ペット火葬の依頼はペット霊園?訪問火葬?自治体?後悔のないお見送りをしよう
「お見送り」と聞いて、どのようなシーンを思い浮かべますか?
友人が帰路につく、子供が実家を離れ上京する、大切な家族を亡くすなど、様々な場面の「別れ」を連想する人が多いのではないでしょうか。
今回は、大切なペットを亡くしたときに見送るためのペット火葬についてお話をします。
お見送りとは、気持ちの整理をするため、そしてそれまでの感謝を伝えるための最後の儀式です。
一度きりのお見送りを後悔のないものにするためにも、ペット火葬について知っておきましょう。
ペット火葬の3つの依頼先
ペット火葬をする場合、まずは「どこへ依頼するのか」を決める必要があります。
大きく分けて、ペット火葬には3つの依頼先があります。
依頼先によって見送り方は大きく異なるので、どこにお願いすればあなたの希望するお見送りができるのかを検討してみてください。
ペット霊園に依頼する
ペット霊園は、葬儀などを行うための斎場と、火葬をするための火葬場を持つペット火葬業者です。
お見送りをするための施設がしっかり整っており、雰囲気を大切にしたい場合はペット霊園を選択するとよいでしょう。
霊園は建物や施設のつくりによって特色が違い、明るい雰囲気や厳かな雰囲気、かわいらしい雰囲気など受ける印象もそれぞれです。
探す際には、ホームページを見るだけでなく実際に訪れて見学するのもよいでしょう。
訪問火葬業者に依頼する
訪問火葬は、火葬炉を積んだ特別な車で火葬を行うため、ペット霊園のように建物の中で待機することはありません。
自宅にいたまま業者がお迎えに来てくれるので、少しでもペットとのお別れの時間が欲しい方にはよいかもしれませんね。
また、大型犬など運ぶのが困難な場合や、火葬場までの移動手段を持ち合わせていない場合も安心してお願いできます。
自治体に依頼する
現在住んでいる自治体にペット火葬を依頼する方法もあります。
ペット霊園や訪問火葬との大きな違いは、両者が民営の火葬業者であるのに対して、こちらは公営のペット火葬だという点です。
多くの自治体にとってペット火葬はただの焼却業務の一環であるため、気持ちを込めたお見送りには期待できないでしょう。
ペット火葬の予約から火葬後までの流れ
どの業者に依頼するにしても、予約は必ずしましょう。予約をせず唐突に訪れてしまうと、相手を困惑させてしまうだけです。
火葬業者側には依頼主に守ってもらいたい決まりごとがあるため、自分の判断で「これくらい大丈夫でしょう?」と勝手な行動をとると迷惑をかける可能性があります。予約から火葬・拾骨が行われるまでのおおまかな手順を知っておきましょう。
ペット霊園
(1)まずは予約をします。
予約の際に伝えるべき項目は以下のとおりです。
・ペットの種類(犬や猫など)
・体重や大きさ
・火葬プランが複数ある場合、どのプランを希望するのか
・希望日時
予約時にあわせて確認しておくべき項目は、以下のとおりです。
・火葬費用はどのくらいか(骨つぼや骨袋の費用が含まれている場合が多いが、別費用としているところもある)
・火葬炉に遺体を送るところまで見届けられるか(できないペット霊園もある)
・拾骨に立ち会えるか
・遺体と一緒に火葬できる副葬品はどのようなものか
・返骨(お骨の持ち帰り)は可能か
(2)当日は時間に遅れないように、気持ち早めに到着しましょう。
受付が終わったら、葬儀もしくはお焼香をして最後のお別れの時間を過ごします。
(3)火葬炉までの立ち会いや拾骨を希望しない場合は、お開きとなり帰路につきます。
(4)拾骨を希望する場合は、火葬の間待つことになります。
鳥やウサギなどの小さなペットであれば1時間ほどで拾骨となりますが、大型犬など大きなペットであれば2時間ほど待つこともあります。
(5)拾骨が終われったら、お骨を持ち帰るのかペット霊園に納骨をするかのいずれかを選択し、帰路につきます。
火葬炉の設備やペットの大きさによって変わりますが、受付から拾骨が終わるまでの時間はおおよそ2~3時間程度と考えておきましょう。
訪問火葬の場合
(1)ペット霊園と同様に、予約に必要な項目を伝え日時を決定します。
確認したい項目もペット霊園の場合とほぼ同じですが、訪問火葬の場合は火葬する場所が決まっていません。
住んでいる地域や火葬業者によって火葬できる場所が変わるため、あらかじめ確認しておきましょう。
「思い入れの深い場所に移動して火葬したい」などの希望があれば、どこまで対応してくれるのか必ず聞いておいてください。
(2)当日は自宅まで火葬業者に来てもらえるので、それまでにペットのお別れをしておきましょう。
火葬に立ち会うのであれば火葬場所まで移動しますが、立ち会わずにお任せする場合には自宅で遺体を引き渡し、火葬が終わるまで待つことになります。
火葬が終わるまでの待ち時間はペット霊園とほぼ同じで、1~2時間程度です。
(3)火葬が終わったら、拾骨になります。
拾骨を火葬業者にお任せした場合、骨つぼに納められた状態で返骨されます。
(4)納骨先を持つ業者と持たない業者があるため、持たないところであれば自分で探す必要があります。
自治体の場合
(1)自治体によって連絡を取るべき部署名が違います。該当の部署がわからない場合は、役所の代表窓口にペットの火葬をお願いしたい旨を伝えましょう。
言い方は酷ですが、ほとんどの自治体のペット火葬では、遺体を一般廃棄物として扱います。
それを理解したうえで依頼をしてください。
(2)連絡をした後、決められた日時と指定された場所を訪れます。
自宅まで引取に来てくれるところは、ほぼありません。引取を希望する場合はペット霊園か訪問火葬に依頼することになります。
(3)受付をし、ペットの遺体を渡し帰路につきます。
返骨はされません。
わずかですが、自治体の中には個別に火葬して返骨をしてくれるところもあります。
気になる方は調べてみてもよいかもしれません。
ペット火葬依頼先によるメリット・デメリットとは?
ペット霊園・訪問火葬業者・自治体それぞれを比べると、できるサービスとできないサービスが大きく異なることがわかります。
また、依頼先によって費用も違います。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、どこが自分にとって1番よい依頼先なのかを確認してみてくださいね。
ペット霊園に依頼するメリット・デメリット
ペット霊園に依頼するときのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
■メリット■
・人のときと同じような丁重なお見送りができる
・火葬プランが豊富で費用と時間を考えて選択できる
・火葬後の納骨の相談にも対応してもらえる
■デメリット■
・ 3つの依頼先の中で費用がもっとも高い
・ 予約が取れないと数日待つこともある
訪問火葬業者に依頼するメリット・デメリット
訪問火葬業者に依頼するときのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
■メリット■
・ペット霊園と同様、火葬プランが豊富で自分に合ったものを選択できる
・施設を持たないため、ペット霊園に比べ費用は安い傾向がある
・思い入れのある場所での火葬を依頼できる
■デメリット■
・火葬が終わるまでの1~2時間、待つのが自宅ではなく移動先である場合は待機場所に迷う
・依頼した業者が納骨先を持たない場合、自分で探さなければならない
・住宅街では自宅前での火葬が難しいため、どこで火葬するか相談する必要がある
自治体に依頼するメリット
自治体に依頼するときのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
■メリット■
・費用が安い
・決められた場所で遺体を引き渡すだけなので、時間をとらない
■デメリット■
・丁重なお見送りはできない
・返骨はされない(まれに個別に火葬し返骨してくる自治体もある)
まとめ
ペット火葬をどこに依頼するのかによって、見送り方が変わります。
お金と時間を捻出してお別れをすることが、必ずしもよい供養とは限りません。
自分に合ったお見送り方法を選び、後悔のない気持ちのこもったお別れをぜひしてあげてください。