憧れの爬虫類!フトアゴヒゲトカゲの飼育方法を調べてみました!

爬虫類/両生類

現在一緒に暮らしている動物との相性の悪さから、興味のある生物を迎えるのを諦めたという経験を持つ方は少なくないかと思います。

我が家でも愛犬の後にグリーンイグアナを迎えたいと考えていたのですが、急遽家族に猫が加わったことにより、愛猫がちょっかいを出してしまう可能性が高い爬虫類の飼育を断念しました。

しかし今でも爬虫類に対して未練が捨てられず、

ヒョウモントカゲモドキくらいなら飼育できるかも?
いやフトアゴヒゲトカゲが可愛い♪

といったように爬虫類の飼育方法を調べてしまう癖が抜けません。

今回は、私がいつかは一緒に暮らしてみたい爬虫類No.1のフトアゴヒゲトカゲの生態や飼育方法について調べたことをまとめてみました。

フトアゴヒゲトカゲの生態

フトアゴヒゲトカゲは成長すると全長45cm程になるアガマ科に属するトカゲで、頭部が大きく体表はざらついた鱗と突起した小さな棘状鱗で覆われていることが特徴です。

特に頬や下顎には棘状の鱗が密集して生え、成体の雄ではこの部分が発達して目立つことが和名の由来にもなっています。

野生ではオーストラリアにのみ分布しており、完全に群れで生活をするわけではないのですが別の個体に興味を持って様子を見たり合図を送ったりすることから、ある程度の社会性を持つと考えられています。

そのため、フトアゴヒゲトカゲの飼い主さんの中には同種を多頭飼育している方はもちろん、犬やフェレットのように社会性の高い異種の動物と一緒に飼育している方も少なくないようです。

2019年現在、オーストラリアでは動物園などの公共施設以外に野生のフトアゴヒゲトカゲを輸出することを禁止していることから、日本で流通している個体は全てペット用に繁殖されたものとなります。

爬虫類の飼育と聞くと、一緒に生活というよりケージの中に入れて鑑賞するという印象が強いかと思います。

しかし、元々の社会性にペット用に繁殖されたという過程が加わって、フトアゴヒゲトカゲは人間との触れ合いも許容できる性格を持ち、個体によってはかなり人に馴れてくれる子もいるそうです。

そのためコンパニオンアニマルとして一緒に暮らせる稀有な爬虫類であると言われています。

また、嚙みつくなどの攻撃的な行動をとらず温和な性格を持つことも、フトアゴヒゲトカゲの魅力です。

フトアゴヒゲトカゲの品種(モルフ)

現在日本で一般の家庭にお迎え可能なのは、ペット用に繁殖された個体だけとお伝えしましたが、人工繁殖の結果、フトアゴヒゲトカゲには非常に多彩な品種(モルフ)が存在するようになりました。

代表的なものが上の写真のノーマル(別名クラシック)で、爬虫類に力を入れている動物園や爬虫類カフェでも最も多く見られるのがこちらの種です。

希少性の高い体色や模様を持つ個体ほど高額になる傾向があり、ノーマルが平均8千円~3万円であることに対して、希少種の価格は15万円を超すこともあります。

私も一度爬虫類専門店で「ゼロ」という全身真っ白で斑紋の無い品種を見たことがあるのですが、かなりの高額でした。

余談ですが、我が家にはチョコカラーのラブラドールレトリーバーがおり、ブリーダーさんや訓練士さんに犬は同じ種でも体色で性格が異なると言われたことがあります。

例えばラブラドールは一般的なイエローは穏やかで優しい、ブラックは活発で勇敢、チョコは底抜けに明るくて臆病、といった具合に差が見られるのだそうです。

フトアゴヒゲトカゲも体色で性質に違いが見られるのか気になったので、専門ショップの店員さんにモルフごとに性格の差があるのか聞いたのですが、違いは外見だけとのことで、性格を含めてオーナーさんの好みの子を探すのが一番とアドバイスを頂きました。

フトアゴヒゲトカゲの飼い方

フトアゴヒゲトカゲの飼育に必要不可欠な器具は、

・ケージ
・シートヒーター
・スポットランプ
・爬虫類専用ライト
・岩
・水入れ
・床材

の7点になります。

ケージの中に自然の環境を再現する場合は、流木などを足してレイアウトをすることもありますが、フトアゴヒゲトカゲはペットとしての繁殖が進んでいるので最低限必要なものを揃えるだけでも飼育は可能です。

ケージセットの方法

飼育下では地上を移動する平面運動を行うことが多いため、ケージは幅90cm×奥行き45cmほどのものを用意するのが好ましいとされます。

跳躍力もあるため、水槽をケージとして使用する場合は脱走防止のために金網などで蓋をする必要があります。

床面はガラスやプラスチックがむき出しの状態では滑ってしまうため、ペットシーツやウッドチップ、牧草、赤玉土などの床材を敷いてください。

床材には糞尿などの排泄物を吸収する役割も求められるため、ペットシーツや臭いを吸収できる乾燥牧草が人気のようです。

またフトアゴヒゲトカゲは昼行性のために必要な体温も高く、健康を保つためには自然下の日光を再現するような豊富な光量が必要不可欠です。

カルシウムを吸収するためにも、紫外線を含む波長を照射できるライトもケージ内には設置しましょう。

爬虫類専用の蛍光管タイプのライトは複数販売されています。含まれる紫外線の量も低めのものから高めのものまで種類がありますが、フトアゴヒゲトカゲには紫外線照射含有率が高いものが良いとされます。

飼育温度

フトアゴヒゲトカゲにとっての適温は25℃~30℃前後です。と言っても、ケージ全体をこの気温に保てば良いわけではなく、ケージ内には体温を上げるための「ホットスポット」が必要となります。

トカゲの仲間は体温を上げたいときはホットスポットへ移動し、体が温まったら涼しい場所へ移動するため、ケージ内全体の温度を25℃~30℃に保ったうえで40℃~45℃程度の場所を用意してあげる必要があるのです。

ホットスポットの熱源にはスポットランプを使用し、ランプの照射面には岩などを置いておきます。こうすることで背面はライトからの照射、腹部は岩に蓄積された熱の放射で岩の上に乗ったフトアゴヒゲトカゲの体温を自然に上昇させることができます。

またフトアゴヒゲトカゲは昼行性のため、夜間には照明とスポットランプは消灯しましょう。

ケージ全体を温める役目を果たすシートヒーターは、ケージの底面積の3分の1程度の大きさのものを選びます。

全面を温めてしまうとケージの温度が上がりすぎた場合に逃げる場所がなくなってしまうため、大きなヒーターしかない場合は、ずらして使用するなど工夫が必要です。

餌は何を食べるの?

フトアゴヒゲトカゲは肉食寄りの雑食です。

自然下では昆虫や小型の爬虫類、植物の種子や実を食べて生活します。このことから飼育する際の餌もコオロギなどの昆虫が人気のようです。

餌の与え方として推奨されているのが「ガットローディング」と呼ばれるもので、フトアゴヒゲトカゲに与える直前にコオロギなどの昆虫に野菜を食べさせて栄養価を高めるという方法です。

また昆虫だけでは十分な栄養が取れない可能性があるため、食餌にはカルシウム剤やビタミン剤をまぶすことも勧められています。

フトアゴヒゲトカゲは大食漢の個体も多いため、生餌をケージに放つ場合は6匹~10匹ほどを放してみて数時間後に残っているものを回収するようにします。

給餌は毎日、または隔日で行うようにし、動物性たんぱく質以外にも小松菜やレタスなどの葉物野菜やニンジンやイチゴなどをスライスしたものも与えるようにしましょう。

もちろんフトアゴヒゲトカゲのフードも販売されていますが、時には昆虫や新鮮な野菜も与える方が健康な体が作れます。

また昆虫食を好む個体が多いため、嗜好の面からも昆虫を与えることは推奨されているようです。

水分は成体であれば水入れから直接飲みますが、幼体でうまく飲めない場合はケージの内側に軽く霧吹きをかけてやると水滴を舐めて水分補給をします。水滴はスポットライトの熱により短時間で蒸発するため、飲まなかった分を拭き取るなどの手間はありません。

糞や尿の掃除

トカゲの仲間の尿は液状ではなく白い塊で排出されます。

フトアゴヒゲトカゲには決まった場所で排泄をする習性がないため、糞尿は見つけたら都度取り除くようにしましょう。

床材は週に1度~2週間に1度程度の頻度で全て取り換えるようにして、月に1度~2度くらいの割合でケージ全体を洗うと臭いに悩まされることもないようです。

触れ合いの注意点は?

フトアゴヒゲトカゲは触れ合うことができる爬虫類ですが、触る際には目の前に手を出さないように注意しましょう。

野生化では猛禽類などに捕食されることもあるため、突然目の前にものが現れると本能的な恐怖を感じてしまいます。

それでも噛みつくといった攻撃的な行動に出ませんが、フトアゴヒゲトカゲにはストレスを与える行為ですし、他にも背中から掴んで持ち上げる、尻尾を掴むという触り方もNGです。

優しく背を撫でたり、腹部に手を差し込んで掌や腕を使って持ち上げることに慣れてくれる個体は少なくないため、触れ合いの時間を多く持てるようになったら小動物用の爪きりで爪のケアをするとよいでしょう。

まとめ

先日、伊豆にある爬虫類、両生類専門の動物園「iZoo」に行ってきました。

iZoo(イズー)公式サイト

こちらの施設は毒のある生物以外は触れるような展示形態になっているため、爬虫類好きさんには非常におすすめの動物園です。

上の写真は世界最強の毒蛇とも呼ばれるブラックマンバで、なかなか他の動物園では見られない種類だと思います。

小学生以下の子供であればゾウガメに乗ることもできる(羨ましい!)ので、特に動物好きのお子さんは大興奮間違いなしだと思います。

フトアゴヒゲトカゲや小型のリクガメなどペットとして飼育可能な種類も多くいるため、飼ってみたい気持ちも盛り上がるのですが、やはり爬虫類を診られる動物病院が近くにあるのか?など深く考えると諦めざるを得ないと再度感じました。

しかし我が家では動物園や爬虫類カフェで触れ合わせてもらうだけのフトアゴヒゲトカゲですが、今回飼育方法をまとめてみて、例えばアレルギーで犬や猫を飼えない方や散歩などのお世話に時間が掛けられない方にはおすすめのペットだな、とも改めて思いました。

飼育を考えている方の参考になれば幸いです。