柴犬ってどんな犬?知っておきたい柴犬の基本情報
小さいけれど野性的な風貌の柴犬は、国の天然記念物である日本犬の中で唯一の小型犬です。
最近は日本だけでなく海外でも人気が上昇中で、SNSでは“Shiba Inu”の可愛らしい姿がたくさんシェアされていますね。
今回はそんな柴犬の基本情報をご紹介します!
歴史
柴犬は日本古来の犬のなかで最も歴史が古く、縄文、弥生時代の頃から人のそばで生きていたと考えられています。
キジやウサギなどの猟に使われてきた柴犬には、実は種類があることをご存知ですか?
地域によって古くから、主な系統が「山陰柴」「信州柴」「美濃柴」の3つあり、このうちの「信州柴」が、現在の柴犬の原型となりました。
1936年(昭和11年)には、国の天然記念物に指定されています。
明治以降、洋犬との交配や戦争、犬ジステンパーなどで、純粋な柴犬の姿が減ってしまった時期もありましたが、地道な繁殖や改良によって、現在の柴犬へと発展しました。
今では日本で飼われている日本犬の約8割が柴犬といわれ、国内の人気犬種ランキング上位の常連になっています。
大きさ
体高は、オスが約38〜41cm、メスが約35〜38cm、
体重は、オスが約9〜11kg、メスが約7〜9kg程度です。
近年、体高が30cm前後の小さな「豆柴」が人気ですが、体格が柴犬としての標準から外れているということで、ほとんどの犬種団体が公認していないのが実情です。
毛色
主な毛色は赤毛、黒毛、胡麻毛(黒胡麻、赤胡麻)の3種類で、街でよく見かける赤毛の柴犬が約8割を占め、少数ですが白毛の柴犬もいます。
胸元やお腹、足先や尾の裏側は、裏白という白毛であることがスタンダードとされています。
また、目の上にまろ眉のような白い斑点がある柴犬もいます。
体の特徴
三角形の小さな立ち耳、くるりと巻いた巻き尾、短く密生したダブルコートなど、日本犬らしい素朴な姿が印象的な柴犬。
小さいけれどバランスが良く、筋肉質で骨格もしっかりとしています。
また、同じ巻尾でも左巻きや右巻き、二重巻き、車巻きなど、微妙な違いがあったり、柴犬の顔はキツネ顔とタヌキ顔の2タイプに分けられたり、一口に柴犬といっても、それぞれに個性があって実に奥深いですね。
寿命
柴犬の寿命は12〜15年といわれていますが、20歳を超えて長生きする柴犬もちらほらいます。
性格・気質
日本犬のイメージ通り、飼い主に忠実で頭が良く、勇敢で忍耐強いのが特徴です。
反面、頑固で神経質、自立心が強いなど、初めて犬を飼う人には難しい一面も。
警戒心、縄張り意識が強く、番犬には適していますが、他人や他犬に攻撃的になる場合があるところは、注意が必要です。
家族にもあまりベタベタと甘えることはなく、基本的にクールですが、それだけに甘えられたときの喜びは大きいですね。
飼育のポイント
運動量
もともと猟犬として獲物を追い、野山を駆け回っていた柴犬は、見た目以上に体力があります。
運動不足によるストレスを避けるために、毎日1時間以上しっかりと散歩をしましょう。
しつけ
柴犬はもともと愛玩犬ではなく猟犬だということもあって、我が強くて自立心に富み、しつけや訓練が入りにくい場合が珍しくありません。
しっかりとした信頼関係を築くとともに、例えば「お座り」「伏せ」「待て」をしないと食事を与えないなど、明確なルールを設け徹底的に守らせることが重要です。
ルールが曖昧だったり、ルールに従わないことを許していると、可愛いはずの柴犬が、手に負えない犬になってしまいます。
お手入れ
柴犬は短毛ですが脱け毛の多い犬種で、冬毛から夏毛に生えかわる春の換毛期は、特に驚くほど毛が脱けます。
上毛と下毛の2重構造で、脱けた下毛を放置していると、毛玉ができて通気性が悪くなり、皮膚病を発症しやすくなるため、春の換毛期は丁寧にブラッシングをしてあげることが大切です。
また、柴犬に限らず犬には歯周病がとても多いことをご存知ですか?
犬が健康で長生きするためには、人と同じように歯磨きを毎日の習慣にしたいものです。
気をつけたい病気
皮膚病
柴犬は肌がデリケートで皮膚病が多いことで知られています。
原因はさまざまで、マラセチアなどの真菌、アレルギー、また原因不明のアトピーなどで、かゆみや赤みとともに脱毛することもしばしばです。
皮膚を清潔に保つとともに、ケージやベッドなど犬の居場所を清潔に管理し、アレルギーが疑われる場合は検査で特定したアレルゲンを遠ざけることが大切です。
特発性前庭疾患
高齢犬に多い病気で、平衡感覚がなくなり体のバランスを保てなくなる、めまい、斜頸、眼振などが起こりますが、詳しい原因は不明です。
ほとんどが一過性で、その後回復するので、症状が出たら慌てずにかかりつけの獣医師さんに相談しましょう。
認知症
特に日本犬に多いとされていますが、人間と同じように、犬も高齢化により認知機能が低下してしまいます。
トイレを失敗する、昼夜逆転する、夜鳴き、同じ場所をぐるぐると歩き回るなどの症状がみられたら、認知症かもしれません。
認知症の予防には
・お散歩での適度な刺激
・お座り、待てなどの基本的なしつけ
・オモチャで遊んで脳を活性化
・犬用サプリでDHAやEPAを摂取
・マッサージでの適度な刺激とスキンシップ
などが有効です。愛犬が認知症にならないよう、日頃からの心配りが大切ですね。
まとめ
小さいながら均整のとれた体に、日本犬らしい素朴さと野性味にあふれた風貌が魅力の柴犬。
小型犬なので飼いやすいというイメージもあって、人気が高まるのもうなずけますが、実は難しい面もあることをご紹介しました。
柴犬との暮らしを楽しむためにも、柴犬がもともと愛玩犬ではなく猟犬であったこと、運動量を必要とすることなど、犬の特性をしっかり心に留めておいてくださいね。