猫が甘噛みする理由は?噛み癖にしないためのしつけを学ぼう!

愛猫と手遊びしていて、急に「カプッ」と甘噛みされた経験はありませんか?
悪気がないとわかっていても、猫の甘噛みは結構痛いですよね。
今回は、猫が甘噛みする理由と「噛み癖」に発展させないためのしつけについてお話しします。
正しくしつけて、楽しく愛猫と触れ合いましょう。
猫の甘噛みとは?
猫の甘噛みとは、相手に怪我を負わせるような強い噛み方ではなく、軽く歯を立て緩やかな力で噛むことを指します。
遊んでいるときなどに、じゃれながらカプカプと力を入れずに噛みつくイメージです。
甘噛みするのはどんな猫?
甘噛みしやすい傾向にあるのは、子猫や若い猫です。
特に子猫は好奇心旺盛なので、初めて見るものすべてに興味を抱きます。
何にでもじゃれついて、とりあえずかじってみるのです。
子猫の甘噛みは、成長過程に見られるごく普通のことといえるでしょう。
猫が甘噛みするのはどんなとき?
猫はどんなときに甘噛みするのでしょうか?
ここでは、猫が甘噛みする理由を様々な角度からご紹介します。
甘えているとき
愛猫を撫でていると、甘えながら優しく甘噛みしてくることはありませんか?
甘噛みは、母子間で見られる愛情表現のひとつです。
母猫は、甘噛みしてくる子猫を優しく相手し、移動させるときは首根っこを優しく咥えます。
母親から受けた愛情表現を飼い主さんにしてくれると思うと、ますます愛おしくなりますね。
構ってほしいとき
猫は構ってほしい、遊んでほしいなど要求があるときも甘噛みすることがあります。
一日の中でこまめに遊んであげるようにすると、欲求が満たされ甘噛みしなくなる猫もいます。
愛猫が構ってほしくて甘噛みしている様子なら、短時間でもよいので遊ぶ回数を増やしてあげてみてください。
一日に何度も遊んであげるのが困難な場合は、一人遊びができるおもちゃを取り入れてみてはいかがでしょうか?
狩猟本能が刺激されたとき
狩猟本能が刺激されることも、猫が甘噛みする理由のひとつです。
動いているものを見て狩猟本能が刺激されると、興奮し甘噛みすることがあります。
時には甘噛みだけにとどまらず、飼い主さんの手を抱え込んで後ろ足で「猫キック」することもあります。
こちらも狩猟本能からくる行動で、獲物を捕らえてとどめを刺すための動作です。
遊びだからと手を甘噛みさせていると、噛んでよいものと認識し、次第に強く噛むようになることもあるため注意してください。
歯がかゆいとき
子猫が甘噛みをする場合は、歯が生え始めたことが理由かもしれません。
猫は生後3週間前後で歯が生え始めます。
このとき歯茎がムズムズするため、目についたものを噛んで解消しようとします。
飼い主さんの手を噛もうとする場合は、代わりのおもちゃを与えましょう。
やめてほしいとき
愛猫を撫でていると、つい先ほどまで喉を鳴らして気持ちよさそうにしていたのに、突然噛みついてくることがあります。
これは「やめてほしい」という意思表示です。
猫は気まぐれな性格をしているので、気持ちがコロコロと変わります。
苦手なブラッシングをしたり、苦手な部位を撫でたりして機嫌を損ねてしまったことがあれば、それも要因でしょう。
愛猫は「やめてほしい」と思っているのに、飼い主さんがしつこく続けていると「もういいよ!」と噛みつかれてしまうのです。
猫が嫌な気分になっているときには、以下のようなサインを発しています。
・イカ耳になる
・しっぽをパタパタさせる
・瞳孔が開く
・場所を移動しようとする
愛猫にこのようなサインが現れたら、噛みつかれる前にやめるようにしましょう。
発情しているとき(オス猫の場合)
発情期のオス猫が急に噛みついてくることがあります。
これは「ネックグリップ」といって、本来なら交尾の時にメス猫の動きを止めるためにする行為です。
単独飼育の場合でも、屋外のメス猫に反応し、飼い主さんに噛みついてしまうことがあります。
ネックグリップは本能による行為なので、しつけでやめさせることはできませんが、去勢すると落ち着く場合が多いです。
ストレスを感じているとき
猫が何らかの原因でストレスを感じているとき、無関係の相手に攻撃的になることがあります。
これを「転嫁行動」といいます。
いわば「八つ当たり」ともいえる転嫁行動をやめさせるには、原因を取り除くことが必要です。
家具の配置を変えた、いつもは聞こえない音が鳴っているなど、環境要因であることが多いため、思い当たることがあれば取り除いて様子をみましょう。
病気やケガで体に触られたくないとき
病気やケガをしている場合、攻撃的になり噛みつくことがあります。
これは、患部に触れられたくないためです。
猫が苦しみや痛みを感じていても、飼い主さんには目視ではわからない部位をケガしている場合もあります。
体に触れようとしたら噛みついてくるなど、いつもと様子が違うときは早めに動物病院に相談しましょう。
猫の甘噛みは放っておいても大丈夫?
猫の甘噛みは、残念ながら放っておいても治りません。
猫には生後2~9週間の「社会化期」と呼ばれる、性格が形成され他の猫や動物との関わり方を学ぶ重要な期間があります。
本来であればその期間に親兄弟に叱られながら力加減を覚え、次第に落ち着いていくものです。
早い時期に親兄弟から離されてしまった猫は、力加減を学習できず、甘噛みがエスカレートして噛み癖になってしまうことがあります。
大人になるとあごの力が強くなるため、甘噛みのつもりでも相手を傷つけてしまうことも考えられます。
飼い主さんが適切にしつけをしましょう。
「噛み癖」にしないためのしつけとは?
しつけは、愛猫が甘噛みを始めたタイミングで開始しましょう。
子猫の頃は好奇心旺盛で、何にでもじゃれつきます。
その時期に人間の手を甘噛みさせていると、「手=噛んでよいもの」と認識し、噛み癖がつく可能性があります。
必ず、おもちゃなど噛んでよいもので遊ばせるようにしてください。
甘噛みのしつけには猫同士で加減を学べる多頭飼いが一番ですが、難しい場合は以下の対策を試してみてください。
噛まれた手を口の方へ押す
猫に噛みつかれたら、手をそのまま口の方へグイっと押してみましょう。
とっさに手を引いてしまいがちですが、噛まれた状態では歯が食い込んでしまうため危険です。
また、手を引く(=逃げる)と、猫の狩猟本能を刺激して余計に強く噛まれる可能性もあります。
猫が苦しまない程度に手を押し込んでみてください。
「手に噛みついたら、嫌なことが起きる」と学習し、次第に加減できるようになるでしょう。
その場を離れる
猫が噛みついてきたら、無視してその場を離れることも効果的です。
噛みつかれる度に離れることを繰り返していると、噛んだら構ってもらえなくなると学習し、次第に収まっていくでしょう。
かわいそうな気もしますが、愛猫のためと心を鬼にして頑張りましょう。
猫の嫌がる音を鳴らす
猫に噛みつかれても、叩いたり怒鳴ったりすることは厳禁です。
飼い主さんに恐怖心を抱き信頼関係が崩れてしまうため、絶対にやめましょう。
代わりに猫の嫌がる音を出すことで注意してみてください。
猫はドタバタと騒がしい音が苦手なので、床に物を落として音を鳴らすだけでも効果があります。
手に噛みつくと苦手な物音がすることを学習すれば、改善が見込めるでしょう。
嫌いな音はストレスの原因にもなるため、やりすぎは禁物です。
甘噛み対策用のおもちゃを与える
子猫の甘噛みは成長に伴う正常な行為ですが、飼い主さんの手を噛ませていると噛み癖に発展してしまう恐れがあります。
手を噛もうとしたら、すかさずおもちゃを与えるようにしましょう。
おもちゃを動かして遊んであげれば、飼い主さんの手から興味をそらすことができます。
繰り返すことで噛み癖へ発展するリスクを軽減できるでしょう。
猫に強く噛まれてしまったら
猫に強く噛まれてしまったときは、たとえ少しの出血でも油断は禁物です。
噛まれたり引っかかれたりすることで、猫が持っているパスツレラ菌によって「パスツレラ症」を発症する可能性があるからです。
「パスツレラ症」を発症すると、早ければ30分~数時間程度で噛まれた部位が赤く腫れ始め、化膿や発熱を引き起こします。
皮膚症状のほかに呼吸器症状などもみられ、重症化すると敗血症や骨髄炎をおこし、最悪の場合死に至ることもあります。
猫に噛まれてしまったときは楽観視せず、すぐに傷口を流水で洗い消毒しましょう。
少しでも違和感を覚えたら、速やかに病院を受診し適切な治療を受けるようにしてくださいね。
まとめ
猫の甘噛みは、愛情表現や意思表示の手段のひとつです。
親兄弟から力加減を学べなかった猫は、噛み癖に発展してしまう可能性があります。
飼い主さんが教えてあげることで、適切な力加減を覚えさせることが可能です。
正しくしつけて、愛猫と楽しく触れ合ってくださいね。