猫エイズのキャリア猫、メイちゃんと暮らして
みなさんはもし猫を飼うならどんな子がいいですか?
おとなしい子、長毛種、三毛猫・・・
恐らく「健康な猫」を前提として種類や性格を考えるのではないでしょうか。
2年前ひょんなことからキャリア猫のメイちゃんが家族の一員に加わりました。
メイちゃんはわたしたち家族にたくさんの「幸せになるヒント」を教えてくれました。
今回はその一部をお伝えできればと思います!
キャリア猫って?
わたしはメイちゃんに出会うまでキャリア猫や猫エイズについてほとんど無知でした。
キャリア猫とは、いわゆる猫エイズに感染しているけれど発症していない状態の猫のことです。
見た目は普通の健康な猫と同じように元気です。
発症すると少しの病気でも重症化しますが、一生発症しない子もいます。
メイちゃんも今年2歳のお誕生日を迎えましたが、幸い未発症。風邪ひとつ引かず家族の中で一番元気です!
しかし、キャリア猫は敬遠されがちなため譲渡される機会が少ないのが現実です。
「短命」「特別なケアが必要」「必ず発症する」「人間に感染する」そんなイメージがつきまとうからです・・・
まず感染ですが、猫エイズは絶対に人間に感染しません。
特別なケアも必要ないので普通の猫と同じようにお世話をすれば大丈夫です。
発症しないまま天寿を全うする子も多いので、個体によってはご長寿も!
わたしたちがキャリア猫に抱く不安は、案外あいまいな情報や知識によるものかもしれません。
正しい理解が多くのキャリア猫譲渡につながると信じています!
キャリア猫も幸せに!
メイちゃんがエイズと知った当初、正直わたしはかなり戸惑いました。
もちろんメイちゃんには家で幸せになってほしい気持ちはありましたが、「エイズ=不治の病」のイメージから不安や悲しみが大きかったのです。
「ずっと元気じゃないかもしれないし、すぐ死んじゃうかも・・・」
大切なペットの健康と長生きを願う気持ちは当たり前だと思います。
しかしわたしは最初から、まるで家電を買う時のように「長持ちするか」「丈夫でちゃんと動くか」を基準にして猫を見ていたのかもしれません。
猫好きを自負していたにも関わらず、猫をモノとして見ていた自分にとてもショックでした。
例えばわたしたちが家電を買う時、人間は家電に便利さや快適さを提供してもらう立場なので当然質で選びます。
でもペットの場合はどうでしょうか?
「なるべく長い時間楽しませてほしい!」と一方的に与えらえる立場に立ってペットを質で選ぶのは違うように感じます。
なぜなら、飼い主もペットに幸せを与えてもらう資格があると思うからです。
わたしは、恵まれない猫に家族のぬくもりを知ってほしいから保護猫を飼うという選択をしたはずです。
メイちゃんの存在はわたしに保護猫を飼うことの意味を改めて気づかせてくれました。
ご縁があったからには、キャリア猫であろうとこれからは家族の一員として幸せになってほしい!
そう心から思いました。
メイちゃんとの優しい時間
もしもメイちゃんが短命だとしたら、いっしょにいる時間をもっと大切に過ごしたいと思いました。
幸せな時間とは、長さでなく質なのかもしれません。
質と言っても何か特別なことをする必要はなく、ただ心がポカポカする瞬間があればいい時間が過ごせていると思います。
メイちゃんを撫でながらそんな風に感じました。
ハンディキャップもまた個性
メイちゃんはキャリア猫なので「ハンディキャップがある猫」です。
世間一般に言う「ハンディキャップがある」とは一体何でしょうか?
メイちゃんを飼ってふと考えさせられました。
辞書には「不利な条件、またそれによって生じる不利益」とあります。
これをハンディキャップと言うならば、誰もがみんなハンディキャップを持っているのかもしれません。
例えエイズのように病名がつかなくても、みんなが大なり小なり「不利な条件」を抱えながら共存していると思うのです。
(例えば潔癖症の人にとってバスや電車のつり革はばバイ菌の塊。どんな混雑時でも触れないらしいです!)
ハンディキャップと言わることも実は個性のひとつなのかもしれません。
人も猫もみんなそれぞれ違う個性を持った同じ命。
ともに生きていこうとメイちゃんが教えてくれた気がします。
知ってみよう!会ってみよう!
最近では「りんご猫」なんて言うキャリア猫のかわいらしい呼び名もあるようです。
偏見をなくす目的で付けられたこの呼び名がもっともっと世の中に広まればよいですよね!
そんなりんご猫たちが働く本屋さんが東京都世田谷区にあると聞きました。
店名は「Cat’s Meow Books」
店員も猫さんならば、置いてある本も全て猫関係のもの。
猫好きならばついつい手にとってしまう本ばかりです。
■みんなとっても働き者!
生き生きと働く猫店員さんを見れば、きっとキャリア猫に対するみなさんのイメージがさらに変わると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回の記事を通して、キャリア猫が少し身近な存在に感じられたかと思います。
もしみなさんが保護猫を飼う時、選択肢の中にキャリア猫も加えていただけたら幸いです。
一匹でも多くのキャリア猫が家族に迎えられることを願っています!