知っておきたいうさぎの消化管うっ滞(毛球症)と体験談
うさぎは、ストレスなどで胃腸の働きが悪くなったり、ほかの疾患によって食欲が低下したりすると、高頻度で消化管うっ滞(毛球症)を発症します。
胃腸の動きが悪くなり、餌を食べられなくなることは、命に関わる重大な異常です。
もし、うさぎに食欲の低下や便の異常が見られたらすぐに病院に連れていくことをおすすめします。
今回は、我が家で飼っているうさぎ(ぴの)が2歳のときに経験した消化管うっ滞のエピソードをご紹介します。
毛球症って?消化管うっ滞ってなに?
毛球症という症状を聞いたことはありますか?
今まで毛球症という言葉が広く使われていましたが、実は最近「毛球症」という名称は見直されており、「消化管うっ滞」という表現が主流となっているようです。
そこで、この記事ではこれから「消化管うっ滞」という表現を使っていきますね。
うさぎの消化管うっ滞とは、胃腸の動きが弱まってしまうことを意味します。
暑い・寒いといった外的なストレスや痛み、基礎疾患などにより、バランスのよい食餌がとれなくなってしまうことが、そもそもの原因と考えられています。
胃腸の動きが悪くなると、口にした自らの毛を排出できなくなり、胃に毛玉ができてしまう、そしてさらに胃腸の動きが悪くなってしまう…という悪循環に陥るのです。
ひどくなると、うさぎは食餌を食べられなくなったり、便が出なくなったりします。
うさぎにとって1日餌を食べられないことは命取りになるので早めの処置が重要です。
発覚~完治までの体験談
我が家のぴのは、2017年の7月に初めて消化管うっ滞になりました。
ここからは、そのときの様子やケアをご紹介していきます。
気づいたきっかけ
梅雨が明け真近の7月のはじめ、いつものように朝ペレットをあげました。
いつもだったら、足をダンダンならして、ペレットを要求するのですが、この日はおとなしいぴの。
しかし、私は気にも留めず、いつものようにペレットをお皿に入れて、ケージの中に置いておきました。
どのくらい時間がたったでしょうか…
普段は、あっというまに食べるペレットが残っているので、これはおかしい!と感じました。
大好きな人参を口元に近づけても、食べようとする素振りもなかったので、すぐに病院に連れていくことにしました。
治療とケア
病院に連れて行くと、「消化管うっ滞、毛球症ですね」と言われ、注射とお腹のマッサージをしてもらいました。
自宅では、パパイン酵素を食べさせること、ブラッシングをしっかりすること、さらにペレットをシリンジで強制的に食べさせるよう言われました。
パパイン酵素は毛玉を溶かす働きがあるので、胃腸の負担を和らげることができるそうです。
自宅でのケアの中で、一番大変だったのは強制給餌です。
水でふやかしたペレットをシリンジにつめ、シリンジを口にぐっと入れ、ペレットを食べさせます。
病院で教えてもらったもののうまくできず、余計なストレスを与えてしまうのでは?と不安になりつつ、私もぴのもお互いがんばりました。
マッサージと注射に4日連続で病院に通い、普段通りになるまで1週間弱かかりました。
いつものように足をダンダンさせて餌を要求してきたときは、元気になったんだね~とすごくうれしかったことを覚えています!
今気をつけていること
そんな経験をした私とぴのですが、今は季節の変わり目には普段よりも気をつけて様子を見ています。
特に暑くなっていく季節は、換毛期とも重なるので、ブラッシングをこまめにしたり、チモシーをたくさんあげたりして、元気でいられるように心がけています。
まとめ
消化管うっ滞は、うさぎの消化器疾患の中でも最も多い病態です。
それを防いであげるには、ストレスをかけないことやバランスよく餌をあげること、他の疾患に早く気づいてあげることが大切と言われています。
異常があってもなかなか訴えてくれないのがうさぎの特徴。
その分、飼い主がしっかり気づけるよう、普段からのコミュニケーションを密にするなど、健康でいられるようサポートしてあげてくださいね。