「ワンワン」だけじゃない!犬の鳴き声から気持ちを読み取ってみよう

「うちの子の言葉がわかったらなぁ」
そう思うことってありますよね!
人間のような言葉が使えないとしても、犬たちの気持ちはその鳴き声から推測することができます。
犬の鳴き方は「ワンワン」だけでなく意外と様々なバリエーションがあり、その時のシチュエーションによって鳴き方の特徴があります。
今回は犬の鳴き方から推測できる気持ちについてまとめました。
わんちゃんそれぞれに個性があり必ずしも同じ鳴き方をするわけではないのですが、鳴き声の特徴や声の高さなどの共通点から愛犬の気持ちを読み取るヒントになれば幸いです。
基本的な鳴き方
「ワン!ワンワン!」基本の鳴き方
まずはお馴染みの「ワンワン」という鳴き方です。
・飼い主さんの注意を自分に向けたい
・自分の主張をアピールしたい
・あいさつ
・警戒
といった気持ちの時に鳴くことが多いです。
基本的な鳴き方ゆえ、気持ちを読み解くには「声の高さ」と「連続性」に注目してみましょう。
普段よりも高い声の時は「要求」「甘え」の気持ちが強い傾向があります。
飼い主さんやお友達の犬に「こっちを向いて!」とアピールする時や「やぁ!こんにちは!」と挨拶する時には、普段よりもやや高い声で「ワン!ワン!」と区切って簡潔に鳴くことがあります。
一方で、警戒の気持ちがある時には普段の声の高さで3〜4回一定の間隔で吠えることがあります。
この時の警戒は後述する「ウー」や「ワワワワ」という鳴き方の時よりも「まだ正体は分からないけど、一応警戒した方が良さそう」という気持ちに近いと考えられます。
連続して吠え続ける場合は「正体が分かっている!警戒して!」という明確な警戒の気持ちであると考えられます。
それが普段よりも低い声である場合は「一歩も引かないぞ」という確固たる意思がある場合が多いです。
「ワワワワワ!」と連続するように鳴く
「ワン」ではなく「ワワワワワ!」というように連続して吠える時には「警戒」の気持ちが強いです。
インターホンの音や他の犬に反応した時に多く聞かれる鳴き方です。
警戒の気持ちが強い時には普段よりも大きく強い声で鳴くことが特徴です。
警戒する時の「ワン!ワン!」よりも対象が近く、すぐ目の前にしている場合が多いです。
「キャンキャン!」高い声で鳴く
「ワン!」よりも数段高い声で「キャンキャン!」と鳴く時や「キャーン!」と悲鳴のように鳴く時には
・要求がなかなか通らない時
・期待して興奮している時
・びっくりした時
・痛みを感じた時
などによく聞かれます。
声の高さは「弱気」と関係しているため、高い声で要求をすることで「ねぇお願い!」という懇願の気持ちが強いことが考えられます。
早くお散歩に出発したくて飼い主さんを急かしている時や、ケージやサークルに入れられてしまった際に「入りたくない!出してよ!」と懇願する時にもよく聞かれます。
また、びっくりしたり痛みを癌じた時にもこの鳴き方をすることがあります。
「ギャッ!」大きな声で鳴く
急激な痛みや驚きを感じた時には「キャン」よりも強い「ギャッ!」という声で鳴くことがあります。
飼い主さんに尻尾や足などをうっかり踏まれてしまった時のように、一瞬で強い痛みや衝撃を受けた時によく聞かれます。
「ウォ〜ン!」遠吠えは通信ではない?!
「ウォ〜ン!」と長く伸ばす鳴き方は「遠吠え」と呼ばれています。
遠吠えする時の犬は口をすぼめるようにし、下から上を向くように頭を動かして声を出すことが特徴です。
遠吠えはオオカミの習性と共通していますが、現代の犬たちはオオカミとは違う意味で遠吠えをすることがあります。
もともと遠吠えは「遠くの個体との通信」の役割がある鳴き方です。
他のおうちの犬の遠吠えに反応して遠吠えをしたり、遠吠えと周波数の似ているパトカーや救急車などのサイレンに反応して遠吠えをしたりするのはこのためです。
しかし現代の犬たちはそれだけでなく「寂しさ」や「不安」でも遠吠えをすることがあります。
・飼い主さんの留守中
・消灯後に家族が寝静まった後
・ひとりぼっちになった時
など、犬が寂しさや不安を紛らわすために遠吠えをすることがあります。
犬は群れを成す習性があり、孤独な時間が苦手な傾向があります。寂しさからの遠吠えが癖になっている場合もあるため、愛犬のストレスには注意してあげましょう。
「ワン」とは違う鳴き方
「クゥーン」「キューン」という鳴き方
「クゥーン…」「キューン…」「クククク」といったように弱々しく鳴く時には
・寂しさ
・甘えん坊の気持ち
・不安
などの気持ちが考えられます。「ワン」よりも高くまるで子犬のような鳴き方であることから、飼い主さんへの甘えや寂しさの主張がある場合が多いです。
強く繰り返して「クゥーン!クゥーン!」と鳴いている場合には、より要求やアピールの気持ちが強いと考えられます。
「ピーピー」鼻が鳴っている?
「キューン」よりもさらに高い声で「ピーピー」と鳴いている時には、非常に懇願や甘え、寂しさが強い傾向があります。
鳴いているというよりは、鼻を鳴らしていると言った方が適切かもしれません。
「キュンキュン」という鳴き方とセットになって鼻を鳴らすこともあります。
一方で、体調不良の辛さによっても鼻を鳴らすことがありますので注意が必要です。
「ウゥー…」低い声で鳴く
普段よりも低い声で「ウー」と唸るのは
・威嚇
・警告
・不快感
・イライラ
・楽しい
などの気持ちが表れています。
唸り声は愛犬の身体の様子、特に「歯を剥き出すかどうか」に着目してみましょう。
鼻筋を寄せて歯を見せている場合には「これ以上やったら(近付いたら)攻撃します」という威嚇や警告の意味が強いと考えられます。
どこかに痛みがある場合や体調不良によって構われたくないという場合もあります。
一方で、遊びの最中にも唸ることがあります。
この時は「楽しくて興奮した」「焦らされてもどかしい」というような気持ちが推測できます。
楽しい気持ちで唸る時は歯を剥き出していないことが特徴です。
中には「歯を剥き出すと飼い主さんが笑ってくれる」という認識をしてしまい、怒ったり威嚇したりしていないのに歯を剥き出して唸る子もいます。
愛犬が怒っている時の様子を正確に把握することが、飼い主さんとの適切な関係性の構築のためにとても重要です。
「ンン〜!」不満そうに鳴く
まるで地団駄を踏むかのような雰囲気で「ンン〜!」というように鳴くことがあります。
これは欲求不満な時によく聞かれ、なかなか自分の要求が通らないことへの不満が表れています。
不満げに鳴いた後にあくびをすることもあります。
高いトーンから低いトーンへ、まるで本当に不満を言っているかのような雰囲気です。
また、強い痒みによってもこの鳴き方をすることもあります。
何らかの体調不良でもうたまらない、というイライラした気持ちの場合もあるため注意しましょう。
鳴き声で犬の感情を分析する首輪が開発された!
2021年1月に「犬の鳴き声を分析して感情を検知するAI搭載の首輪」が開発されたというニュースがありました。
開発したのは韓国のスタートアップ企業「Petpuls Lab」で、なんと50犬種1万件以上の犬の鳴き声を集めデータベース化し、独自のアルゴリズムを開発したとか!
約3年をかけて収集した様々な犬の鳴き声と音声認識技術を活用することで、愛犬の気持ちを飼い主さんのスマホアプリで知ることができるそうです。
この首輪は2020年の10月から約1万円で販売開始されています。
このようなテクノロジーの進歩によって、愛犬の言葉が正確に通訳される時代が来るかもしれませんね。
まとめ
愛犬と暮らしていると、鳴き方や吠え方の特徴で「今こんな気持ちかな」と何となくわかることがあると思います。
イヌとヒトは太古の昔から共生してきたパートナーであるため、本能的に「何となく察することができる」という感覚があるのかもしれません。
実際に犬の鳴き声について調べてみると、その時の感情や状況によってバリエーション豊かな鳴き方があることが分かりました。
「ワンワン」だけではない犬の言葉である鳴き声を把握できれば、愛犬の気持ちをより正確に掴むことができるでしょう。
皆さんもぜひ愛犬の「こんな時にはこんな声で鳴くなぁ」という特徴をチェックしてみてください。