トイプードルってどんな犬?知っておきたいトイプードルの基本情報

テディベアカットやマッシュルームカットのようなさまざまなスタイルが楽しめるトイプードルは、くるくるした巻き毛がぬいぐるみのように愛らしい小型犬です。
トイプードルを飼っている人は多く、ちょこちょことかわいらしい足取りで散歩している姿をよく見かけますよね。
今回は、トイプードルの歴史や性格、飼育のポイントなどをお伝えします。
トイプードルに興味のある人、飼ってみたいと思っている人はぜひチェックしてみてくださいね。
歴史
現在は「プードル」といえばトイプードルが定番ですが、原種は「スタンダードプードル」という大型犬です。もともとは水辺の猟犬として活躍していたといわれています。
その後、ヨーロッパで小型化が進められ、貴族の愛玩犬として人気を集めました。18世紀の絵画に描かれていたことから、この頃に「トイプードル」が誕生したのではと考えられています。
大きさ
トイプードルは、体高が約23~28cm、体重が3kg前後の小型犬です。
同じプードルでもスタンダートプードル(体高約45~62cm、体重約16~25kg)やミニチュアプードル(体高約28~35cm、体重7kg前後)と比べ、とても小さいことがわかります。
ペットショップにはトイプードルよりも小さい「ティーカッププードル」や「タイニープードル」もいますが、正式に認められている犬種ではありません。それらの小さなプードルをすべて「トイプードル」と呼ぶこともあります。
毛色
トイプードルは、レッド・ブラウン・クリーム・アプリコット・ブラック・ホワイト・シルバーと毛色の種類が豊富な犬です。
レッドやブラウン、アプリコットはキュートなイメージ、ホワイトやクリームは上品なイメージ、ブラックやシルバーはシャープなイメージがありますよね。
テディベアカットが人気になったことから、現在はレッドがトイプードルの定番カラーといえます。
体の特徴
トイプードルといえば、くるくるした巻き毛がチャームポイントですよね。
その他、丸みのある顔、「アーモンドアイ」と呼ばれる楕円形の目、ふわふわの毛に包まれた垂れ耳、体高と体長が同じくらいの四角い体つきなどの特徴があります。
しっぽが短いのも特徴の一つですが、これは生後すぐに「断尾」されているからです。感染症予防のため、あるいは美容目的で断尾するのが習慣とされています。
寿命
トイプードルの平均的な寿命は、12~15年ほどです。小型犬の中では長いほうといえるでしょう。
トイプードルのシニア期は6歳頃から、高齢期は11歳頃からです。
比較的丈夫といわれるトイプードルですが、栄養素が高く質の良いフードを与えること、日頃から健康状態を気にかけてあげることで長生きするといわれています。
性格・気質
トイプードルは賢く人懐っこいため、しつけがしやすい犬種です。
陽気で穏やかな性格で、飼い主に対しては甘えん坊な面を見せるでしょう。社交的でもあるため、他の犬にもフレンドリーに接します。
トイプードルは、毛色によって少しずつ性格に違いのある犬です。ブラックは落ち着きがあり、アプリコットやシルバーは神経質な面があるといわれています。
飼育のポイント
環境
トイプードルには、室内飼育がおすすめです。
家族の集まるリビングにケージを置き、クレートやトイレ、水を入れた食器を用意してあげましょう。
トイプードルは遊ぶことが大好きなので、ケージから出しておもちゃで遊んであげることも大切です。
トイプードルは、頭を使うおもちゃも好む傾向にあります。おやつを匂いで探し上げる「ノーズワーク」ができるおもちゃも楽しめるはずですよ。
フローリングで遊ばせる場合は、床にマットを敷いておくとすべりにくくなりケガを防げます。
また、トイプードルは好奇心旺盛です。ケージから出すときは、ケガをしそうなものや人の食べ物を片付けておいてくださいね。
運動量
トイプードルは小型犬ですが、運動量の多い犬種です。骨や筋肉の発達のため、そして肥満防止のためにも外で運動をさせてあげましょう。
散歩をすることで社会性が身につきストレス発散にもなります。毎日30分くらいは散歩に連れ出してあげましょう。朝夕15分程度の散歩が理想的です。
他の犬に対しても上手に接するため、ドッグランも楽しめるでしょう。
しつけ
トイプードルはとても賢いため、教えてもらったことをぐんぐん学習します。子犬の時期からきっちりしつけをしましょう。
トイプードルは活発で好奇心旺盛です。来客時に興奮して吠えたり飛びついたりすることもあるでしょう。興奮時におすわりができたら褒めるなど、しつけによって「落ち着くこと」を教え込むことが大切です。
トイプードルの中には神経質な性格の犬もいるため、厳しく叱るよりもご褒美に好きなものをあげるしつけが合っています。
お手入れ
トイプードルの柔らかい毛は毛玉になりやすいため、ブラッシングが欠かせません。指で毛をかきわけながら、根元からスリッカーでブラッシングしてあげましょう。
耳掃除は、1~2週間に1回行ってください。獣医師が勧めるイヤークリーナーを使うのがよいでしょう。
月に1、2回はシャンプーをするのがおすすめですが、トイプードルの皮膚はとてもデリケートです。低刺激のシャンプーを選んであげてくださいね。
トリミング
トイプードルは抜け毛が少ない犬種です。放っておくと伸び続けてしまい、目に入ったり毛玉になったりしてしまいます。1ヶ月に1回はトリミングしてあげましょう。
トイプードルは、かわいいカットスタイルが楽しめることが魅力の一つです。ぬいぐるみのようなテディベアカット、きのこのような丸みを出したマッシュルームカット、ボリューミーなアフロカット、頭の毛を結んだトップノットが人気ですよ。
室温
アンダーコート(下毛)のないシングルコートの犬は、寒さに弱い傾向があります。
トイプードルもシングルコートのため、冬の寒さには特に気をつけてあげましょう。
冬はエアコンの設定を20~23度に設定し、室温を20度以上にキープすることが大切です。
また、湿度は50%前後がベストです。乾燥すると皮膚トラブルを招き、湿度が高すぎるとダニやノミが発生しやすくなります。
ヒーターや加湿器を部屋に置くときは、サークルで囲ってトイプードルが触れないようにしてくださいね。
睡眠時間
小型犬は大型犬ほど眠らないといわれていますが、トイプードルの睡眠時間は14時間ほどと長めです。
プードルはもともと猟犬として活躍していた犬種です。その血を引き継ぐトイプードルも活動的に過ごすため、長い睡眠時間が必要なのでしょう。
特に子犬の場合は、眠っている間に骨格や筋肉が発達します。構いすぎて睡眠不足にさせないように気を付けてくださいね。
うまく眠れないようであれば、清潔で快適なベッドを用意してあげたり、飼い主のそばで休ませてあげたりしましょう。
気をつけたい病気
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨(しつがいこつ)、つまり膝の皿がずれてしまう病気です。
生まれつき形成異常がある場合もありますが、転倒や打撲で発症してしまうケースもあります。
治療が遅れると脚が曲がってしまうことがあるため、歩き方に異変を感じたらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
予防には、すべりやすいフローリングにマットや絨毯を敷く、肥満にさせないようにするなどの対策が効果的です。
目の病気
トイプードルは、目の病気にかかりやすい犬種です。
犬に多い目の病気に、目やにと涙が増え目の周りが汚れて湿疹ができることもある「流涙症」があります。目の周りが濡れていたり変色したりしていたら、獣医師に診てもらいましょう。
その他、目の中の水晶体が濁って視覚障害を起こす「白内障」、眼圧が上がり痛みや視覚障害を起こす「緑内障」にかかることもあります。
目の病気は飼い主が気づきにくいケースも多いため、定期健診でチェックしてもらうことが大切です。
皮膚の病気
トイプードルは毛が抜けにくく伸び続けるため、皮膚トラブルが多いといわれています。
特に「アレルギー性皮膚炎」や湿疹ができる「膿皮症」になりやすい犬種です。
耳が垂れているため、細菌が繁殖して炎症を起こすこともあります。
予防には、高温多湿を避けて快適な環境をつくってあげること、低刺激のシャンプーを選んであげること、そして添加物が少なく質の良いフードを食べさせてあげることが大切です。
てんかん
突然倒れる、体が硬直する、けいれんする、意識がなくなるなどの発作が繰り返し起こる場合、てんかんが疑われます。
発作が治まれば普段通りに戻りますが、頻繁に繰り返すときは治療が必要です。動物病院で検査を受け、抗てんかん薬を投与してもらいましょう。
てんかんは原因がわからないことも多く、予防法もありません。
発作が起きたときは、症状やどのくらいの時間続いたかを記録することが大切です。触ったり呼びかけたりせず、静かに見守りましょう。
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
飲む水の量が増える、おしっこが増える、お腹がふくれる、毛が抜けるなどの症状が見られたら、「副腎皮質機能亢進症」かもしれません。
副腎皮質機能亢進症はクッシング症候群とも呼ばれる、ホルモンの過剰分泌が引き起こす病気です。
高齢犬に多いため「加齢のせいかも」と見逃されることもありますが、放っておくと命にかかわることもあります。いつもと違うと感じたら、動物病院へ連れて行きましょう。
まとめ
トイプードルは、人気ランキングに必ずランクインする魅力いっぱいの犬種です。
賢く人懐っこいため、犬を初めて飼う人にもおすすめですよ。
活発なトイプードルを迎えるなら、安全な環境づくりと毎日の散歩が欠かせません。おもちゃも用意して、たくさん遊んであげてくださいね。