実は日本出身じゃない!?昔から愛されてきた観賞魚「金魚」の歴史と代表的な4種類を紹介!
水中で体を揺らめかせる姿が幻想的な金魚。
夏祭りの金魚すくいで、艶やかな赤色に目を奪われたという方もいますよね。
ペットとして飼う魚の中でも定番ですが、そもそも金魚がいつから飼われているのかあまり知らないかもしれません。
今回は、日本における金魚の歴史や、代表的な品種をご紹介します。
金魚が日本で愛されるようになるまで
金魚はなんとなく和のイメージがありますよね。ですが、実は中国出身の魚なんです。
始まりは今から1700年以上も前、中国で「ヒブナ」と呼ばれるフナの突然変異が発見されました。
普通フナは黒いですが、ヒブナはオレンジ色をしています。
その後変異や品種改良によって、多種多様な金魚が誕生しました。
金魚の飼育が人気になったのも中国が先で、13世紀には様々な品種の金魚が皇帝や貴族たちに愛されていたそうです。
日本にやって来たのは16世紀ですが、当時はまだ飼育が広まっていませんでした。
日本人の間で愛されるようになったのは、江戸時代の中ごろです。
呼び名は金魚ではなく「コガネウヲ」でした。
江戸時代後期になると、金魚すくいが始まります。
当時は今のように和紙のポイではなく、網を使っていたそうですよ。
1748年には、「金魚養玩草」(きんぎょそだてぐさ)という飼育本が出版されます。
今と同じく江戸時代にも、飼育の手引書があったなんてすごいですよね!
良い金魚の見分け方、繁殖方法、エサの準備、病気になった時の対処法など、金魚についての幅広い情報が書かれています。
金魚の緻密な挿絵も描かれていますよ。
18世紀から19世紀にかけて、金魚の数が増えて値段が下がり、大勢の人が金魚を飼育するようになりました。
人気の高さは、浮世絵の題材に使われていることからも分かります。
江戸時代の人も現代と同じく、金魚の美しさを愛でていたことを知ると、親近感が湧きますね。
金魚の品種
金魚の品種は100種類以上と言われています。
違う品種を交配させて、新たな金魚がどんどん生み出されました。
今回は、日本で飼育されている代表的な品種をご紹介します!
和金(ワキン)
日本に最初に持ち込まれた品種で、先祖のヒブナに近い姿をしています。
金魚すくいで用いられる金魚として定番です。
体が丈夫で育てやすいので、初めて飼う方にもおすすめ。
大きいものだと体長が30cmにもなります。
そのため、十分な飼育スペースが必要です。
成長に合わせて大きな水槽に入れたり、池で飼育したりするのが良いですね。
動きは他の金魚と比べてスピーディです。
琉金(リュウキン)
丸っこい体が可愛らしい金魚です。
尾びれは長く、水中で揺れる姿がとても綺麗ですよ。
1700年代後半に中国からやって来た品種で、琉球を経由したことから琉金と名付けられました。
丸々とした体型のため、泳ぎはあまり上手ではありません。
比較的飼育しやすい品種ですが、エサを与えすぎると「転覆病」といって、体がひっくり返ってしまうので要注意です。
琉金の中でも様々な種類の柄があり、赤と白が混じった「更紗琉金」や、赤、黒、青の3色が入った「キャリコ琉金」が人気です。
ちなみに、キャリコ琉金は琉金と三色出目金を交配させて生まれました。
出目金(デメキン)
名前の通り、目が飛び出た姿が特徴的な金魚です。
生まれた時は他と変わりませんが、3ヶ月ほど経つと目が出てきます。
もともとは中国で琉金の突然変異として見つかったのが、広まるきっかけになりました。そのため、体型は琉金に似ています。
体の色は赤や黒が定番。赤、黒、白のまだら模様が特徴の三色出目金は比較的珍しいそうです。
飼育する際の注意点として、出目金は目が傷つきやすいので、水槽内にぶつかってけがをするようなものがないかチェックすると良いですね。
オランダ獅子頭(オランダシシガシラ)
頭にある肉瘤と呼ばれる大きなコブが特徴の金魚です。琉金の突然変異から生まれました。
背びれや尾びれの流れるような美しさと、たくましさが両立した姿が魅力ですよ。
江戸時代の鎖国中に中国から持ち込まれたもので、当時の人たちは珍しいものを「オランダ物」と呼んでいたそうです。
そして肉瘤が獅子の頭のように見えることから、この名前が付きました。
色は赤や赤と白の混じったものが定番です。
個体によって色の出方が違うのが面白いですね。
体は丈夫で比較的飼いやすい品種です。
まとめ
鮮やかな色と繊細なデザインが魅力の金魚は、昔から愛されてきたのも納得の美しさです。
優雅に泳ぐ金魚を見つめたら、癒されますよね…アートアクアリウムが人気なのも頷けます。
次回は金魚の飼育方法についてご紹介します!