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渡り鳥はなぜ渡る?なぜ迷子にならない?秋の風物詩「渡り鳥」について知ろう!

夕日と渡り鳥

秋の空を見上げると、大勢の鳥たちが群れを成して飛んでいる様子を見ることがあります。

まるで1つの生き物のように移動する姿は圧巻ですよね。

でもどんな鳥が季節によって長距離移動をする「渡り」をするのか、そもそもなぜ「渡り」をするのかはよく知らないかもしれません。

そこで今回は、渡り鳥の種類や生態についてご紹介します。鳥の賢さやスタミナに驚かされますよ!

なぜ渡りをするの?

鳥は繁殖や食糧を確保するために渡りをします。

より暮らしやすい環境を求めて、長い距離を移動するのです。

ですが渡りをしない鳥もいるため、明確な理由はまだ研究途中のようです。

最近の研究によると、他の鳥たちとの餌を巡るライバル争いに巻き込まれないためだそうです。渡りをすることで争うエネルギーを節約しているんだとか。

鳥の本能的な賢さが分かりますね。

目的地にたどり着けるのはなぜ?

渡り鳥が長距離を迷うことなく移動できるのは不思議ですよね。方向音痴の私にとっては羨ましい限りです(笑)

正しい方向へ進める理由は、太陽や星を目印にしている、磁場を感知するなどが知られています。

生まれ持った能力と、経験で身に着ける能力を駆使して移動するようです。

渡りのメカニズムについては研究が続いているので、新たな発見があるかもしれませんね。

最近の研究の結果、ある種の鳥の目には磁場を感知する能力があることが分かったそうです。

生まれつき、渡りをするのに必要な体を持っているなんて素晴らしいですね!

自然界には、私たちがまだ知らない驚きで満ちています。

渡りをする鳥たち

日本で見られる渡り鳥は大きく分けて3種類あり、日本で夏を過ごす鳥は「夏鳥」、冬を過ごす鳥は「冬鳥」、日本を通り道にしている鳥は「旅鳥」と呼ばれています。

【夏鳥】ツバメ

ツバメ

家の軒先などに巣を作り、子育てをすることで知られるツバメ。

冬はフィリピンやマレー半島、台湾などの暖かい国で過ごすため、10月頃に渡りをします。

そして春になるとまた日本に戻って来るのです。

群れではなく、単独で移動します。

温暖な地域では日本に留まって冬を越す「越冬ツバメ」もいるそうです。

小さな体で3,000km以上も移動するツバメ、すごくスタミナがありますよね!

多い日は1日300kmも飛ぶそうです。

飛びながらでもエネルギーを回復させるため、脳を半分ずつ休める「半球睡眠」を行っています。

ちなみにこの能力、イルカやクジラなども持っています。動きながらでも眠れるなんて、ちょっと羨ましいですね(笑)

【夏鳥】オオルリ

オオルリ

深い青色の羽を持つ美しい鳥です。オスは鮮やかな見た目ですが、メスは全体的に茶色く地味な印象です。

さえずりもとても美しく、まるで楽器のよう。小さな体で遠くまで響かせます。

ツバメと同様、秋になると東南アジアへ移動します。

普段は渓流がある森林に住んでいるので、見かける機会は少ないかもしれませんね。

渡りの時期には公園などに姿を見せることがあるので、観察するチャンスです!

メスは目立たないですが、オスは青い体が目印になるので見つけやすいと思います。

【冬鳥】ジョウビタキ

ジョウビタキ

体長15cmと小さく、丸い体と目が可愛らしい鳥です。

オスは頭が白く、胸やお腹がオレンジ色なのが特徴。メスは全体的にグレーがかった茶色です。

日本全国で見られる身近な鳥ですよ。

10月頃にロシアや中国から日本へ渡り、冬を過ごします。

多くの鳥と違って群れを作らず、単独行動を好むようです。

ジョウビタキは見た目だけでなく、動きもキュート!

頭を下げて尾をプルプルと震わせる様子はお辞儀をしているよう。

この特徴的な動きでジョウビタキを見分けられます。

【冬鳥】オオハクチョウ

オオハクチョウ

渡り鳥として比較的有名な鳥ですよね。

体長は約140cmと大きく、近くで見ると迫力があります。

シベリアの針葉樹林からおよそ3,000kmの距離を渡って、北海道や東北、関東地方で冬を越します。

特に茨城県では、オオハクチョウを見られる公園や池がいくつもあり、近くで観察できますよ。

群れで生活するため、たくさんのオオハクチョウが集まる様子は圧巻です。

綺麗に整列して飛ぶ姿は美しく、ダイナミックです。

北海道では10月頃、本州では11月頃に渡って来るので、タイミングが合えば見られるかもしれませんね。

【旅鳥】シギやチドリ

水際のシギ
■シギ

コチドリ
■コチドリ

旅鳥とは、繁殖も越冬もせずただその地点を通過するだけの鳥のことです。

シギやチドリは北半球と南半球を行き来するため、春と秋に日本を通過します。

その際食事や休憩のために立ち寄るので、姿を見ることができます。

どちらも「チドリ目」に所属している鳥で、茶色やグレーなど目立たない色をしています。

シギは胴やくちばしが長く、チドリは短いのが特徴。湿原でカニや昆虫などを食べています。

まとめ

何気なく見ている渡り鳥ですが、驚きの能力を秘めていました。

渡り鳥が来ることで季節が感じられますし、毎年見られる楽しみもありますよね。

今回ご紹介した鳥以外にも、渡りをする鳥はたくさんいます。

川や湖、森など身近に渡り鳥が来るスポットがあれば、ぜひ観察に出かけてみてください。

生態について新たな発見ができるかもしれませんよ。