うさぎの斜頸(しゃけい)は時間との勝負!斜頸かも…!?と思ったらすべきことは?
首が傾いている状態を意味する「斜頸(しゃけい)」。
うさぎの斜頸は決して頻度の高い症状ではありません。
しかし、症状が進むと後遺症が残ったり再発したりする可能性も高く、生活面で飼い主のサポートが必要となることもあります。
今回は、うさぎの斜頸について、その原因や症状、症状に気付いた時の対処法を解説します。
いざというときに役立つ情報をまとめたので、ぜひ頭に入れておきましょう。
斜頸って何?
斜頸とは病名ではなく、「身体はまっすぐなのに、首をかしげているように斜めになる状態」をいいます。
その原因は、エンセファリトゾーンという寄生虫に脳が侵されることや、パスツレラという細菌に感染すること、外傷や金属中毒などさまざまです。
全年齢で発症する可能性がありますが、年齢が上がるほど発症率も高まります。
加齢やストレスなどで免疫力が落ちると発症しやすくなり、斜頸の症状が出ることがあるのです。
しかし、エンセファリトゾーンやパスツレラが体内にいても、症状の出ないうさぎもたくさんいます。
感染していても発症しなければ元気に過ごせるので、日ごろから免疫力を高め、ストレスのない生活を送れるようにしてあげることが大切です。
斜頸の症状を知っておこう
斜頸の治療は発症からの時間が勝負です。
これは発症から48時間以内に治療を開始すると完治する確率が高まるためです。
逆に時間が経ってしまうと、後遺症が残る可能性が高いのです。
はじめはわずかに傾いている程度でも、時間が経つと悪化することもよくあります。
また少しずつ進行する場合や急激に斜頸になる場合など、原因によっても進行度合いがさまざまです。
そこで、どのような症状がみられたら斜頸を疑うべきなのか、いくつか頭に入れておきましょう。
斜頸の初期症状
・じっとして動かない
・動作がぎこちない
・立ち上がろうとしてよろける
・頭を振る
このような症状がみられたら、様子を観察しつつ、速やかに動物病院で診察を受けるようにしましょう。
斜頸が進行した時の症状
進行すると次のような症状が出ることもあります。
・眼球が左右や上下に揺れるように動く(眼振)
・身体を支えられなくなり、ごろごろ転がる(ローリング)
・歩こうとすると倒れる
・まっすぐに歩けない
このような状態では食餌を摂ることや水を飲むこと、トイレを使うことも一苦労です。
できるだけ早く異常に気づいてあげたいですよね。
斜頸かも…?と思ったら
できるだけ早く受診しよう
斜頸かも……と思ったら、早朝や深夜でもできるだけ早く動物病院に連れていくのが理想です。
しかし、夜間の動物病院ではうさぎを診てもらえないこともあります。
連れていく前に、電話などで相談しておくとよいでしょう。
斜頸の症状が出ているうさぎを連れ出すことは、うさぎにとってストレスです。
もし専門の獣医師がいない場合は、朝になるのを待って、かかりつけの動物病院に連れていきましょう。
移動時にも細心の注意を!
動物病院に連れていくときには、小さめのキャリーを使うか、キャリーにタオルを敷き詰めて運ぶと体が安定します。
動物病院に行くまでの時間は、うさぎの様子を観察することとけがに注意することが大切です。
斜頸の症状がでると、うさぎ自身もパニックになることがあります。
うさぎが物にぶつかったり、高さのあるところから落ちたりしてけがをしないように、気をつけておきましょう。
ケージの中の段差をなくしたり、ケージにぶつかってけがをしないようタオルでガードしたりすると安心です。
多頭飼いの二次感染にも注意しよう
うさぎの多頭飼いをしていて、そのうちの1羽にエンセファリトゾーンやパスツレラの感染がわかった場合は、他のうさぎと生活空間を分けるなどの対応をしましょう。
感染を予防するためにも、感染したうさぎと感染していないうさぎとの接触機会を、できるだけ少なくしておくと安心です。
まとめ
うさぎの斜頸は、その初期症状に気づいて早く治療してあげることで、完治する可能性が高いと言われています。
また、斜頸のもとになる病気を防ぐためには、免疫力を高めておくことも大切です。
健康的な食餌とストレスのない環境を整えることで、うさぎの健康を守ってあげましょう。