猫の変顔の理由「フレーメン反応」って知ってる?実は猫の生理現象だった!
猫がニオイをかいで変顔をしている姿を見たことがありますか?
もしくは人の足のニオイを嗅いで固まってる姿、記憶にありませんか?
その姿は「臭いっ!」とショックを受けているわけではありません。
この変顔の正体は、実は「フレーメン反応」という生理現象です。
もしまだ見たことがないあなたも、この記事を読めば「フレーメン反応」をする時がわかるので、その場面で愛猫をよく観察していると見ることができるかもしれませんよ。
そして、このフレーメン反応と切っては切れない関係の「フェロモン」。
フェロモンは猫の生活にとって必要不可欠なコミュニケーション手段なのですが、どんな役割を果たしているのかも合わせて解説していきます!
猫の変顔の裏の素顔も見逃しなく観察していきましょう!
フレーメン反応とは?
フレーメン反応とは、猫の感情とは関係なく臭いに反応して口が開いてしまう生理現象です。
フェロモンを受け取る嗅覚器官であるヤコブソン器官(鋤鼻器)が口の中にあるため、より多くのニオイ物質を取り込もうと口を開けた姿が、変顔に見えてしまっているのです。
変な顔をしているのが、実はフェロモンを真面目に分析していただけなんて、ちょっとおかしいですね(笑)
ちなみに猫以外にも馬、羊、象、虎、ライオンなどのほ乳類にフレーメン反応が見られます。
特に馬は唇を大きく引き上げるので、笑っているように見えとても分かりやすいです。
馬は笑っているように、猫は衝撃を受けたような変顔のように見える……同じフレーメン反応なのに違いがあって、面白いですね。
ネコ科である虎やライオンの反応は猫に似ています。猫の場合は微笑ましく見ていられますが、虎やライオンの場合はかなりパンチの効いた表情になるので、こちらの顔も同じような衝撃的な顔になってしまいそうです。
同じほ乳類である人はどうなのでしょうか。
実は、フェロモンを受け取る嗅覚器官が退化してしまって、フェロモンを感じ取れません。
もし、人にも同じフレーメン反応があったら、どんな顔になっていたのか気になりますね。
めちゃくちゃ笑顔になったら、とても幸せな世界になりそうです。
フェロモンとは?
猫同士でしか感じ取ることができない大事な情報がいっぱい詰まっているもの、それが「フェロモン」。
よく「フェロモン」と聞くと、発情のきっかけになる性的なフェロモンのイメージが強いと思いますが、猫が分泌するフェロモンには3つに分かれます。
警報フェロモン
猫は、興奮しすぎたり危険を察知したときに足裏や肛門から分泌します。
人で言うと、酸っぱいものをみると唾液がでる反射行動と似ていますね。
安寧フェロモン
猫は、安心できる場所に顔周りやしっぽの付け根から分泌しマーキングします。
よく足元をスリスリしたり、壁に顔こすりつけているのも実はマーキングしていたんです。
自分が安心できるように、飼い主に顔をこすり付けてマーキングしていたことを知ると、いじらしくて可愛いですよね!
性フェロモン
猫が尿から分泌するフェロモンで、性別や発情している猫情報をキャッチします。
メスかオスか判断することができる大事なコミュニケーション手段です。
発情している猫がどこにいるかも把握でき、病気の確認もできると言われています。
フェロモンはたくさんの情報が詰まっているカルテみたいなものですね。
※発情期を迎えるとニオイの強いおしっこをする猫の「スプレー行動」。これは性フェロモンを出していますが、発情以外にも強いストレスが原因の場合があるので、特に避妊去勢手術を終えた猫がスプレー行動をする場合は、ストレスの原因を見つけて改善してあげましょう。
どんなニオイに反応するの?
猫は、いろんなフェロモンの中からそれがどんな情報かを嗅ぎ分けるために、たくさんのニオイを嗅いでいます。
その中でも、主にどんなものに反応しているかご紹介しましょう。
自分のニオイ
猫は部屋の中にもマーキングし、安心を求めて生活しています。
特に室内猫が多い現状、他の猫(多頭飼いを除き)に会う機会が少ないので、自分のニオイを嗅いで安心しています。
よくお尻を舐めてる姿を見るのも、自分の状態確認をしているのかもしれませんね。
他の猫やトイレの中のニオイ
よく挨拶代わりに猫同士でお尻のニオイを嗅いでいる光景をみたことがありませんか?
実はこれ、フェロモンによって情報を得ています。
初対面で無防備なお尻を見せることは猫にとって急所であり危険な行動なため、完全に信頼している相手にしかお尻を見せません。
お尻のニオイを嗅ぎあうのは仲が良い証拠です。
「こんにちわ」と挨拶をして「今日も元気だな」と、仲良く情報交換しあっていると思うと可愛いですね。
尿からもフェロモンが分泌するため、トイレでフェロモンを感じ取っている姿を目撃することができます。
強くニオイを感じる場所なので、フレーメン反応をしやすい場所でもあります。
フェロモンに似たニオイ「人の足の裏」
猫が人の足のニオイを嗅いでいたり、靴下の臭いなどを嗅いでる姿をよく見かけますが、これは人の足の裏のニオイが猫のフェロモンのニオイに似ているからと言われています。
ですので、ニオイを嗅ぎに来たときは思う存分情報を与えてあげましょう。
フェロモンに似たニオイ「ハッカ系」
ハッカ系のニオイも猫のフェロモンのニオイに似ていると言われています。
西洋のまたたびと呼ばれるハーブの一種「キャットニップ」は、日本では「イヌハッカ」や「キャットミント」という名前で知られておりハッカ系の香りがします。
キャットニップのおもちゃなどで遊ばせると、フレーメン反応をしている姿を目撃出できるかもしれません。
キャットニップは問題ありませんが、ハッカ油は猫には健康を害する可能性があるので、使用は控えてください。
猫はハッカ油(アロマオイル全般)の成分を肝臓で代謝ができないため、体内に毒素が蓄積して中毒症状を起してしまいますので、ご注意ください。
好ましくないニオイ
タバコの煙やガソリンの臭いに対しても起こることがあります。
しかし、呼吸器系疾患の原因にもなるので、タバコの煙やガソリンの臭いを何度も嗅がせることは危険です。
他にも猫の嗅覚は人の数万~数十万倍あると言われているので、無理にニオイを嗅がせることはストレスに繋がります。絶対に止めましょう。
まとめ
猫の変顔の裏にはこんなに深い意味があったなんて驚きでしたね。
猫のいろんな行動の裏が少し理解できたのではないでしょうか?
今度から猫が変顔をしている時、「あっ、いま何かの情報を得たんだな」とか「安心の材料集めをしているのかな」と、猫の気持ちが少し分かったような気がしてなんだか嬉しくなりませんか。
ネットでも様々な動物のフレーメン反応をしている動画がたくさんありますので、興味があったらぜひ見てみて下さい。
これからももっと猫の知識を高めて、猫と幸せに暮らすために一緒に学んでいきましょう!