさぎの頭の高さに設置できるものを選びましょう。
エサ皿は、うさぎがひっくり返してしまわないように底が平らで重たい陶器製のものがよいですよ。
給水ボトルは自分が選んだケージに取り付けられるものかどうかを注意して選んでください。
飲み口が筒状になっているものでうまく水が飲めない子には、お皿状のものがおすすめです。
不安であれば、お迎えしたお店に水を筒から飲めるかどうか確認してみましょう。
トイレ・トイレ砂
うさぎはトイレを覚えられる動物です。
トイレを覚えてくれたら、臭いが軽減し、掃除がとても楽になります。
うさぎの全身が入るサイズのトレイと、消臭・給水効果のあるトイレ砂を用意しましょう。
床材
床が網になっていて引き出しトレイがあるタイプのケージには、ペットシーツがおすすめです。
おしっこをしっかり給水してくれるため、掃除の際はペットシーツを新しいものに取り換えるだけで完了します。
かじり木
うさぎは、自分の歯のメンテナンスのために木材など固いものをかじる習性があります。
歯を健康に保つために、常にかじり木をケージの中に設置しておきましょう。
キャリー
通院、爪切り、災害時の避難などの際に活躍します。何か一つ、必ず用意しておきましょう。
ヒーター等
うさぎのケージ内を適温に保つために、主に秋~冬に使います。
うさぎの適温は20~24℃です。
エアコンに加えてヒーターを使うと、より快適な温度を保ちやすくなります。
ブラシ・爪切り
うさぎの健康を保つためには、ブラッシングや爪切りなどの定期的なお手入れが必要です。
人間用のブラシや爪切りでは、うさぎの皮膚を傷つけたり爪を割ったりする可能性があります。
必ず、小動物用のものを揃えてあげましょう。
うさぎを飼うために必要な環境
お世話の時間
毎日必要なお世話の時間は、朝に10分程度、夜に10分程度、1日のどこかで1~3時間程度です。
朝夜の10分は掃除と食事を用意するための時間です。
加えて、ケージから出してお部屋をお散歩させてあげる時間を1~3時間程度とりましょう。
ペットOKの家
ペットを飼育できる家に住んでいる必要があります。
またペット禁止のマンションでも、うさぎは鳴き声がなく臭いも少ないためOKが出るケースもあるようです。
24時間空調管理の部屋
うさぎのケージを置く部屋は、基本的に24時間エアコンをつけっぱなしにする必要があります。
そのため、夏や冬は電気代が高めになります。
食費よりも電気代が高くつく月の方がよっぽど多いです(笑)
旅行は1泊2日まで
うさぎに日を跨いでお留守番してもらえる期間は1泊2日までです。
それ以上長く旅行に行く際は、ペットホテルや知人に預けるようにしましょう。
ペットホテルの相場は、1泊2,000円程度です。
お盆やゴールデンウイークなどは早めに予約を取らないと預けられない場合が多いので、旅行の予定は早めに組みましょう。
私の勤めるペットショップでもペットホテルのサービスをしていますが、毎年6月頭にはお盆の予約が埋まります。
うさぎの飼い方
食事の準備
牧草は、常に食べ放題の環境を作ります。
生後半年までのうさぎの場合、ペレットも食べ放題にします。
生後半年から1年のうさぎは体重の3%程度、生後1年を過ぎたら体重の1.5%が1日分のペレットの目安量となります。
月齢に合わせた適正量のペレットを、朝と夜に配分して与えましょう。
また、ペレットの中でもうさぎの成長段階に合わせて配合されたものがおすすめです。
掃除
1日のお掃除は、床替え、トイレ掃除、ケージ内の拭き掃除、エサ皿と給水ボトルの洗浄になります。
床替えは、ケージの引き出しトレイに敷いたペットシーツを取り換えるだけです。
トイレ掃除は、中身をすべて捨て、洗ってから新しいトイレ砂を敷きつめます。
ケージ内の拭き掃除は、床網についたおしっこや毛などを拭き取ります。
エサ皿と給水ボトルは、毎日洗って清潔にしましょう。
また、これらに加えて月1回程度、ケージと牧草入れを丸洗いし消毒を行いましょう。
お部屋でお散歩(へやんぽ)
1日に1~3時間程度、ケージから出してお部屋をお散歩させてあげましょう。
飼い主とのふれあいとコミュニケーションの時間です。
名前を呼んであげたり、撫でてあげたり、手からおやつをあげたりして可愛がってあげてくださいね!
お手入れ
うさぎを健康に保つために、ブラッシングと爪切りをしてあげましょう。
ブラッシングは週に1~2回程度が目安ですが、春や秋の換毛期には毎日してあげても大丈夫です。
ブラッシングを怠るとうさぎがグルーミングをした際に毛を飲み込んでしまい、毛が胃腸に溜まって毛球症という病気を発症してしまいます。
うさぎのストレスにならない程度で、こまめにブラッシングして毛を取り除いてあげてください。
爪切りの頻度は月1回程度です。
自分で爪を切るのが難しい場合は、動物病院やペットショップの爪切りサービスを利用しましょう。
健康チェック
毎日、うさぎの体に異変がないかを確認してあげましょう。
見る部分は具体的に、目、鼻、口、手足、毛並み、うんち、おしっこ、食事量です。
以下、それぞれのチェックリストです。
目:目やにがついていないか・涙の量が多くないか
鼻:鼻水が出ていないか・くしゃみをしていないか
口:しっかり物を咀嚼できているか
手足:引きずっていないか・痛そうにしていないか
毛並み:脱毛していないか・ボサボサになっていないか・膨らんだ部分はないか
うんち:いつもと同じ大きさ・色・量・形か
おしっこ:いつもより色が濃くないか・赤みを帯びていないか
食事量:牧草・ペレットともに適正量食べているか
これらの中で、気になった部分があればすぐに動物病院に相談するようにしましょう。
重大な病気は、早期発見がカギです。
まとめ
うさぎのお迎えを検討されている方の参考になったでしょうか?
うさぎの毎日のお世話は、もちろん楽というわけではありません。
しかし、うさぎとの生活は大きな幸せを運んできてくれること間違いなしです。
みなさんの幸せなうさぎライフを応援しています!
公開日:2019/4/6 最終更新日:2022/8/10