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黒猫に授けられる幸福の印!「エンジェルマーク」と動物の毛色の秘密について

みなさまこんにちは!
ReCheriライターchiiです(^^)

我が家の黒猫ネロ君は、鼻やおヒゲまで全身真っ黒のカラーをしています。

黒猫は厳密に言うと「真っ黒」ではなく、光に透けると茶色やグレーのような色味を感じる毛をしています。

しかしある日、ネロ君のお腹のある一部分に真っ白の毛が生えていることを発見しました(‘Д’)!

光に透けると、というレベルではなく、本当に真っ白なのです。


■黒猫ネロ君のお腹。一部分に真っ白の毛が!

そのことに気が付いた時、私は茶トラのオム君も同じようにひっくり返して確認してみると、やはりピンポイントで白い毛のゾーンがありました。


■茶トラのオム君のお腹にも白い毛が!

「もしかして、何か理由があるのでは?!」

私はいつものようにGoogleで検索の鬼と化しました。

調べてみると、どうやら黒猫に一部分だけ生える白い毛のことを「エンジェルマーク」と呼ぶことが分かりました。

そして黒猫だけではなく、多くの動物のお腹の毛は体に比べて白っぽいということもわかりました。この理由は動物の毛色が付いていくシステムに関係があり、しかも身を守るための工夫であるとのこと!

今回は猫の「エンジェルマーク」について、そして「なぜ動物のお腹の毛は体に比べて白っぽくなるのか」についてご紹介したいと思います(*^▽^*)

「エンジェルマーク」とは?

黒猫の中には、胸やお腹などある一部分に白い毛が生えている子がいます。

そして、その白い毛はまばらに生えているわけではなく「ペンキか何かが付いちゃったのかな?」と思うくらいの、コイン大のごく小さな範囲に密集して生えていることがあります。

この白い部分は、ヨーロッパでは「エンジェルマーク」と呼ばれています。

上の写真の子のように、くっきりとコイン大の白い部分があるのが「エンジェルマーク」です。

ですので、お腹にフサッと生えている程度のネロ君のものは、エンジェルマークとは言えなさそうですね(;’∀’)

「エンジェル」といえば天使です。なんだか幸せな雰囲気の名前ですね!

なぜ黒猫の白い毛にだけ「エンジェルマーク」という名が付いているのでしょうか?

これには中世ヨーロッパで巻き起こった「魔女狩り」と関係がありました。

魔女狩りと黒猫

「魔女狩り」って何?

「魔女狩り」とは、中世ヨーロッパで起こった迫害のことです。

「魔女」という名前ですが、女性だけではなく男性も被害に合いました。

中世ヨーロッパでは「妖術のような力を使って誰かを傷付ける人がいる」と信じられていました。

その時代では疫病が流行っていたのですが、それも妖術のせいだとされてしまったのです。

そしてこの妖術は悪魔の力を借りているとされ、キリスト教の信仰の元にあった中世ヨーロッパでは敵とみなされていました。

中世より前、古代都市であった頃の文献に「毒や妖術などで国家や他人に危害を加えるものは死刑」というような掟があったことから、中世ヨーロッパでも同じような掟があったと推測されています。

そうして、魔女であると疑いをかけられた多くの人々が次々と処刑されてしまいました。

これが「魔女狩り」のおおまかな流れです。

魔女の使い魔とされた黒猫も巻き添えに

「魔女の宅急便」の主人公キキと黒猫ジジのように、現在でも魔女と黒猫はセットであるイメージが強いですよね。

中世ヨーロッパでも黒猫は魔女の使い魔であるとされていました。

そもそも、猫という生き物自体が邪悪な存在とされていたため、猫を飼っている人はもれなく「悪魔崇拝主義の者」「魔女である証拠」とされていました。

神秘的で大きな瞳にミステリアスな雰囲気が猫の魅力なのですが、このイメージだけで差別や迫害につながるとは悲しいことですね…。

ですので、魔女狩りの処刑の際にはもれなく黒猫も殺されてしまったのです!ひどい!

黒猫であっても、胸やお腹などに一部分だけ白い毛が生えている子はなんと「白い部分があるから魔女の使い魔ではない」とされ、処刑の対象外になっていたのです!

しかも、黒猫のこの白い毛の部分は「天使が触れた痕」「幸せを呼ぶ猫の印」と信じられていたので「エンジェルマーク」と呼ばれていました。

少し強引なヘリクツとも感じますが、こうして白い毛の部分を持つ黒猫は魔女狩りの迫害から逃れることができました。

動物のお腹の毛が白っぽい理由

我が家には黒猫ネロ君のほか、茶トラオム君とロシアンブルーのレディさん、そしてミニチュアダックスのウーノちゃんがいます。

ネロ君に限らず、みんなお腹の毛は頭や体に比べて白っぽい(色が薄い)と気が付きました。

上の写真はミニチュアダックスのウーノちゃんです。ウーノちゃんが一番、体とお腹のコントラストがはっきりとしています。

一方、ロシアンブルーのレディさんのお腹は白くないのでわかり辛いのですが、シッポと足を比べるとシッポの方が濃い色をしています。

調べてみると、これには理由がありました。

お腹が白いのはカモフラージュのため説

犬や猫をはじめ、多くの動物のお腹は体に比べて白っぽい毛色をしています。

それは、光を使ってのカモフラージュの役割を担っているためと言われています。

太陽の元で猫が立っているところを想像してみてください。頭と背中、そしてシッポは太陽に当たりやすく、お腹は太陽が最も当たりにくいということが分かります。

四つ足で歩く動物は、太陽の光を背中で受けます。この時、光に当たっている背中は光を反射して白く明るく見え、逆にお腹は体の陰になるので暗く見えます。

反対に頭と背中とシッポを暗くしっかり毛色を付け、お腹を明るく(白く)することで太陽光の反射の作用を打ち消すことができます。

こうすることで背中とお腹の陰影が均等になり、体の輪郭がぼんやりして立体的に見えにくくなります。

この色の工夫で他の動物に見つかりにくくなり、食べられる側の動物は身を守り、食べる側の動物は獲物に気付かれにくくなるという効果があるのです。

猫は頭とシッポから先に色が付いていく

猫の毛色の法則に「頭に色や柄がある=シッポにも色や柄が付く」というものがあります。

これは、猫の毛色は頭とシッポから順に付き、その次に背中、最後にお腹といった順になっているためと言われています。

上は私の実家の猫の写真ですが、やはり頭の柄の色とシッポの色は同じくらい濃い色が見られます。

足はそれよりも薄い色のシマ模様で、体やお腹は白です。

これも先ほどの、太陽光からのカモフラージュの役割を果たすことの理に叶っていますね(^^♪

我が家の茶トラのオム君は背骨に沿った部分が一番濃い茶色で、お腹に行くにつれて薄い黄色になっています。

森林で生きる動物はお腹が黒い

例えば、レッサーパンダのお腹は白ではなく黒く、体よりも濃い色をしています。


■レッサーパンダのお腹は色が暗い!

木が覆い茂る森林やジャングルでは太陽の光が届きにくいので、そこで生きる動物はできるだけ暗い色で、木や土に紛れる色をしていた方が都合が良いのです。逆に、耳や顔が白いのは仲間の顔を見分けるためだそうです。

腹黒いなんて言わないでね!(笑)

まとめ

なにかと不吉な象徴にされがちな黒猫ですが、「エンジェルマーク」がある黒猫は魔女狩りから逃れることができたとは驚きですね!

みなさんのお近くの黒猫ちゃんにも「エンジェルマーク」があるでしょうか?

黒猫ではないのですが、我が家の茶トラのオム君のお腹にもバッチリと「エンジェルマーク」がありました★

また、猫をはじめとする多くの動物のお腹はカモフラージュのために白っぽいことがわかりました。

鳥類は目が良い種が多いですが、その他の動物の視力はそんなに良くないこともあり、色の効果を上手く使ってしたたかに生きているのだなと思うと悠久のロマンを感じます!

みなさんもぜひ、お近くのワンコやニャンコ、そしていろいろな動物の毛色を観察してみてください★