【ペットショップ店員が解説】フェレットってどんな種類があるの?それぞれの違いと飼い方は?
フェレットは、人懐こいイタチ科の動物です。飼ってみたい方も多いのではないでしょうか?
実は、フェレットにはファーム(繁殖場)やカラーによってたくさんの種類があり、それぞれ少しずつ特徴が異なります。
そこで今回は、フェレットの種類と違いについてまとめました。
お迎えしたいと思えるフェレットの種類を探してみてくださいね。
フェレットってどんな生き物?
フェレットの基礎知識
フェレットは、イタチ科の哺乳類です。
一日20時間ほど眠り、飼い主の生活リズムに合わせて起きます。
睡眠時間が長いため、日中家を空けることが多い一人暮らしの方におすすめのペットです。
フェレットは肉食性で、専用フードが販売されています。フェレットフードをメインに与え、おやつとしてフェレット用のジャーキーなどを与えるのがおすすめです。
また、独特の体臭があるイメージが強いですが、定期的なシャンプーによって軽減できますよ。
フェレットの歴史
フェレットは、ヨーロッパでは昔から狩りのお供として人間に飼われていました。
細長い体を活かし、げっ歯類やうさぎなどの小動物を巣から追い出す役割を担っていたそうです。
その後、北米を中心にペットとしてのフェレットを繁殖させる「ファーム」が世界中に設立されました。
ファームには「マーシャルファーム」や「パスバレーファーム」などがあり、ファーム名がそのままフェレットの品種名になっています。
日本に初めて輸入されたフェレットはマーシャルファームのフェレットであり、それからペットとして普及し始めました。
現在、野生のフェレットは存在しておらず、世界中のすべてのフェレットがファーム出身です。
フェレットの寿命
フェレットの寿命は、平均5~8年と言われています。
フェレットは4歳あたりからシニア期に入り、老化が進みます。
シニア期は「インスリノーマ」「リンパ腫」「副腎腫瘍」の3つの病気にかかりやすく、多くのフェレットがこれらの病気によって亡くなっています。
これらの病気は治療代が高額になることが多いため、フェレットをお迎えすると同時にペット保険への加入も検討しましょう。
保険会社が動物病院での診療費の何割かを負担してくれるため、病院にかかる際の金額的・精神的負担が軽くなりますよ。
フェレットの性格、特徴
フェレットはとても好奇心旺盛で、人懐こい性格をしています。
「まるで一生子猫のようである」と表現されるほどです。
ペットショップで働いていても、初対面からの人懐こさは動物の中で断トツだと感じますよ!
会ったその日から腕の中に飛び込んできてくれるところが、とても可愛いです。
飼育中にコミュニケーションをとることで、ある程度のしつけもできるようになる賢い動物です。
また、鳴き声がほとんどありません。
たまにクゥーンという声や、驚いたときにキャン!という声をあげることもありますが、基本的には鳴きません。
マンションのような集合住宅でも飼いやすいと言えるでしょう。
人懐こい犬や猫を飼いたいけれど留守番や鳴き声の問題で諦めているという方は、ぜひフェレットも検討してみてくださいね。
フェレットの種類~ファーム別~
マーシャルフェレット
日本では一番流通量が多い種類です。
少し小柄で、胴体が細いという特徴があります。
マーシャルフェレットはすべての個体が日本に輸入される時点で避妊・去勢と臭腺除去の手術を終えており、その証明として右耳に2つの青い印がつけられています。
また、すべての個体の背中にマイクロチップが埋め込まれているのも特徴です。
ファーム設立時から80年以上、繁殖に温和な性格の個体を選び続けているため、遺伝的に穏やかな性格の個体が多いと言われています。
フェレット初心者さんにおすすめの種類ですよ。
パスバレーフェレット
マーシャルフェレットに比べ、顔が丸く体つきが大きめです。
また、体が丈夫な子が多いと言われています。
カラーバリエーションが一番豊富で、世界中にファンがたくさんいる種類です。
日本での流通量は多くありませんが、世界的にはペット用フェレットのファームの中で最大規模となっています。
マーシャルフェレットほどではありませんが、噛み癖が少なくおとなしい子が多いため、比較的飼いやすい種類でしょう。
カナディアンフェレット
パスバレーフェレットよりもさらに一回り大きい体格をしています。
体が筋肉質で、毛色がグレーの個体が多いです。
マーシャルフェレットやパスバレーフェレットよりも低い値段設定であることが多いですが、そもそも日本ではあまり見かけることがありません。
やんちゃで噛み癖がある子が多く、初心者さんには少し難しい種類でしょう。
アンゴラフェレット
とても希少な種類で、長い毛が特徴です。ファーファームフェレットとも呼ばれます。
とても野性味が強く、あまり人に慣れないこともあるでしょう。
しかし、大きくふわふわな見た目は多くのフェレット飼いさんに憧れられています。
その他
他にも、ニュージーランドフェレットやマウンテンビューフェレットなどの種類がありますが、日本ではほとんど見かけることはありません。
ファームごとにさまざまな特徴があるので、フェレットにこだわりがある方はファームごとの特徴を調べてみることをおすすめします!
フェレットの種類~カラー・模様別~
カラーと模様の組み合わせで呼ばれ方が決まる
フェレットには体毛のカラーと模様に個体差があり、組み合わせで呼ばれ方が決まります。
例えば、「シルバーミット」などはよく聞きますよね。これは、「シルバー」の毛色が「ミット」と呼ばれる模様になっていることを表します。
とはいえ、呼び名はファームごとに少しずつ異なります。
そこで今回は、アメリカのフェレット専門家で構成される「American Ferret Asociation(通称AFA)」で定められているカラーと、代表的な模様をご紹介します。
フェレットのカラー
フェレットのカラーは、以下のように呼ばれます。
・アルビノ:毛が白~クリーム色で、目は赤色
・ダークアイドホワイト:毛がほぼ白色で、目は黒色
・シャンパン:毛がこげ茶色
・シナモン:赤みがかかった茶色の明るい毛色
・チョコレート:チョコレートのような毛色
・セーブル:毛が暖色系のこげ茶色
・ブラックセーブル:毛がアッシュ系のこげ茶色
・ブラック:真っ黒な毛色
フェレットの模様
日本で多くみられるフェレットの模様は、以下のように呼ばれます。
・ミット
手足の先と首の下だけが白く、他の部分は白以外の毛色です。
・ブレイズ
顔からうなじ方向にかけて白い筋が通った模様です。お腹にも白色が混ざることが多いです。
・パンダ
首から上が白く、肩や腰のあたりに黒や灰色の模様が混ざっています。成長していくにつれて模様が変わることもあります。
フェレットを飼おう!
お迎えするときに知っておきたいこと
フェレットは1日20時間ほど寝るため、留守番は得意です。
そのため、仕事が忙しく家を空けることが多い方にもおすすめのペットです。
とはいえ人懐こく活発な性格のため、毎日1時間程度はケージから出してお部屋で遊んであげましょう。留守番をさせることが多い場合は特に、かまってあげる時間を作ってくださいね。
また、フェレットが留守番できるのは一泊までです。
二泊以上家を空ける場合は、ペットホテルを利用しましょう。
必要なグッズ
フェレットの飼育に必要な用品は、以下の通りです。
・ケージ
フェレットは高いところから落ちて怪我をしてしまうことが多いため、高さがなく、面積が広いものを選びましょう。
・トイレ
フェレットはしつけ次第でトイレを覚えてくれます。日々のお世話が格段に楽になりますよ。
・トイレ砂
フェレットは肉食のため、排泄物が臭います。消臭効果の高いものを選びましょう。
・ハンモック
天井網から吊るすタイプのものを選びましょう。頻繁に洗濯することになるため、複数個持っておくと安心ですよ。
・エサ皿
ベビーの時期はふやかしたフードが必要なので、お湯を入れられる陶器のものがベターです。また、ひっくり返らないように底が平で重たいものを選びましょう。
・給水ボトル
お皿タイプよりもケージに取り付けられるボトルタイプがおすすめです。
・マット
ケージの床に敷きます。消臭効果が高く、洗濯できるものを選びましょう。
ご飯
フェレット用のペレットを与えます。
生後3か月くらいまでは、フードをお湯でふやかして与えるようにしましょう。
お腹の調子が悪いときや栄養を追加してあげたいときは、ペットミルクもおすすめです。
粉状のものは、お湯で溶いたりふやかしたフードにふりかけたりして使えるのでとても便利です。
掃除
ケージ内の掃除は毎日必要です。
トイレ砂を替え、トイレ本体は水洗いします。
ハンモックやマットが汚れた場合も、洗濯してあげてください。
へやんぽ
ケージから出して、思いっきり運動させてあげましょう!
猫じゃらしなどのおもちゃを使うと、狩りの要領で楽しんでくれます。
また、フェレットはイタチ科の動物なので、地中のトンネルを連想させるものが好きです。
小動物用のトンネルを用意したり、毛布でトンネルを作ってあげたりすると、喜んで突っ込んでいくでしょう(笑)
お手入れ
定期的なブラッシングや爪切り、耳かき、シャンプーが必要です。
爪切りや耳かきは難しいため、動物病院やペットショップに代行してもらうことも視野にいれましょう。
500~1,000円程度が相場です。
ワクチンについて
犬や猫と同様、フェレットにもワクチンが存在します。
フェレットに予防が推奨されている病気は、主に犬ジステンパーとフィラリア症の2つです。
犬や猫を飼っている方は、聞いたことがあるのではないでしょうか?
これらは、かかれば高い確率で重篤化してしまう、フェレットの脅威となる病気です。
ワクチンを受けさせて、フェレットの健康を守ってあげましょう。
お迎えする前にすでに何度かワクチンを受けている場合もあるため、ペットショップで確認しましょう。
まとめ
気になる種類のフェレットは見つかりましたか?
フェレットの種類と特徴を知ることで、自分にぴったりなフェレットが探しやすくなります。
本記事があなたの幸せなフェレットライフの後押しになることを願っています。
公開日:2019/2/18 最終更新日:2022/5/25