実はペットとしても飼える?ヤギを飼うために必要なもの

子ヤギ
動物その他

ヤギはもともと肉や乳をとるために、家畜として飼育されてきた動物です。

しかし最近では雑草を食べてくれること、人によく慣れることからペットとして飼う人が少しずつ増えています。

今回は元飼育員の筆者がヤギをペットとして飼う時に必要なものや、知っておいてほしいことを解説してきます。

ヤギはどこで買える?

ヤギを飼いたい!と思っても、一般的なペットショップではその姿を見かけることはほとんどないですよね。

ヤギを飼いたい場合は、インターネットでペット向けのヤギを販売している牧場やブリーダーを探しましょう。

ただし本来ヤギは家畜であるため、ペット向けには販売していないという牧場もあるので注意が必要です。

ヤギを飼うためにはどんなものが必要?

ヤギ

ここまでヤギの入手方法や、レンタルヤギについてお話ししてきました。

では実際にヤギを自宅で飼う場合は、どんなものが必要になるのでしょうか?

ここからは自宅にヤギをお迎えするにあたって、最低限用意しておきたいアイテムを紹介していきます。

首輪

ヤギを飼うにあたって、絶対に必要なものが首輪です。

ヤギ用の首輪はなかなか売っていないため、中型犬用のもので構いません。

ただしうっかり頭から抜けてしまわないように、しっかりとサイズを測ってから購入してください。

首輪を付けていれば、ヤギが脱走してしまっても首輪をつかんで捕獲できます。

首輪をしていないヤギはツノや首をつかんで捕まえますが、かなりすばしっこい上に力が強いのであらかじめ首輪をしておくことを強くおすすめします。

リード

ヤギを散歩させる時やどこかにつないでおく時のために、首輪に付けて使うリードも必要になります。

こちらも中型犬(大型犬)用のもので構いませんが、ヤギはなかなか力が強いためしっかりとした作りのものを選びましょう。

雑草を食べてもらう目的でヤギを飼う場合は、ある程度長さがあるリードを選んだ方が良いでしょう。

エサ

ヤギに与える基本的なエサは、乾草とペレット(濃厚飼料)です。

ヤギのような草食動物は、植物の繊維質をしっかり食べないとお腹の調子が悪くなってしまいます。

チモシーやイタリアンライグラス、オーツヘイなどのイネ科植物を主食として与え、ペレットを少量与えると良いでしょう。

アルファルファやクローバーなどのマメ科植物は栄養価が高い反面、カロリーオーバーになりやすいため主食にしてはいけません。

とはいえマメ科の植物の方がよりし好性が高く、ヤギにマメ科の植物を見せると喜んで食べます。

しかしヤギのように反芻をする動物の健康を保つためには、イネ科植物のような繊維質が多い植物を主食として与える必要があることを覚えておいてください。

自然豊かな環境にお住いの方は植物を刈り取ってきて与えたり、野菜クズなどを与えたりしても構いません。

ただしヤギにとっては毒性が強い植物もあるため、ヤギに与えて良い植物であるかどうか確認してからあげてくださいね。

塩(鉱塩)


ヤギのような草食動物は、健康を保つためにたくさんのミネラルを必要とします。

ミネラルの中でも特に塩分が足りないと食欲が減る、元気がなくなるなどの症状が出てしまうことがあります。

そういった事態を防ぐためにも、必ず鉱塩(こうえん・家畜用の塩のブロック)を用意してあげましょう。

ペットショップではそうそう見かけない鉱塩ですが、農協や通販で購入できます。

見た目以上に固くて重たいので、腰を痛めたり足に落としたりしないように気をつけてくださいね。

鉱塩を置いておけば、ヤギは自分の好きなタイミングでなめて塩分を補給してくれます。

塩をなめた後にすぐに水が飲めるように、鉱塩は水場の近くに置いておくと良いですよ。

ヤギは家畜伝染病予防法の対象!飼うには届出必須

水を飲むヤギ

実はヤギを飼う際には、それ以外にも必ず知っておかなければならないことがあります。

ヤギはイヌやネコなどと異なり、ウシやブタなどと同じ「家畜」に分類されます。

そのためヤギはペットとして飼う場合であっても、「家畜伝染病予防法」という法律の対象となるということです。

ご存じの方も多いかと思いますが、イヌを飼う時には市区町村に登録を行い、毎年狂犬病の予防接種を受けさせる義務がありますよね。

それと同じように家畜を飼う時は、毎年飼育している家畜の数や飼育目的を都道府県知事に報告する義務が発生します。

少し手間がかかりますが、上記理由からヤギを飼う前には必ず「家畜伝染病予防法」の内容を確認してください。

地域の畜産業を守るためにも、法律によって定められた事項や飼い方は必ず守ってくださいね。

実際飼う前に「レンタルヤギ」をおすすめします!

3匹のヤギ

全国的に、雑草処理やレクリエーション目的でヤギのレンタルを行っている牧場や業者があります。

産直市場 グリーンファーム「ヤギレンタル」
ワールド牧場 ヤギ・ヒツジのレンタルサービス「エコ除草」
テンフィールズファクトリー「ヤギレンタル」
※サービス名をクリック(タップ)すると、各社サービスのホームページに遷移します。

場所や業者にもよりますが、1ヶ月あたり数千円~2万円(エサ代などの諸費用を除く)程度でヤギをレンタルできます。

1ヶ月一緒に生活すればヤギの鳴き声の大きさや行動、エサを食べる量やフンの量などがある程度わかるようになるはずです。

ヤギをペットとして飼いはじめる前に、1度ヤギを借りて実際のヤギとの生活を体感してみてはいかがでしょうか?

まとめ

ヤギ

ヤギをペットとして飼うためにどんなものが必要になるのか、どんなことを知っておくべきなのかを解説してきました。

ヤギを飼ってみたい方はまずどこかでヤギをレンタルして、実際のヤギとの暮らしを体験してみてください。

そして十分に準備を行ってから、ヤギをお迎えしてあげてください。

ヤギは感情豊かでちょっといたずら好き、そしてとても人懐こい動物です。

きちんと向き合うことができれば、きっと素敵な家族の一員になってくれることでしょう。