うさぎの不正咬合(ふせいこうごう)って?チェックポイント&すぐできる予防法をご紹介☆

垂れ耳うさぎ
ウサギ

不正咬合(ふせいこうごう)は、うさぎによく見られる歯の疾患です。

生涯伸び続けるうさぎの歯は、牧草などを食べることによって自然に削られ、適度な長さを保っています。

しかしなんらかの原因で、歯がうまく削られず伸びすぎてしまうと噛み合わせが悪くなり、不正咬合を引き起こします。

不正咬合は全身に影響を及ぼすことも多く、一度かかると何度も繰り返してしまう病気です。

今回は飼い主さんが不正咬合に気づくポイントや、すぐに実践できる予防法などをご紹介します!

不正咬合の症状とチェックポイント

見やすい前歯と見にくい奥歯に分けて、チェックポイントをご紹介します。

まず切歯をチェックしよう

うさぎの切歯チェック

うさぎの歯は切歯(せっし)と呼ばれる前歯が6本、臼歯と呼ばれる奥歯が22本あり、上の歯が下の歯にかぶさっている状態が正常な噛み合わせです。

切歯の不正咬合は、下の歯がせり出し、上の歯にかぶさった状態が多く見られます。

切歯は、口の両側を押さえて広げるとチェックできるので、定期的にチェックしておきましょう。

臼歯のチェックポイント①食欲や食べ方

切歯のチェックはもちろん大切ですが、実は、不正咬合になりやすいのは臼歯のほうです。

臼歯は目で確認することが難しいので、他の方法で臼歯の不正咬合のチェックをしましょう。

上の臼歯は頬のほうへ伸び、下の臼歯は舌のほうへ伸びます。

どちらにしても、口の内側が傷つくことで痛みを感じ、食べたくても食べられない状態になってしまいます。

うさぎの食欲低下は命にかかわります。

消化管うっ滞を引き起こすなど、全身に症状が現れることが少なくありません。

食べにくそうにしている、あまり食べない、食べ物を口に入れようとしてやめてしまうといった様子が見られたら、すぐに動物病院に連れていきましょう。

臼歯のチェックポイント②目や目の周り

上の臼歯の根元が内側に伸びると、眼球や鼻涙管と呼ばれる涙が通る管を圧迫することがあります。

そうなると、眼球が飛び出してきたり、涙や目やにが増えたりといった症状が見られます。

目の周りが濡れているときや、頻繁に顔を洗っているときには、注意が必要です。

臼歯のチェックポイント③顎

噛み合わせが悪くなると、よだれを流すことがあります。

また、下の臼歯の根元が内側に伸びると顎に膿がたまって、顎が腫れることも。

顎が濡れている場合や触られるのをひどく嫌がる場合は、不正咬合を疑いましょう。

不正咬合の原因

不正咬合の原因は主に、以下の3点です。

・ケージをかじること
・牧草をあまり食べないこと
・落下などで顎にダメージを受けたこと

我が家の「ぴの」は、ネザーランドドワーフですが、横から見て顎が短いのがお分かりいただけますか?

ネザーランドドワーフ
■愛うさぎ「ぴの」の横顔

ネザーランドドワーフのように、顎が短い種類のうさぎは不正咬合のリスクが高いと言われています。

では具体的にどんな方法で予防すればいいのか、見ていきましょう。

不正咬合の予防法

牧草中心の食事にする

うさぎは、すり合わせることによって適切な歯の長さをキープしているので、その機会を充分に与えることが不正咬合の予防になります。

そのためには、牧草中心の食事にするのが一番です。

おやつやペレットばかりあげてしまうと、牧草を食べなくなってしまいます。

大きくなってから食生活を変えるのはとても大変…

小さいころから牧草中心の食生活を心がけ、牧草はいつでも食べられるようセットしておきましょう。

ケージの噛み癖を直す

ケージを噛むたびにおやつをあげたり、外に出したりしていませんか?

ケージを噛むと希望を叶えてくれると学習したうさぎは、ケージを噛むのをやめてくれません。

まずは、ケージを噛んでも何にもしてくれないことをうさぎに覚えさせましょう。

噛まなかったら褒めてあげるということを繰り返し、噛み癖をやめさせるようにします。

噛み癖対策スプレーなども試してみるとよいでしょう。

まとめ

不正咬合は放っておくとどんどん悪化し、二次的にさまざまなトラブルを引き起こす原因となってしまいます。

また、不正咬合は、一度かかると繰り返すことが多く、定期的な通院が必要となることも多い病気です。

うさぎの健康を保つためにも、ぜひ牧草中心の食生活と日ごろの健康チェックを心がけてくださいね。