子猫のミルクボランティアさんにインタビュー!リアルな活動内容や体験談

子猫と哺乳瓶

みなさんこんにちは!
ReCheriライターchiiです(*’ω’*)

前回は「子猫のミルクボランティア」について、お仕事内容やミルクボランティアを始める方法などをご紹介しました。

今回はもう少し深掘りして、現在京都にて個人ミルクボランティア活動をされている「木村かおりさん」にインタビューを、以前お話をうかがった個人保護ボランティアの「ななまるさん」に体験談を伺いました。

実際にミルクボランティアさんがどのような活動をしておられるのか、どんなことが大変で何にやりがいを感じるのかなどをご紹介いたします!

ミルクボランティアの木村かおりさんにインタビュー

 

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ミルクボランティアを始めたきっかけは?

ミルクを飲む子猫
■木村かおりさんのInstagram

2014年6月に自宅前の道路で3匹の赤ちゃん猫を拾いました。

拾った赤ちゃん猫をインターネットの情報や動物病院のご指導のもと育てていくうちに、春先から秋にかけてあちこちで同じように赤ちゃん猫を拾って困っている人が多いという現状を知りました。

そして拾われた子猫がすべて育てられるわけではなく、やむなく保健所へ持ち込まれること、育てる職員さんの手が足りないために処分対象のほとんどは赤ちゃん猫だということも。

全国の愛護センターでミルクボランティア活動の取り組みをされていないところも多く、私の住む京都でもまだ整ってはいません。

「それならば個人で何かできることがないか」と思い立ったのが、個人でミルクボランティアを始めたきっかけです。

どのようにミルクボランティアを始めたのですか?

白猫の赤ちゃん
■2020年3月にビニール袋に入れて放棄されていた4匹のうち、最も身体が小さかった女の子「らびたん」

ミルクボランティアを本格的に始めたのは2015年からですが、始めたばかりの頃は右も左も分かりませんでした。

猫の赤ちゃんがそうそうあちこちに落ちているわけもないので、まずはSNSで産まれたばかりの子猫を保護して困っておられる方に連絡を取ったり、当時通っていた動物病院に「育てられない乳飲み子を連れた人が来院されたら連絡をもらえないか」とお伝えするところから始めました。

またSNSのハッシュタグで「#ミルクボランティア」「#ミルクボランティア募集」「#里親募集」などのワードで検索すると出会える事が多かったです。

どのように生活とボランティアの両立をしていますか?

乳飲み子と成長記録ノート
■乳飲み子と成長記録ノート:子猫のボランティアをする上で毎日成長を記録することは大変重要なことです。

保護した時から最低でも2ヶ月間は長時間の外出ができなくなりますので、3時間おきに用事を済ませる生活になります。

とは言え、子猫の体調によっては昼夜つきっきりでの生活に…子猫の入ったキャリーバッグをそばに置き、リビングのソファで細切れの睡眠をとる日が続きます。

家庭において、このように赤ちゃん猫中心の生活になってしまいます。

私も主人や3人の子供たちにはかなり負担を掛けていると思っています。

最低限の主婦業は手を抜かず、どうしても手が回らない時には謝っています。

現在仕事はしていませんが、事務の仕事をしていた頃には「昼休憩に自宅に帰り、授乳をしてまた職場へ戻る」ということもありました。

これは預かった赤ちゃんが健康であればなんとかできますが、できれば子猫からは目を離したくないので仕事との両立はかなり大変です。

職場の理解があるミルクボランティアさんの場合は、子猫を連れて出社し授乳されている方もおられます。

いざと言う時に頼れる友人や家族の協力も不可欠です。

ミルクボランティアのやりがいとは?

母猫とはぐれてか弱く儚げだった赤ちゃん猫が、生後2ヵ月になる頃にはピカピカの人懐こい子猫に成長します。

その子たちがこれから幸せな「誰かの大切な猫」に成長することが私のやりがいだと思っています。

他にもボランティアをしていますか?

私は個人で活動しているミルクボランティアですが、乳飲み子だけでなく「自力で離乳食を食べられる、生後1ヶ月程度の子猫」の一時預かりボランティアに登録しています。

京都市の場合、適応する子猫が愛護センターに来た時にお世話できない職員さんに代わって自宅でお預かりし、生後2ヶ月程度になれば愛護センターに返還して里親さんに繋げて頂きます。

京都市では約50名が子猫の一時預かりボランティアに登録されています。

目標はありますか?

ミルクボランティアだけでは殺処分を軽減できません。

家庭内における猫の終生飼育、避妊去勢手術 、完全室内飼育の徹底 、野良猫のTNR(捕まえて、避妊去勢して、元の場所に戻すこと)など…さまざまな方面からの協力が必要です。

この協力によっていつか「おうちのない猫」がいなくなり、ミルクボランティアなど必要なくなる世の中にすることが私の最終目標です。

これからミルクボランティアになろうとする方へ

「ミルクから育てた子を里親さんに譲渡する時の別れが辛い」

と、ミルクボランティアはやりたくないと思ってしまう方も大変多くおられます。

私自身も毎回その辛さと戦いながら活動をしています。

そして、どんなに手を尽くしても助けられない子猫もいます。

しかし、あなたのその辛さと、全国で処分されてしまう赤ちゃん猫の多さを考えてみてほしいのです。

目の前にいる子を助けるには、誰かが動かなくてはなりません。

目の前の小さな命に「生きるよ!」と声をかけてあげる存在になるために、どうかその一歩を踏み出してください。よろしくお願いいたします。

◆木村さんの活動はこちら!◆
Instagram:https://www.instagram.com/bunyapon0110/
YouTube:m.youtube.com/channel/UC4lz_eO7Uf-5A8zx-mBRILw

ななまるさんの初めてのミルクボランティア経験談

 

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ななまる(@nanamaru13055)がシェアした投稿

ある日、インスタにて木村かおりさんが拡散しているミルクボランティア急募の投稿を目にしました。

同じ市内での募集で、私が在宅勤務でたまたま仕事も落ち着いているタイミングだったこともあり、未経験ではありますが「お手伝いできるかも!」と思い挙手させていただきました。

保護された子猫は生後2、3日ぐらいで、へその緒がまだついていました。

体重は75グラム…想像していたよりも小さくて、手のひらに乗せても本当に持っているのか疑うほどの小ささでした。

木村さんからのアドバイス通りに、ミルクを飲む前におしっこを促す、体重を量る、記録、授乳、体重を量る、記録…の繰り返しを2時間おきに行いました。

産まれて間もないため約2時間毎の授乳ですが、飲む量が標準よりも少なくて心配しました。そのことについて木村さんから「その子の様子をみながら1時間おきにしたりと、試行錯誤しながらやってみる」というアドバイスをいただきました。

改めて母猫の偉大さに気づかされました…外での子育てなんて、本当に命がけです。

「絶対助ける!!」そう誓ってみたものの不安でいっぱいでした。

不安だったのはミルクを飲む量が少ないことだけではありませんでした。

なんと、お尻に感染症を起こしてしまったのです。

「乳飲み子は急変する」と聞いてはいましたが、これほど急にくるとは…

木村さんのアドバイス通りにすぐに動物病院へ連れていきましたが、ここまで小さすぎる子猫を診られる先生が多くないことを知りました。大きな病院に連れて行ったものの、結局感染症への処置がありませんでした。

ミルクボランティア初心者という不安や寝不足状態ということもあり、この時には自分一人では正確な判断ができなくなってしまいました。

お尻の感染症に処置がなかった不安な気持ちをインスタグラムに投稿すると、それを目にした木村さんが心配して連絡をくださって…そこからは経験豊富な木村さんにその子をお願いする事になりました。

あの時木村さんが投稿を目にして連絡をくださらなければ、子猫は間に合わなかったかもしれません。お尻の感染症だけでなく、たった2日で急激にミルクも飲まなくなり本当に危なかった。

SNSのおかげでこの子の命を繋げる事ができました。自分1人では到底無理でした。

通院時の子猫
■通院時の子猫:頼れる獣医さんを探すこともミルクボランティアをする上でとても重要です。

改めて思ったことは、

事前に「近所で確実に乳飲み子を診てくれる病院」を把握しておく事が重要だということ。

そしてこの子は氷山の一角にすぎず、毎日こうしてたくさんの命が懸命に生きようとしているということ。

この子たちを守れるのは人間の私たちしかいません。

1匹でも多く助けれる命がそこにあるなら、私にできる事をこれからもしていきたいと思いました。

まとめ

ミルクを飲む子猫

恥ずかしながら、私はななまるさんや木村さんと出会うまで「ミルクボランティア」という存在を知らずにおりました。

私自身の愛猫のうち2匹も道や車のボンネットから保護した子たちですが、2匹ともすでに乳飲み子ではありませんでした。

当たり前ですが、愛猫たちにもミルクを飲んでいた時期があるということにあらためて気付かされました。

そして、動物愛護センターに収容される猫の半数以上が子猫であるということ、1匹でも猫の命を救うためにミルクボランティアの輪が広がり始めていることを知りました。

離乳前の「乳飲み子」はとても繊細で、お世話にもほぼ付きっ切りになる必要があります。

だからこそ「ミルクボランティア」というピンポイントなボランティアの存在がいることで、救える命がぐんと増えるのです。

ひとりひとりができることを少しずつ行うことで、バトンリレーのように命fが明日に繋がっていきます。

木村さんはご自身のInstagramにて、小さくて儚げな子猫たちに「さぁ、生きるよ!」とエールを送ります。

子猫たちの写真と共に、小さな彼らの「あしたのよてい」が書かれています。

それは明日を夢見ることもできないくらい過酷な状況にある子たちや、明日を迎えることができなかった子猫たちの分の希望でもあるのでしょう。

愛猫がいま生きてここにいるという奇跡に思いを馳せながら、今もなお「ずっとのおうち」を願う猫たちにできることを私たちも探していきたいですね。