うさぎの耳の謎に迫る!長い理由や特徴、注意点などを徹底解説
うさぎの一番の特徴ともいえるのが、長い耳ですよね。
では、うさぎはなぜ長い耳をもっているのか知っていますか?
「理由なんて考えたこともない!」という人もいるかもしれません。
実は、うさぎの耳が長いのには、きちんとした理由があるのです!
今回は、うさぎの耳のさまざまな謎にせまります。
「耳の状態からうさぎの気持ちがわかるってホント?」「うさぎがかかりやすい耳の病気は?」といった、うさぎの耳に関する情報を徹底的に解説します。
うさぎの耳が長いのはなぜ?
自分を狙う天敵に早く気づくため
うさぎの耳が長い1つ目の理由が、自分を狙う天敵に早く気づくためです。
食物連鎖の下位に位置づけられるうさぎは、自然界では捕食される側の動物。
イタチやキツネのような小型から中型の肉食獣や、タカやフクロウのような猛禽類から、うさぎは常に狙われています。
では、そのことと耳が長いことはどのような関係があるのでしょうか。
耳が長いと、音が発生する場所や音の大きさに関わらず、さまざまな音を集められます。
実際うさぎは、3km前後離れた場所の音でも聞き取れるといわれるほど、耳がよい動物です。
このようにうさぎは、長い耳によってわずかな音を聞き取り、自分に天敵が近づいていることを感じ取ります。
天敵の存在にいち早く気づくことで、うさぎは天敵から逃げられるのですね。
体温を調節するため
うさぎの耳が長い2つ目の理由が、体温を調節するためです。
とくに身体の熱を放出させ、体温を下げるときに役立っています。
私たち人間は、汗をかくことで身体の熱を逃がしていますよね。
しかし、うさぎはほとんど汗をかかないため、発汗によって身体の熱を放出できません。
そこで役立つのが長い耳です。
実はうさぎの耳には、毛細血管が網の目のようにびっしりと張り巡らされています。
うさぎは暑いと耳の血管を外気にあて、血管内の血液を冷やすことで体温を下げているのです。
うさぎが暑さを感じているときには、耳の血管が目立つようになります。
飼い主さんは、耳の血管の目立ち具合をヒントに、うさぎが暑さを感じているかどうかを判断できるでしょう。
うさぎの耳をもう少し観察すると、ほかの部分に比べて毛が生えていないことにも気づきませんか。
耳に毛が生えていないことによって、血管が外気に当たりやすくなるため、効率的に血液を冷やせると考えられています。
このようにうさぎの長い耳は、暑さから身を守るためにも必要な構造なのです。
うさぎの耳ならではの特徴
うさぎの耳は左右別々に動く
うさぎの耳を観察していると、左右別々に動かす場面を見ることができるでしょう。
これは音が聞こえる方向を探り、音の情報を集めようとしている行動です。
うさぎの耳には動耳筋という筋肉があるため、左右の耳を別々に動かせるようになっています。
うさぎは小さい音や遠くの音を聞き取れるだけでなく、音を頼りに音がする方向まで探ろうとしているのです。
うさぎにとって音がどれほど大切なのか、耳を動かせる身体の仕組みからも感じられますね。
うさぎの耳は高い音がよく聞こえる
世の中には、高い音から低い音、人間が聞き取れない音までさまざまな音が存在しています。
その中でも、うさぎはとくに高い音をよく聞き取れるようです。
人間が聞き取れる音域は、20~20,000ヘルツであるのに対し、うさぎは360~42,000ヘルツ。
人間の2倍以上も高い音を聞き取れることがわかります。
高い音を聞き取れるのは、天敵のフクロウにいち早く気づくためだといわれています。
一方、低い音に関しては、人間よりも聞き取れないようです。
この理由として、うさぎの天敵の中に低い音を出して近づく動物がいないためと考えられています。
私たち人間が気になるジーという冷蔵庫の運転音は約250ヘルツですので、うさぎには聞こえていないのだそうですよ。
耳の状態からうさぎの感情を知ろう
耳の状態からうさぎの感情を探れることを知っていますか?
「愛うさぎの感情がわかりにくい……」と悩んでいる飼い主さんは、耳の状態をヒントにうさぎの気持ちを探ってみてはいかがでしょうか。
耳をピンと立てているとき
うさぎが耳をピンと立てているのは、不安や警戒の気持ちがあるときです。
うさぎは何かに警戒心を抱くと、耳を立てた状態で気になるものに向けます。
状況を把握するために、耳を立てて音を拾いやすくし、情報を集めようとしているのです。
たれ耳うさぎの場合も、気になるものがある方向の耳を上げて、音を聞き取ろうとする仕草をするのだそうですよ。
耳をピクピクと動かしているとき
うさぎが耳をピクピクと動かす仕草には、周囲の状況に興味をもっている気持ちがあらわれています。
とくにうさぎにとって聞きなれない音がすると、耳をピクピク動かし、音の情報を集めようとする素振りが見られます。
ガサガサといった袋の音や飼い主さんの足音がすると、耳を動かすうさぎもいるようです。
このような場合には、うれしさや興奮も混ざっているのかもしれませんね。
たれ耳うさぎの場合は、聞きなれない音がすると目を隠すように耳を前に出します。
聞こえる音に集中して、何の音なのかを探っているのでしょう。
耳がななめ後ろにスッと伸びているとき
うさぎの耳がななめ後ろにスッと伸びているのは、威嚇しているときです。
かなりの興奮状態ですので、飼い主さんに噛みつくことも考えられます。
むやみにうさぎの近くにいったりさわったりしないようにしましょう。
威嚇をしているときには、スタンピング(足ダン)をしたり「ブーブー」といった声が聞かれたりすることもあります。
うさぎがそんな状態でいる場合は、落ち着くまで遠くから見守るようにしましょう。
「うさぎが威嚇する」というのは、イメージしにくい人もいるかもしれません。
温和なイメージをもたれやすいうさぎですが、実はかなりプライドが高い動物。
気に入らないことがあると威嚇する、気性の荒いうさぎもいるようです。
耳が頭に沿ってピタリと倒れているとき
うさぎが耳を頭に沿ってピタリと倒しているのは、リラックスしているときです。
目を軽く閉じ耳を倒しているのは、眠たいか眠っているときでしょう。
こんな状態を発見したら、そっとしておいてあげてくださいね。
うさぎがかかりやすい耳の病気
外耳炎
外耳炎とは、耳の一番外側の部分に炎症がおこる病気です。
伸びた爪で耳を傷つけて外耳炎になってしまうことがありますので、うさぎの爪切りは定期的に行いましょう。
たれ耳うさぎは、構造上耳が蒸れやすいため菌が増えやすくなってしまいます。
立ち耳のうさぎに比べ外耳炎になりやすいので、耳に異常がないかこまめにチェックするようにしてくださいね。
外耳炎になると耳垢が目立つようになります。
白色や茶褐色などの耳垢がたくさん出るときには、外耳炎の可能性があります。
耳を傾けたり耳や頭を振ったりといった仕草が見られることもあるようです。
中耳炎
外耳よりも内側の中耳という部分におこる炎症が、中耳炎です。
パスツレラ菌感染が原因となって起こることが多いとされています。
外耳炎から中耳炎を引き起こしたり、逆に中耳炎から外耳炎や内耳炎に移行したりするケースも多いようです。
また鼻炎が原因で中耳炎になることもあります。
中耳炎だけがおこっている場合、多くは無症状です。
外耳炎や内耳炎に移行した場合は、それぞれの症状が出てくるため、飼い主さんも気づきやすいでしょう。
内耳炎
中耳よりもさらに奥の内耳に起こる炎症が、内耳炎です。
中耳炎と同じようにパスツレラ菌感染によるものが多く、中耳炎から内耳炎に移行するケースもよくみられます。
そのほかに、歯の伸び過ぎが原因で内耳炎になることもあるようです。
内耳には、平衡感覚に影響する三半規管があります。
そのため内耳に炎症がおこると、首を傾けた状態(斜頸)になったり、立てなくなってゴロゴロ転がってしまったりといった症状が出てきます。
平衡感覚を保てなくなり、うまくごはんを食べられないため、飼い主さんのサポートが必要になるでしょう。
うさぎにも耳掃除は必要?
健康な立ち耳うさぎの場合、基本的に耳掃除などのケアは必要ありません。
なぜなら、うさぎは自分で毛づくろいをしているため、耳をキレイに保っているからです。
一方、病気や高齢のため自分で毛づくろいができないうさぎやたれ耳うさぎには、ケアが必要な場合もあります。
ただし、飼い主さんが愛うさぎの耳のケアをする場合は、獣医師の指導を受けてから行うようにしてください。
うさぎの耳は非常に繊細なので、誤ったケアをしてしまうと耳に悪影響を及ぼす危険があるのです。
耳の穴の中に耳垢が見える場合でも、飼い主さんが取ってあげることは控えておきましょう。
耳の汚れや耳垢が気になる場合は、動物病院に相談し、耳掃除をしてもらうことをオススメします。
うさぎの耳は超繊細!注意すべきこととは
うさぎの耳は、私たちの想像以上にとても繊細です。
そのため、飼い主さんは以下のようなことに気をつけてくださいね。
・うさぎの近くで大きな音を出さない
・ 綿棒などで耳掃除をしない
・耳だけをもって抱っこしない
うさぎのデリケートな耳に配慮した生活やケアを心がけましょう。
まとめ
うさぎの耳には、私たち人間とは異なるさまざまな役割や特徴があります。
うさぎの耳に興味をもち、その特性を大切にした飼育を心がけてみませんか?