「うんち食べないで!」愛犬の食糞をやめさせる12の方法
「可愛い愛犬が、突然自分のうんちを食べはじめた!」
初めて犬の食糞を見た人は、思わず大声をあげてしまうほど驚いてしまうでしょう。
犬にとって、食糞は人間が思うほど特別なことではありません。しかし、愛犬がうんちを食べる姿を黙って見ているわけにもいきませんよね。
今回は、犬が食糞をする理由と対処法をご紹介します。できる限り犬のストレスにならない方法で食糞をストップしてもらい、お互いに穏やかな気持ちで生活を送りましょう。
犬が食糞をする理由は?
興味・好奇心
特に子犬の頃は、目に映るものすべてに好奇心を抱きます。
自分が出したうんちさえも「これは何だろう?変な臭いがする」と思っている間に、ついつい口に入れてしまいます。
気になるものを口に入れて確かめてしまうのは、子犬によくある習性です。
退屈している
人間も退屈を感じると、目の前にあるものを触ったり転がしたりして手遊びをすることがあるでしょう。
犬も退屈になると、うんちをおもちゃ代わりにして触ることがあります。
変な臭い・ふしぎな感触のうんちに犬の好奇心がくすぐられ、退屈しのぎに口の中に入れて食べてしまいます。
飼い主の気を引こうとしている
食糞をすることで飼い主が構ってくれることを覚えた犬は、飼い主の気を引くためにわざと食糞をする傾向があります。
たとえ構われ方が「叱責」だったとしても、無視をされるよりは「自分に注目してくれている」と感じて嬉しいのです。
そのため、わざと飼い主の目の前にうんちを持ってきてから食べる子もいます。
うんちを片付けたい
過去にうんちを食べて飼い主に怒られた犬は、「うんちを出すのは悪いことなんだ」と勘違いしてしまうことがあります。
するとうんちをした後に「うんちを隠さなきゃ」と感じ、食糞をすることで証拠をなくそうとします。
また、綺麗好きな犬の場合は、排泄物が近くにあるのが嫌で、食糞をすることで綺麗な状態に戻そうとすることもあるでしょう。
空腹状態が続いている
極度な空腹状態が続いていると、うんちを食事代わりにすることがあります。
特に消化器官が弱っているときには、フードを消化しきれずうんちとして排泄します。フードの匂いがすることで、抵抗なく食べてしまうのでしょう。
食事と勘違いしている
消化器官が弱っているときだけではなく、香りの強いフードを与えている場合もうんちに「ごはんの香り」が強く付着します。
うんちの香りを嗅いだ犬は「これもごはんなのかな?」と勘違いして、食事をする感覚でうんちを食べてしまうのです。
母犬の真似をしている
生まれたての子犬は上手に排泄ができないため、お母さんが肛門付近を舐めてうながしてあげる習性があります。
そんな母犬の姿を見て、真似をするつもりでうんちを食べてしまう子もいます。
子犬の頃の癖が抜けない
子犬の頃に食糞の癖が付いたまましつけをされずに成長した犬も、食糞をすることがあります。
特に飼い主さんが「大きくなれば食糞も卒業するだろう」と放置した場合、犬は食糞が悪いことだと知る機会がないまま成長してしまいます。
犬にとってうんちは「汚いもの」ではない
人間からすると、食糞は「汚い行為・非常識な行為」として忌避するものかもしれません。
しかし、犬にとって食糞は特別なものではありません。日常の延長にある「ついやってしまう行為」でしかないのです。
そもそも犬は、うんちを「汚い」とは思っていません。
とはいえ、食糞の習慣をそのままにしていると、散歩中に他の犬のうんちを食べてしまう可能性もあります。感染症のリスクがあり、健康被害が心配です。
何より、愛犬がうんちを食べている姿を見た飼い主さんは、穏やかではいられませんよね。
犬と人がお互いに気持ちよく安全に過ごすためにも、早い段階で食糞をやめさせるためのしつけは必要です。今からでも間に合いますので、愛犬に合った方法で食糞を卒業してもらいましょう。
犬の食糞をやめさせる12の方法
基本は「食べる前に叱る」
食糞をやめさせるためのしつけは、「うんちを食べさせないこと」が基本です。
食糞をした後に叱っても、犬は自分がなぜ怒られているのか理解できません。場合によっては、うんちをしたこと自体を怒られていると勘違いしてしまうこともあります。
「犬が食糞をしようとした瞬間を見計らって叱る」を習慣づけてください。
十分に構ってあげる
飼い主の気を引くために食糞をする犬の場合は、普段からたくさん構ってあげてください。
膝の上に乗せて撫でてあげるだけでも、愛犬にとっては嬉しく幸せな時間になります。
ストレスを発散させる
イライラがたまっているときにも、食糞をする傾向があります。
愛情不足なのかもしれませんし、あるいは必要な運動量が足りていないのかもしれません。
室内で十分な運動量を確保できる小型犬であっても、気分転換のために散歩に連れていってあげましょう。また、室内でもできる投げ運動や引き運動などで心身をリフレッシュさせてあげてください。
静かに黙って片付ける
犬が食糞をしたときに大騒ぎをすると、犬にとっては「飼い主さんが楽しそう!」と勘違いしてしまうことがあります。
食糞の現場を発見しても大声を出さずに、静かにうんちを片付けましょう。
「食糞をしても構ってもらえるわけではない」と覚えてもらうことが大切です。
うんちに苦いスプレーをかける
うんちをしてもあえてすぐに片付けず、ペットの誤飲・いたずら防止用の苦いスプレーをかける方法もおすすめです。
舐めると舌がピリピリするほどの苦みを感じますが、自然由来の材料でできているため口に入っても安全です。
「うんちは美味しくない」と覚えてもらうことで食糞をやめさせられます。
うんちから興味を逸らさせる
排せつをしたら、うんちに興味を持つ前に声をかけて意識を逸らせましょう。
お気に入りのおもちゃやおやつで気を引けば、うんちの存在をすぐに忘れるはずです。
正しい場所でうんちができたらおやつをあげてトイレから意識を離す方法を繰りかえせば、トイレトレーニングとも併用できます。
呼んだら来るようにしつける
普段から「おいで」や「こい」と声をかけたらすぐに来るようにしつけましょう。
うんちに興味を持っていても飼い主さんの一声で止められれば、食糞を未然に防げます。
呼びかけのしつけは、食糞以外にも誤飲防止や散歩中・緊急事態でも使えるため、早いうちから始めるとよいでしょう。
退屈なときに気が紛れるものを用意する
退屈しのぎに食糞をしてしまう犬の場合は、一匹でも気が紛れるようなおもちゃやおやつを用意してあげてください。
特に留守番や飼い主の在宅ワークなどで放置される時間が長い場合は、ガムや鹿の角など長く遊べるおやつがおすすめです。
うんち以外に楽しめるものをいくつか揃えておきましょう。
犬の生活空間とトイレの距離を取る
綺麗好きのため生活空間にうんちが落ちていると食べて隠そうとする犬の場合は、できるだけ生活空間とトイレの距離を離し、普段の生活をしているときにはうんちが目に入らないようにしてください。
うんちをしたらすぐに片付けることも大切です。
適切な回数の食事を与える
極度な空腹状態から食糞をする犬の場合は、与えている食事の回数や量は正しいか、今一度見直しましょう。
特にダイエット中の犬は満足感が足りずに食糞をしてしまうことがあります。
家族とのコミュニケーションも取り、あげ忘れや量の間違いがないか確認してください。
香りの弱いドッグフードに変える
香りが強いドッグフードを与えている場合は、香りが控えめのフードに少しずつ切りかえてみましょう。
消化不良の可能性を疑い動物病院を受診する
うんちにフードの形や香りが残ってしまっていることが食糞の原因である場合は、消化器官にトラブルがあり消化不良に陥っている可能性があります。
不安であれば一度動物病院を受診し、内臓のチェックをしてもらいましょう。
食糞のしつけでやってはいけないこと
食べおわった後に叱る
食糞対策のしつけでは、食べおわった後に叱ってはいけません。特に、いつ食べたのかわからない食糞は絶対に叱らないようにしましょう。
犬が「何を怒られているのか」をハッキリと認識できるように、うんちを食べようとしているタイミングで叱るのが適切です。
うんちの取り合いをする
犬が食糞をしそうなタイミングで、慌ててうんちを片付けることもおすすめしません。
犬とうんちの取り合いになってしまうと、「うんちを使って遊んでいる」と勘違いされる可能性があるためです。
取り合いになりそうになっても、迅速に静かに片付けて「うんちは楽しいものではない」と覚えてもらいましょう。
大袈裟に騒ぐ
「こら!」「だめ!」と大声で言ったり、慌てて走りながら駆けよったりするのもいけません。
犬は飼い主さんが「大きな声で近づいてきたこと」しか認識できないため、遊んでくれるのではと思ってしまう可能性があります。
また、飼い主さんが大きな声で喜んでいると思ってしまう場合もあります。
一見すると冷たく感じる程度の「無反応」が食糞のしつけのコツです。
必要以上に厳しく叱る
いけないことをしそうなタイミングで止めるしつけは大切ですが、体罰を伴うような厳しいしつけはいけません。
食糞に関連する行為(排せつすること、おもちゃを咥えること、食事をすることなど)自体を怖がり、健康的な生活や円滑なコミュニケーションが取りづらくなる可能性があります。
必要な範囲で厳しいしつけを行い、学習してもらいましょう。
まとめ
今回は、犬が食糞をする理由や対処法をご紹介しました。
犬は「食糞がいけないこと」を理解していません。
食糞をやめてもらうのは、あくまで飼い主さん側の意思です。そのため、食糞対策のしつけには正しいコミュニケーションと信頼関係が必要になります。
おもちゃやおやつも利用しながら、楽しくしつけを進めるよう心がけてくださいね。
また、食糞をきっかけに犬の心身の不調に気づく可能性もあります。
厳しく叱るだけではなく、飼い主さんも「なぜ愛犬が食糞をするのか」を考え、根本的な問題解決を目指しましょう。