【画像あり】「日本猫」と「雑種猫」違いは?日本猫の定義について調べてみました!
みなさんこんにちは!ReCheriライターで犬猫飼養アドバイザーのchiiです(*’ω’*)
みなさんは「日本猫」と「雑種猫」の違いに疑問を持ったことはあるでしょうか?
「日本猫」とは特定の品種ではなく、昔から日本に多く生息して自然繁殖してきた「雑種」を指します。
私は今まで、「日本猫」が何であるかについてぼんやりとしか考えたことがなく、「日本猫というからには、日本原産の猫なんでしょ?」というくらいの軽い考えでした(;’∀’)
しかし、猫の保険に加入を検討していた時に、「日本猫」と「雑種猫」との違いに疑問をもち、調べるほどにドツボにはまってしまったのです。
そもそも「日本猫」とは何なのか、調べてみるととても奥深く興味深いことが分かりました。
様々な文献やインターネット上では「諸説あり」といったものが多く、記事によっても「日本猫の定義」の見解が様々でしたので、私なりに意見をまとめて整理したいと思いました。
そこで今回は長年3匹の猫を飼っている猫大好きな私が、「日本猫」と「雑種猫」との違い、そして「日本猫」とはいったい何なのかという定義についてまとめてみたいと思います!
ペット保険加入時、猫の種類の選択肢に迷いました
ことの発端はペット保険の見積もり時。
飼っているペットの種類欄で、具体的な猫の種類を選択するところがありました。
その時に見積もりをしようとしていたのは我が家の3匹の猫たちで、それぞれの種類は「ロシアンブルー」「茶トラ」「黒猫」です。
ロシアンブルーのレディさんはペットショップで出会い迎え入れた子ですし、選択欄に「ロシアンブルー」と用意されていたので良かったのですが、困ったのは「茶トラ」のオム君と「黒猫」のネロ君です。
その選択肢には「アメリカンショートヘアー」「ペルシャ」「ロシアンブルー」のように、具体的な猫の種類の選択肢が用意されていたのですが、そこに「雑種」と「日本猫」という選択肢もありました。
「茶トラ」と「黒猫」の2匹は元野良猫で、道で拾ったり保護したりした子たちですので、それぞれの姿も踏まえて一般的に「純血」と呼ばれる猫ではないと思いました。
しかし、「日本の道で拾った子だから日本猫?でも雑種だよね…?」と、私は「日本猫」と「雑種猫」のどちらを選べばいいのか分からず、この2つの違いについて調べてみることにしたのです。
「日本猫」とは?
「日本猫」と言っても、特定の品種があるわけではありません。
日本猫の大まかな定義は「昔から日本に生息していて、日本の気候や生活に順応して変化してきた猫」です。
そもそも猫が日本に現れたのは、中国や東南アジアから来日した外国人が猫を船に乗せて持ち込んだことが始まりでした。
その猫たちは船のネズミ駆除の役割を担っていたのです。
そして、持ち込んだ猫が日本で自然に繁殖し飼育されていく中で日本の風土に適応して変化していき、今私たちが道でよく見る野良猫のような姿になっていきました。
「アメリカンショートヘア」や「ロシアンブルー」などの品種は、人間が手を加えて繁殖させ、その姿を一定に保つようにしてきたいわゆる「純血種」です。
一方の「日本猫」は特徴として「人間が手を加えず、自然繁殖していったもの」という繁殖の違いがあります。
ですので、一般的に見られる野良猫に様々な毛色や模様の子がいるのは、昔外国から持ち込まれた猫が自然と繁殖してきたからなのです。
このことから、「日本猫」とは「日本に多く生息して、よく見られる雑種の猫」と言えます。
「雑種猫」とは?
「雑種」とは、違う品種の親の組み合わせで繁殖した混血種のことです。
雑種は英語で「MIX(ミックス)」と言うのも、品種の違うもの同士を「混ぜて」組み合わせたという意味になるからです。
例えば「ロシアンブルー」と「ロシアンブルー」の親の組み合わせで生まれた子は「ロシアンブルー」という純血の猫です。
しかし、「ロシアンブルー」と「アメリカンショートヘアー」の親の組み合わせで生まれた子は「雑種(ミックス)」となります。
「雑種」とは純血同士以外の組み合わせで生まれた子のことを指しますので、
「純血×雑種」
「雑種×雑種」
「純血A×純血B(違う品種の組み合わせ)」
という3パターンがあります。
ですので、もし飼っている猫が「純血種A×純血種A(同じ品種)」で生まれた子以外はすべて「雑種」となります。
このことから、「日本猫」と呼ばれる猫は「雑種」の中の1つのくくりと言えます。
では、「日本猫」と「雑種」の具体的な違いはあるのでしょうか?
次に、どういった雑種の猫が「日本猫」と呼ばれるのかを見てみましょう。
「日本猫」に分類される猫の種類
「日本猫は雑種である」と先ほど申しましたが、「雑種」という大きなくくりの中で「日本猫」に分類される猫は毛色と柄に4つの特徴と毛色ごとの呼び名があります。
人間が手を加えず自然に繁殖してきたのですが、その過程で毛色や柄が数種類に定着していったのです。
一方、下記にあてはまらない「ロシアンブルー×ペルシャ猫」の組み合わせは「雑種」ではあるものの「日本猫」ではないということになります。
「日本猫」とされる代表的な特徴4つと毛柄ごとの呼び名をまとめてみました。
日本猫の4つの特徴と呼び名
下記が代表的な日本猫の毛色の特徴です。これらの特徴がみられる猫は「日本猫」の分類に入ります。
これらの特徴を持つ猫は、日本だけではなく海外にも生息しています。
例えば茶トラは英語で「マーマレードキャット」や「ジンジャーキャット」、キジトラは「ブラウンタビー」と呼ばれ、飼っている方もとても多いです。
日本猫の柄・模様 ①単色(ソリッド)
全身に単色の被毛をもつ猫たちです。
黒猫、白猫、またはグレーの猫たちがこのグループに入ります。
黒猫では茶色味を感じたり、縞模様がうっすら見えることもあります。
日本猫の柄・模様 ②縞模様(タビー)
シマ模様の入った猫は、トラ柄に見えることから「〇〇トラ」と呼ばれます。
キジトラは、ベージュやオレンジ色にシマ模様が入った猫です。
サバトラはグレーにシマ模様で、確かに魚のサバの模様に似ていますね。
茶トラ・茶白は、オレンジ味の茶色(白の部分があることも)にシマ模様の猫です。
いずれも日本猫ではとても一般的な柄です。
日本猫の柄・模様 ③2色(バイカラー)
2色の被毛の猫のバリエーションも様々あります。
黒と茶色やオレンジ色がランダムに混じり、マーブル模様を描く猫が、サビ猫です。
ブチ猫は、牛柄のように白地に黒~茶色の丸模様がある猫のことで、丸模様は背中側にあるのが一般的です。
ハチワレ猫は、白地にセンター分け前髪のような黒模様があります。
日本猫の柄・模様 ④3色(キャリコ)
3色の被毛をもつ猫といえば、三毛猫でしょう。
茶、黒、白の三色で、「3つの毛の猫→ミケ猫」となったようです。
色の濃さや柄もさまざまで、パステルカラーで3色の子もいます。
純粋な「日本猫」は減少している
戦後に外国の純血種の猫がたくさん輸入されたことにより、「純血種×日本猫」の組み合わせの野良猫が増えてしまいました。
ひと昔前は今ほど野良猫に対する保護意識が低かったことも要因の一つです。
ですので、その子の祖先をたどるとどこかの段階で純血の猫が混ざっている可能性もあります。
猫はよく隔世遺伝(世代を飛ばして特徴が遺伝すること)が見られますので、ひょんなことで純血種の特徴が見られる子が産まれることもあります。
例えば、日本猫とアメリカンショートヘアーがどこかの世代で混じっている可能性もありますが、サバトラと毛色が似ているために気付いていないのかもしれません。
このように、昔の「日本猫」と現在の「日本猫」とは厳密に言うと少し違うのです。
「ジャパニーズ・ボブテイル」は海外で生まれた?!
「ジャパニーズ・ボブテイル」という品種の猫がいます。
「ジャパニーズ」と付く名前から日本の品種のようですが、この品種が確立したのはなんとアメリカなのです。
「ジャパニーズ・ボブテイル」は直訳すると「日本の短いシッポ」です。
その名の通り、「ジャパニーズ・ボブテイル」の最大の特徴は、シッポが短くクルンと丸まっているところです。
日本猫には毛色の特徴の他に「シッポが短い子・シッポが曲がった子が多い」という特徴がありますが、これには日本人の文化や思想に根付いた理由があります。
江戸時代、人々は「猫が長生きすると猫又(猫の妖怪)になる」と信じていました。
猫又になるとシッポが二股に分かれて2本になるとされていたため、「シッポが短い子」「シッポが曲がった子(カギしっぽ)」は猫又にならないと思われて人気になりました。
そのため、シッポが短い子やシッポが曲がった子が多く繁殖していきました。
一方、海外ではシッポが短い猫は大変珍しく、その姿を見たとあるアメリカ人がクルンとしたそのシッポに魅了されました。
そして、そのアメリカ人がシッポの短いオスとメスの猫を自国に連れて帰り、シッポの短さを継承させつつ繁殖させていったのが「ジャパニーズ・ボブテイル」の始まりです。
そして現在では「ジャパニーズ・ボブテイル」は正式な品種として認められています。
短いシッポを作る遺伝子は劣性遺伝子なので、両方の親が短いシッポを作る遺伝子を持っていなければ継承されにくいのです。
そのアメリカ人はシッポが短いオスとメスを連れて帰ったため、ジャパニーズ・ボブテイルとして繁殖させることができたのです。
シッポが短いことが日本猫の定義ではない
「日本猫」は日本で自然に繁殖していったため、シッポが短い子もいれば長い子もいます。
そのため、「シッポが短い=日本猫」とは言えず、あくまで特徴の一種です。
しかし、シッポが短くクルンとしている猫が日本猫のイメージであると思う海外の方もいるかもしれません。
そのくらい、短いシッポは海外の方から見るとユニークなのでしょう。
まさか江戸時代に短いシッポの猫は猫又にならないから人気であったとは思いもよらないでしょうね(/ω\)
ちなみに、シッポが短い猫の品種には「ジャパニーズ・ボブテイル」の他にもアメリカの「アメリカン・ボブテイル」やロシアの「クリルアイランド・ボブテイル」などが存在します。
これらは突然変異してシッポが短く生まれた子を交配させて作られた品種と言われています。
「アメリカン・ボブテイル」に関しては「ジャパニーズ・ボブテイル」が混ざっているという説もあるものの、現在はこの2つの品種は異なるものと決められています。
まとめ
「日本猫とは何か」について調べていくと意外にも奥深く、大変興味深いものでした。
しかし私の頭がこんがらがっちゃうので、最後に簡潔にまとめたいと思います!
・「日本猫」とは特定の品種ではなく、昔から日本に多く生息して自然繁殖してきた「雑種」である
・「雑種」とは違う品種で掛け合わせたものの総称で、「純血×雑種」「雑種×雑種」「純血A×純血B」の3つの組み合わせがある。
・「日本猫」は「雑種×雑種」にあたるが、戦後に外国の純血種との交配が多くあったため、どこかで純血種が混ざっているかもしれない
・「日本猫」の毛色や柄に4つの特徴があり、毛色ごとに呼び名がある。しかしこれらの猫は海外にも生息している
・「日本猫」にはシッポが短い子が多いが、シッポが長い日本猫も存在する
・「ジャパニーズ・ボブテイル」はアメリカで生まれた、認定された品種である
結果的に、我が家の「茶トラ」と「黒猫」は「日本猫」で良いということですね!
なんだか頭がスッキリしました(´Д`)
そして、猫と人間の歴史は切っても切れないということも今回わかりました。
これからも、人間と猫が仲良く共存していきたいですね。
みなさんもぜひ、「日本猫」に思いを馳せて野良猫や地域猫を観察してみてくださいね★
公開日:2019/06/04 最終更新日:2021/07/16