シニア期のわんちゃんに現れる老化のサイン【排便排尿編】

ふんばる犬

わんちゃんも人間と同じで、高齢になってくると様々な老化現象が現れます。

「うちの子はまだ元気」と思っていると、老化の兆候を見逃してしまうかもしれません。

小型犬は7歳からシニア期に入り、10歳を過ぎると老いのサインがわかりやすくなるでしょう。

特に、排尿と排便は体調の変化が現れやすいので日々観察してほしいところです。

そこで今回は、シニア期のわんちゃんに現れる排尿排便の変化について解説していきます。

シニア期のわんちゃんの排尿の変化

チワワの昼寝

シニア期のわんちゃんは若い頃のように排尿のコントロールができなくなります。

・お散歩で何度もしたのに、帰ってきてからまた排尿した
・おしっこの量が多い
・おしっこの量が少なく、回数が増える
・おしっこの回数が減った
・おしっこの失敗が多くなった

老化で排尿のコントロールが難しくなり、今まで粗相をしなかった子でも、トイレ以外の場所でしてしまう子も増えてきます。

体が老化すると、排尿をコントロールする筋肉や神経が衰え尿漏れなどの症状も多くなります。

膀胱自体も小さくなりますので、おしっこを貯めることができず回数も増えてしまうのです。

どうか、粗相をしても叱らないであげてください。

おしっこが出ない方が大変(この場合は排尿介助が必要)なので、おしっこが出るだけ良かったと思ってあげましょう。

私が17歳の老犬を介護していた時は、部屋中ペットシーツを敷いて、「さあ、どこでも好きな場所でしていいのよ」という気持ちでいました。

足腰が弱っても時間をかけてでも、いつもの場所へ行き排尿していた愛犬の姿に涙したものです。

老犬になったら、高価なラグを敷くのは控え、いつでも洗って交換できるようなものに変えておくと心持ちも違います。

もしおしっこの色が濃い黄色だったり、血が混じっていたら、尿道、腎臓などの病気かもしれません。

また、トイレシーツから溢れるほどの量を何度もして、お水をたくさん飲む子は、糖尿病の可能性もあるでしょう。

トイレの度に鳴くいたり、なかなかおしっこが出ない、などの兆候が見られたら膀胱炎かもしれません。

膀胱炎が悪化し尿内の毒素が体に回と「尿毒症」を引き起こしとても危険です。

もしそのまま腎不全になると、人間のように点滴や透析が必要になります。

「あれ?ちょっとおかしいな?」と感じたら早めに行きつけの動物病院を受診しましょう。

シニア期のわんちゃんの排便の変化

老犬

排便も排尿と同じく、老化で状態が変化していきます。

・慢性的な下痢
・なかなか排便できない
・ウンチの量が少なくなる
・便秘

今まで快便絶好調だった老犬でも、突然このような状態になります。

原因は、消化機能の低下で水分の吸収が十分にできないことと、筋肉の衰えです。

暑さや寒さ、精神的ストレスが引き金となり、便秘や下痢を起こしやすくなります。

もしなかなか便が出ない場合は、動物病院で浣腸などの処置をお願いしましょう。

高齢のわんちゃんは、消化機能が弱っているので消化のいいフードやおやつの変更してあげましょう。

また、オスのわんちゃんの場合は、便秘の原因が加齢ではなく前立線肥大という病気かもしれません。

前立線肥大は、肛門の近くにある前立線が腫れる病気です。

腫れた前立線が直腸を圧迫しウンチが出にくくなります。

去勢手術をしているわんちゃんは防げる病気ですから、若いうちに去勢手術をして予防しておきましょう。

シニア期の排尿排便ケアで注意したいこと

柴犬老犬

トイレを大きくする

シニア期のわんちゃんの尿は、若い頃のような黄色ではなく水のようになるのが特徴です。

量も多くなり、トイレの掃除が大変になるでしょう。

若い頃のような小さめのトイレじゃなく、大きめに変えてあげるなど老犬用の準備をしてあげてください。

トイレの位置を変えない

また、高齢になると新しい環境に慣れるまで時間がかかります。

部屋の模様替えは控え、トイレの位置は変えないようにしてください。

今までケージレスだったわんちゃんを、粗相をするからとケージに入れるようにするのもオススメできません。

わんちゃんは悪い事したかな?嫌われたかな?と思って、落ち込んでしまいます。

排便排尿の変化は、老化の1つ。生理現象ですから、寛大に見守ってあげましょう。

犬用オムツについて

わんちゃん用のオムツを使うときは、長時間つけたままにすると皮膚炎や膀胱炎がおこりやすくなります。

便や尿をしたらできるだけ早く交換してあげましょう。

オムツは人間の子ども用オムツも使えます。

シッポが出る穴を開けて、穴の周囲をガムテープで補強しておきましょう。

女の子のわんちゃんは、人間用オムツの方が漏れません。

男の子の場合は、腹巻のように巻いて、ガムテープやフックで固定してください。

オムツはわんちゃんの大きさや種類によってフィット感が違いますので、色々試してみましょう。

まとめ

この記事では、老犬のわんちゃんに現れる排尿排便の変化について解説しました。

シニア期のわんちゃんの介護では、排泄ケアがとても大変です。

自力で出せなくなると1日に何度も介助が必要になります。

ですから、粗相する方がまだ楽と思って、叱らないであげてくださいね。