人を癒やす効果も!猫がゴロゴロ喉を鳴らすのにはどんな意味がある?
愛猫がごきげんな様子で喉をゴロゴロ鳴らしていると、飼い主さんまで嬉しくなってしまいますよね。
実は猫の「ゴロゴロ」は、嬉しいときだけのものではないとご存じですか?
今回は、「ゴロゴロ多め」の愛猫と暮らしている私が、猫の「ゴロゴロ」をちょっと深掘りしてお話しします。
人を癒やす効果もあるといわれる「ゴロゴロ」の、不思議な世界を覗いてみましょう。
猫のゴロゴロのしくみ
猫がゴロゴロ音を発するしくみは、喉の筋肉を収縮し声帯を振動させているという説が一般的ですが、はっきりと解明されていません。
「仮声帯」と呼ばれるヒダを動かしている音という説や、喉元を通る大動脈の血流の音という説もあります。
猫のゴロゴロの種類
猫のゴロゴロは、様々な感情とリンクしています。
ここでは猫のゴロゴロの種類についてお話しします。
幸せな気持ちを表すためのゴロゴロ
最も一般的な猫のゴロゴロは、「幸せな気持ち」を表すときの音でしょう。
飼い主さんのそばにいるときや体を撫でてもらっているときに、目を細めながら喉をゴロゴロと鳴らして幸せな気持ちを表しています。
このときのゴロゴロは、25ヘルツ程度の中低音であることが特徴です。
母子間のコミュニケーションのためのゴロゴロ
猫のゴロゴロは、元々は母猫と子猫のコミュニケーションの一つであったと考えられています。
外の世界では、子猫が不用意に鳴き声をあげると天敵に襲われてしまう可能性がありますよね。
近くにいる母猫にだけ聞こえるごく小さなゴロゴロ音で、自分の体に異常がないことや、要求などを伝えるために身につけたといわれています。
子猫が母猫に対して発するゴロゴロも、「幸せな気持ち」のときと同様に中低音です。
甘えや要求を伝えるためのゴロゴロ
猫は飼い主さんに甘えたいときや、要求があるときにもゴロゴロ音を発します。
このゴロゴロは「幸せな気持ちのとき」や「母猫に伝えるとき」とは周波数が異なっており、220~550ヘルツの間くらいの高音となります。
これは、人間の赤ちゃんの泣き声とほぼ同じ値で、聞いた人が緊急性を感じる周波数です。
我が家の猫も、主にかまってもらいたいときや、おなかがすいてご飯を要求するときに高音のゴロゴロで訴えてきます。
なんだかとても急かされているような気持ちになり、すぐに遊んであげたり、ご飯を用意したりしてしまいます。
この高音のゴロゴロは、人と暮らす中で身につけたものといわれています。
命の危機を感じているときのゴロゴロ
猫は命の危機を感じているときにもゴロゴロと鳴らすことがあります。
これには自分を励ます意味合いがあり、ゴロゴロ音を出すことで分泌される「エンドルフィン」という神経伝達物質が関係しているといわれています。
エンドルフィンは、通常気持ちが満たされたときに分泌されます。
命の危機を感じている猫の場合、苦痛を和らげるためにゴロゴロ鳴らすことで、「脳内麻薬」とも呼ばれるエンドルフィンを分泌させるようです。
このとき、ゴロゴロは低音となります。
ゴロゴロ鳴らさない猫もいる
中にはゴロゴロ鳴らさない猫もいます。
母猫から離れた時期が早かったなど、ゴロゴロでのコミュニケーションが足りなかったことが理由かもしれません。
実は飼い主さんに聞こえていないだけということも考えられます。
大音量でゴロゴロ鳴らす猫がいる一方、耳を近づけてようやく聞き取れるくらいの音量でゴロゴロ鳴らす猫もいるのです。
元々、母猫だけに聞こえるように身につけたといわれるゴロゴロですから、不思議なことではありませんよね。
猫のゴロゴロには人を癒やす効果がある?
猫がゴロゴロ鳴らすのは「幸せな気持ち」を表すときが一般的で、このときのゴロゴロは25ヘルツ程度の中低音です。
20~50ヘルツの周波数には、人の副交感神経を優位にする効果があるといわれています。
人の自律神経は「交感神経」と「副交感神経」で構成されています。
「交感神経」は、仕事や運動中、緊張しているときなど、体を活動モードにする働きのある神経です。
「副交感神経」には、睡眠時や休息時、安心しているときなど、体を休養や回復モードにする働きがあります。
猫の「幸せな気持ち」を表すゴロゴロを聞くと副交感神経が優位になるため、人を癒やす効果があるといわれているのです。
「ゴロゴロセラピー」なるものが存在する?
フランスでは、その効果から猫のゴロゴロをセラピーにも利用しています。
フランス語で猫のゴロゴロは「ロンロン」ということから、「ロンロンセラピー」 と呼ばれています。
ロンロンセラピーを行う病院の中には、セラピー用の猫を飼育しているところもあるようです。
猫のゴロゴロは骨折治療にも有効ってホント!?
猫は治癒力が非常に高く、骨折は他の動物の約3倍の速さで治るといわれています。
その理由を研究する中で、注目されたのが猫のゴロゴロでした。
猫がゴロゴロ鳴らす際の微細な振動には骨密度を高める効果があり、骨折の治癒を早めたり、骨粗しょう症予防に効果的であったりすることがわかっています。
あのスポーツ選手の治療にも応用された猫のゴロゴロ
猫のゴロゴロの周波数からヒントを得たといわれているのが、「超音波骨折治療法」です。
「超音波骨折治療法」は微弱な超音波を1日1回20分間、骨折部に当てることで骨折治癒を促進する治療法で、骨折の治療を4割程度早めます。
サッカーイングランドチームの元主将・デビッド=ベッカム選手は、2002年のサッカーワルドカップ日韓杯直前に骨折し、出場が絶望視されました。
しかし、驚異の回復スピードで出場を果たし、世界を驚かせたのです。
このときベッカム選手が受けたのが、「超音波骨折治療法」でした。
猫のゴロゴロがスター選手の治療に応用されていたなんて、ビックリですね!
家に猫がいなくてもゴロゴロに癒やされたいときは
ゴロゴロに癒やされてみたいと思っても、猫を飼えない方もいるでしょう。
ここでは、家に猫がいなくても猫のゴロゴロに癒やされる方法をご紹介します。
猫カフェ
「猫のゴロゴロが聞きたい!モフモフしたい!」
そんな方には、実際に猫と会える「猫カフェ」がおすすめです。
保護猫サロンなどの猫カフェが全国各地にあるので、お気に入りのお店でお気に入りの猫を見つけましょう。
仲良くなったら、ゴロゴロが聞けるかもしれませんよ。
YouTube
YouTubeには、猫のゴロゴロ動画がたくさんアップロードされています。
ここでは、おすすめの猫のゴロゴロ動画を4つご紹介します。
①【睡眠用 ASMR】 猫のゴロゴロ音 100分 【猫耐久】
引用元:アメショーのクレア【ゴロゴロ猫】
なんと猫のゴロゴロASMR動画です。
アメリカンショートヘアのクレアちゃんがゴロゴロ鳴らしながらひたすらに眠っており、100分間の長編となっています。
心地よいゴロゴロ音を聞いていると、自然とまぶたが落ちそうになります。
睡眠導入用にいかがでしょうか?
②【安眠リラックス】猫のゴロゴロ音セラピー
引用元:日本猫ねこ協会
たくさんの猫たちが出演しているゴロゴロ動画です。
出演している猫が皆可愛らしく、様々なパターンのゴロゴロが聞けるのでおすすめです。
③ごろごろが止まらない甘えん坊子猫が可愛すぎる…
マンチカン・イヴちゃんのゴロゴロ動画です。
生後4か月の子猫・イヴちゃんが、大音量でゴロゴロ鳴らしながらフミフミまでしてしまう、「子猫+ゴロゴロ+フミフミ」のトリプルパンチ動画となっています。
悶絶まちがいなしでしょう。
④猫に耳掃除してあげたらゴロゴロが超爆音になったwまるでバイクのエンジン音の様に喉を鳴らすリキちゃん
引用元:リキちゃんねる【ネコのリキ】
リキちゃんは耳掃除が好きなのか、耳かきで耳をこちょこちょされると大音量でゴロゴロ鳴らしはじめます。
そのゴロゴロは、タイトル通りバイクのエンジン音のようです(笑)
スマホアプリ
気軽にゴロゴロに癒やされたいなら、スマホアプリがおすすめです。
スマホにダウンロードしておけば、いつでも猫のゴロゴロを聞くことができます。
いずれのアプリも操作はとてもシンプルで、アプリを開いて再生ボタンをタップすればゴロゴロ音が流れはじめます。
バックグラウンド再生も可能です。
CDブック
「ねこのゴロゴロセラピー(CDブック)」は、「猫は優雅なセラピスト」を掲げ、写真やエピソード、ゴロゴロ音のCDと多方面から人の癒やしにアプローチします。
写真は「飛び猫」などで有名な写真家・五十嵐健太氏が担当されていて、可愛い猫が満載です。
まとめ
聞いているとなんだか幸せな気持ちになる猫の「ゴロゴロ」には、人を癒やす力があります。
ゴロゴロは、猫の感情ともリンクしています。
「うれしい」「ごはんがほしい」「かまって!」など、ゴロゴロに耳を澄ませていれば、愛猫の気持ちがより理解できるようになるかもしれませんね。