必要になる前から知っておきたい、愛犬の老化現象とケア方法
犬は人間のように何十年も生きられる動物ではありません。
そのため、犬の老化は人間よりも早く訪れ、一般的に7歳前後になると「シニア期」と呼ばれる時期に入ります。
現在はペットフードの品質向上や動物医療の進歩によって寿命が伸び、それに伴い高齢の犬に対する介護が必要になる事も増えてきました。
そこで今回は、犬の老化現象とそれに対するケア方法についてご紹介します。
老化現象別のケア方法
犬の老化現象の症状は急に起こるのではなく、徐々に起こっていくことなのでなかなか気付きにくいかもしれません。
ですが、愛犬が不安にならず、少しでも安心して暮らしていけるようなケアをしてあげる事が大切です。
視力が衰える
犬の視力はもともとあまり良くはなく、人間で言うとおおよそ0.2~0.3程度であると言われています。
それでも支障なく生活できているのは、嗅覚や聴覚が人間の何倍も優れているためです。
そのため、視力を失ってしまっても犬にとってあまり不都合が起こらないものなのですが、それでも物にぶつかりやすくなってしまったり、不安にかられてしまうことが考えられます。
家具の角にぶつかっても大丈夫なようにクッション材を貼ったり、家具の隙間に入り込まず、なおかつ痛みを受けないようなケージを設置してあげるようにすると良いでしょう。
また、ソファにあがるのが好きな犬にはスロープや階段のようなものを用意するのもおすすめです。
足の力が弱くなる
多くの場合、犬の脚力は後ろ足から弱まってきます。
そのため、立ち上がる事に時間がかかったり、踏ん張る事が難しくなってきます。
だからと言って動かさないままだとどんどん脚力が衰えてしまいます。
できるだけ脚力を維持できるように歩行を補助するためのハーネスを使って散歩にいくようにしましょう。
後ろ足を動かす事が難しくなった場合は車椅子を用意してあげるのもおすすめです。
車椅子を作る場合、多くは犬のサイズにあった特注品になり通信販売で購入する事ができます。
加入しているペット保険によっては補助金を出してもらえる場合があります。
また、ベッドが柔らかすぎると床ずれを起こす事が考えられるので、床ずれを起こさないようなベッドにしてあげるようにしましょう。
トイレを失敗する
視力や脚力が低下してくるとトイレの失敗をする事が増えてきます。
また、筋力が低下してきてお漏らしをする事も増えてきます。
トイレ自体を大きくしたり、犬用のオムツを付けることを考えたほうが良いでしょう。
ご飯が食べにくくなる
脚力が衰えて立って食事するのが困難になったり、飲み込む力や噛む力が衰えて来たら食事を補助してあげる必要があります。
シリンジや柔らかい食器などを使って補助します。
食事の内容も柔らかいものや飲み込みやすいスープやペースト状のものにしましょう。
認知症になる
犬も人間と同様認知症になります。
症状としては徘徊、夜鳴き、粗相などがあります。
特に夜鳴きは犬の認知症の中で代表的な症状であり、夜鳴きをするために飼い主が疲弊してしまう事がよく起こる深刻な問題のひとつです。
夜鳴き対策は昼寝をしないようにできるだけ起こして日の光を浴びさせるようにして夜ぐっすり眠れるようにするしかありません。
このような症状が起きたらできるだけ早く獣医師に相談をし、認知症を悪化させないように薬を飲ませるようにするのも手段のひとつです。
犬の介護が難しくなってきた場合
飼い主が高齢であったり、仕事などで犬の介護ケアが十分できなくなってきた場合、専門家に相談してみると良いでしょう。
近年では犬の介護が必要になる事が多くなってきた場合、全国には在宅で犬の介護ができるような人間で言う訪問介護やデイサービス、ショートステイのようなものや、老犬をより良い状況で介護ケアをしてもらえる老犬ホームなどが数多くできています。
犬にとっても飼い主さんにとっても安心して暮らせるような手段を選ぶようにしましょう。
まとめ
今はまだ介護が必要でない愛犬がいる方もこの先介護が必要になった場合、どのようなケアをするべきがぜひ頭の片隅に知識として知っておくと良いかもしれません。
また、愛犬の介護は最後まで飼い主が見るべきだとは思いますが、飼い主も愛犬も疲れきってしまっては本末転倒です。
愛犬の介護が必要になった場合、決して一人で考え込まずに獣医師や専門家に相談をして適切な介護を行えるようにしましょう。