犬を預かるときの5つの心得|準備や注意点をしっかりチェック!
友人や親戚に「犬を預かってほしい」と頼まれたら、快く引き受けたいと思う人は多いでしょう。
ですが、犬は飼い主にとって家族であり、大切な命です。
引き受ける前に、「責任を持って預かれるかどうか」を慎重に確認しましょう。
「トイレのタイミングは?」「もし具合が悪くなったら?」「先住犬がいるけど大丈夫?」など、飼い主に確認しておくべきポイントはたくさんあります。
犬を預かるときの5つの心得をお伝えしますので、しっかりと準備をしてくださいね。
犬は飼い主と離れると不安になる
犬は本来、群れをつくって生活する生き物ですので、飼い主や家族と一緒にいることで安心して過ごせます。
そのため、飼い主の姿が見えなくなると、「もう帰ってこないのでは?」「何か怖いことが起こったらどうしよう」と不安になります。
犬は不安になると、粗相をしたり部屋を荒らしたりするだけでなく体調を崩すこともあるため、心配ですよね。
放置された経験がある、あるいは留守番中に雷が鳴ったなど怖い思いをしたことがある場合に不安が強くなるようです。
犬を預かるということは、ただお世話をすることだけではありません。犬の不安をやわらげることも大切なポイントだと覚えておきましょう。
心得①預かれる環境かどうかチェック
まずは、自分が犬を預かれる状態なのかを確認する必要があります。
忙しくて散歩に連れて行けない、遊んであげる時間がないようでは、犬はストレスを溜めてしまいます。
犬を預かるのは、お世話をする時間と余裕があるときだけにしましょう。
犬のお世話に慣れているか
犬を預かるなら、犬のお世話に慣れていることが大前提です。エサやりや散歩、トイレの掃除、遊び相手など一通りの経験があると安心ですね。
もちろん、犬にも個性があります。性格が違えば人間に求めるものも違うため、戸惑うこともあるでしょう。預かる犬の個性を尊重し、柔軟に対応してあげてくださいね。
家族や同居人はOKしているか
家族など同居人がいる場合は、引き受ける前に必ず相談しましょう。実は犬アレルギーがある、受験勉強中だから鳴き声が響くのは困るなど、必ずしも賛成してもらえるとは限りません。
家族や同居人も一緒に犬をかわいがってあげると、飼い主がいない不安が紛れるかもしれません。できる限り協力してもらえるとよいですね。
夜泣きしても大丈夫か
普段はめったに吠えない犬でも、飼い主と離れた寂しさと不安から夜泣きすることがあります。近所に犬が苦手な人がいたり小さな子どもがいたりする場合は、要注意です。トラブルに発展する可能性があります。
トラブルを防ぐためには、犬を預かることになったと伝えておくのがベストです。その際、いつからいつまで預かるのかも伝えておきましょう。
心得②飼い主への確認事項をチェック
犬を預かる前に飼い主に確認しておくべきポイントは、主に6つあります。
いずれも犬のストレスを少しでも減らすため、そして大切な命を守るために大切なポイントです。
飼い主と一緒にしっかりチェックしておいてくださいね。
預かる期間
飼い主がいつ迎えにくるかわからないようでは、預かる側も犬も不安です。
「しばらく預かって」といったあいまいな依頼は引き受けず、「いつからいつまで」と明確な預かり期間が決まっている場合のみ引き受けましょう。
生活パターン
預かりが短期間でも、食事や散歩の時間がずれると犬はストレスを感じます。
あらかじめ飼い主にスケジュールを聞いておき、同じように過ごすことが大切です。
いつもの時間にいつものフードが出てくれば、犬も安心するでしょう。
散歩中の癖や他の犬に会ったときの反応も聞いておくと対応しやすいですよ。
トイレのやり方
犬は決まった場所でしか排泄しない子が多いです。散歩中にしか排泄しない、知らない場所では粗相をするかもしれないなど、トイレに関する習慣も聞いておきましょう。
もし粗相をしたら、きれいに掃除をしてトイレに誘導してあげてください。叱ったり怒鳴ったりすると、不安が強くなる可能性があります。落ち着いて対応し、安心させてあげてくださいね。
かかりつけの動物病院
かかりつけの動物病院の名前と場所は、必ず確認しておきましょう。
慣れない環境でケガをするかもしれませんし、飼い主と離れた不安やストレスから体調を崩す可能性もあります。
必要なときにすぐに診てもらえるよう、診察券を預かっておくと安心ですね。
持病や投薬はあるか
持病や投薬も、必ず確認しておくべきポイントです。食べさせてはいけないもの、触ると嫌がる場所なども忘れずに聞いておいてくださいね。
薬はフードに混ぜるのか、スポイトやシリンジ(注射器)で飲ませているのか、いつもすんなり飲んでくれるかなどの情報も重要です。
本来は、持病や難しい投薬がある場合はかかりつけの動物病院に預けるのがベストです。
少しでも不安があるようなら、断る選択肢を含め飼い主と相談しましょう。
嫌がることや苦手なもの
犬にはそれぞれ、嫌いなものや苦手なものがありますよね。
工事の音を怖がる、人が多い場所に行きたがらないといった話を聞いておくことで、ストレスのない散歩コースを選んであげられます。
嫌がっているときの仕草や表情も聞いておき、常に様子を見守ってあげてくださいね。
心得③預かる前の準備をチェック
犬を預かるときは、できる限り不安をやわらげることが大切です。
犬がずっと寂しそうに鳴いていたら、預かる側もつらいですよね。
飼い主と一緒に、犬の不安を取り除くための準備をしましょう。
お試し期間を設けてもらう
急な依頼でなければ、お試し期間として数時間~1泊程度預かってみることをおすすめします。
預かる側の練習になり、何かあったときはすぐに迎えに来てもらえるのもメリットです。
飼い主自身が「預けられているときの犬の様子」を知らないケースもあります。預かり中の動画を見てもらい、預かっても大丈夫かどうか判断してもらいましょう。
普段使っているグッズを持ってきてもらう
犬は繊細な生き物です。見るもの触るもの初めてのものばかりでは、食事や睡眠、排泄がうまくできないかもしれません。
環境が変わっても普段使っているグッズが揃っていれば安心するため、サークルやベッド、トイレトレー、食器、おもちゃなど、運べるものはすべて持ってきてもらいましょう。
飼い主の匂いのするものを借りる
飼い主の匂いのするものを借りておくと、落ち着いて過ごせる可能性があります。
嗅覚が鋭い犬にとって、大好きな人の匂いは心の支えになるでしょう。
タオルやクッション、毛布など飼い主がよく使っているものを借りておいてくださいね。
心得④先住犬がいるときの注意点をチェック
自分も犬を飼っている場合は、犬同士のトラブルが心配です。
先住犬までストレスを抱えることになると、お互いのためによくありません。
以下の注意点をチェックし、安全に預かれるかどうか考えてみてくださいね。
事前に会わせて相性を確認
犬同士にも相性があり、合わない場合はお互いにとってストレスになります。
事前に犬同士を会わせ、相性を確認する機会を作りましょう。もちろん、お試しで預かるチャンスがあればそのときでOKです。
激しいケンカになるとケガをするおそれがあるため、飼い主と一緒に相性を見極めてくださいね。
お互いのフードを食べないよう対策する
犬は大きさや年齢によってフードを変えるものです。別の犬用のフードを食べてしまうと、食べ過ぎてしまったり必要な栄養が摂れなかったりします。間違えて食べてしまわないよう、工夫をしましょう。
食事を与えるときは部屋を分ける、あるいはどちらかをサークルに入れるとよいですよ。食べ残したフードを置きっぱなしにしないことも大切です。
心得⑤預かっている間の注意点をチェック
犬は飼い主にとって大切な家族です。預かるからには、責任を持ってお世話しましょう。
元気な状態で犬を返してあげられるよう、預かっている間に特に気をつけたいポイントをお伝えします。
留守番をさせないようにする
預かる側にも仕事や用事があり、家を空けることがあるかもしれません。
ですが、慣れない環境に置かれた犬は不安でいっぱいです。
家族や同居人に家にいてもらうなどして、なるべく留守番をさせないようにしましょう。
脱走に注意
犬には離れた場所からも自分のテリトリーに戻ってこられる「帰巣本能」があります。
自宅に帰ろうとする可能性を考え、預かっている間は常に脱走に注意しましょう。
脱走は迷子や事故につながります。
自分や家族が出入りするときは慎重にドアを開ける。散歩中はリードを放さない。基本的なことですが、意識するだけで大切な命を守れます。
相手の家でお世話をするという選択肢も
繊細な犬ほど、環境が変わることで夜泣きをしたり体調を崩したりします。
少しでも預かるのが難しいと思ったときは、相手の家でお世話をする方法に切り替える判断も必要です。
どちらの方法が犬にとってベストなのか、飼い主とよく話し合って決めてくださいね。
まとめ
友人や親戚に犬を預かってほしいと頼まれたとき、一番大切なのは安易に引き受けないことです。
犬を預かり見守れる時間と環境があるのか、不安に寄り添ってあげられるのか、先住犬と仲良くできるのか、さまざまなことをよく考えてから返事をしましょう。