うさぎの目やにの原因は?緊急性や対処法、予防法までまるごと解説
うさぎの目やにに気づいたことはありますか?
健康なうさぎは自分でグルーミングをして、目やにを取り除いています。
そのため、それほどうさぎの目やにに気をとめたことがない飼い主さんも多いでしょう。
とはいえ、目やになど目の周りに異変が見られたら心配になってしまうもの。
そこで今回は、うさぎの目やにについてお伝えします。
目やにを放っておいても大丈夫なのかどうかも詳しくお伝えしますので、参考にしてくださいね。
うさぎの目やにってどんな状態なの?
まずは、うさぎの目やにに気づくポイントや目やにの状態を紹介します。
うさぎの飼い主さんによる体験談から、目やにの様子やうさぎの目やにがどんなふうに見られたのかを以下にまとめました。
・目の中に何か浮かんでいるよう
・目の周りが濡れている
・目頭周辺の毛がカピカピに固まっている
・目全体に白っぽい目やにが見える
・ドロッとした感じ
・涙のような水っぽい感じ
・目周辺が臭い
原因や気づくタイミングによっても、目やにの状態は変わります。
そのため、飼い主さんが表現するうさぎの目やにの状態はさまざまなようです。
うさぎの目やにの原因は3タイプ
うさぎの目やにはどのような原因で生じるのでしょうか。うさぎの目やにの原因を緊急度別に紹介します。
【心配不要】生理現象
うさぎの目やにの原因として多いのが、生理現象によるもの。
目もほかの器官と同じように新陳代謝を繰り返しているため、老廃物が目やにとなって出ます。
また、細菌やウイルスなどに対する免疫反応として、目やにが生じる場合もあります。
このように、うさぎに目やにが出るメカニズムは人間と同じです。
普段うさぎは自分でグルーミングを行い、目やにを取り除いています。
しかし、シニア期になったり病気になったりしてグルーミングが十分にできないと、目やにがついたままになることがあります。
また一説によると、うさぎにも利き手があるのだとか。
グルーミングしやすい側としにくい側があるため、どちらか一方に目やにが残ったままになっていることもあるようです。
ときどき目元が濡れていたり、少量の目やにがついていたりする程度なら緊急性はありません。
【要改善】飼育環境
うさぎの飼育環境が目やにの原因となっていることもあります。
この場合は、飼育環境を見直すことで改善されることが多いので、緊急性はそれほど高くありません。
しかし、うさぎにとってよくない環境が続いていると、今後健康状態に影響を及ぼすこともあり得ます。
飼育環境の改善点についてはのちほどお伝えしますので、このまま読み進めてくださいね。
【動物病院の受診を】病気
目やにの量が多かったりネバついていたりといったように、明らかな異変がある場合、病気の可能性も否定できません。
目やにが目立つうさぎの病気にはさまざまなものが考えられます。
大きくわけると「目に異常が見られるもの」と「目と鼻をつなぐ鼻涙管という管に異常が見られるもの」の2タイプ。
そのほかには不正咬合が原因で、目やにを生じるうさぎも多いようです。
放置していると細菌感染などを引き起こす恐れもあるので、適切な治療が必要になります。
うさぎの目やには放置して大丈夫?
うさぎに目やにが出ていても、気がついたら出なくなっていたというケースもよくあります。
目やにの状態もひどくならず、そのほかに気になる点もないようなら、放置しても心配ないでしょう。
目やにが出やすい体質のうさぎや、片方だけグルーミングがうまくできないうさぎもいるので、普段からうさぎの様子を観察しておくと安心です。
うさぎに目やにが出る症状で緊急性が高いのは、以下のような様子が見られる場合です。
・目やにと共に涙も多い
・くしゃみや鼻水が見られる
・やたら目を気にしている
・目元が膿んでいる
・目が充血している
・食欲がない
・元気がない
このような症状が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。
うさぎの目やにを見つけたら確認すべきこと
うさぎに目やにが出ていることに気づいたら、以下のようなことをチェックしてみてください。
定期的にブラッシングをしているか
うさぎは絶えず毛が抜けていますが、とくに換毛期には大量の毛が抜けます。
そうなると、抜けた毛がうさぎ自身の目に入ることもあるでしょう。
目に入った毛が原因で、目やにが出ることがあります。
目やにが出る場合には、きちんとブラッシングをしているかどうか振り返ってみましょう。
ホコリや牧草の粉が目に入りやすくないか
ホコリや牧草の粉などの小さい物質が目に入って、目やにが出ることがあります。
牧草が入っている袋の底には、粉状の牧草がたまります。
ペレットも同様です。
目やにが見られるときには、粉状になった牧草やペレットを与えていないかチェックしましょう。
また床材に牧草を使っている場合も注意が必要です。
床材の牧草が古くなると、細かい牧草が空中に舞いやすくなります。
こまめに新しい牧草に取り換えているか、確認してください。
うさぎにとって刺激になるものがないか
うさぎの目やにの原因として刺激物があります。
アロマやタバコの煙、蚊取り線香、芳香剤などは、うさぎにとって刺激物。
うさぎが生活する部屋で、このような刺激物を使用しなかったか振り返ってみましょう。
不正咬合がないか
うさぎの目やには、不正咬合が原因となっていることも多いです。
とくに問題となるのは奥歯の不正咬合。
飼い主さんが見ただけでは判断がつきにくく、気づくまでに時間がかかってしまうこともあります。
目やにを見つけたら、早めに不正咬合がないかどうかを獣医師にチェックしてもらうと安心です。
うさぎの目やにの取り方|無理して取らない
うさぎに目やにがついていたら気になる飼い主さんもいるでしょう。
「取ってあげたい」と思うのも飼い主さんの親心です。
しかし、私がお世話になっている動物病院の獣医師によると「うさぎは自分でグルーミングをするので基本的に飼い主さんが取る必要はない」とのことでした。
たしかに気がついたら目やにがなくなっている場合も多いので、それほど飼い主さんががんばる必要はないのかもしれませんね。
とはいえ、病気や高齢のためにグルーミングがうまくできなくなっている場合には、なんとかしてあげたいと考える飼い主さんもいるでしょう。
そんな飼い主さんのために、うさぎの目やにを取る方法をお伝えします。
1. 飼い主さんの手をキレイに洗う
2. やわらかいガーゼやコットンを指に巻き、目やにを優しく拭き取る
3. 目やにが固まっている場合は、ガーゼやコットンをぬるま湯で濡らしてから拭き取る
拭き取るときに爪で引っ掻いたり毛を引っ張ったりすると、目や皮膚を傷つけてしまう危険性があります。
無理して取ろうとするのはやめましょう。
どうしてもとれない場合は、しばらく様子を見るのもひとつの方法。
気になる場合には、動物病院に相談してみるのもオススメです。
うさぎの目やに予防のためにできること
うさぎの目やにを予防するために、飼い主さんができることとはどんなことでしょうか。
ここで紹介することは、どれも普段の生活ですぐにできることばかりです。ぜひ習慣として取り入れてくださいね。
こまめにブラッシングをする
うさぎの目やに予防のためには、ブラッシングが有効です。
ブラッシングで意識的に抜け毛を取り除いてあげることで、抜け毛が空中に舞うことを防ぎます。
とくに春と秋の換毛期には、念入りにブラッシングをしてあげてくだい。
またシニアのうさぎや病気のうさぎには、飼い主さんのサポートが必要です。
こまめなブラッシングで目やにを防ぎましょう。
細かい粉状になった牧草は与えない
牧草やペレットの袋の底には、粉状のものがたまります。
もちろんこれを与えること自体は構いません。
ただ目やにを生じやすいうさぎや、目やにが出ているうさぎには与えないほうがよいでしょう。
また、細かいくずが出やすいウッドチップにも気をつけたいもの。
トイレ用や床材、遊び用として販売されているウッドチップは、商品によってくずが舞いやすいものがあるようです。
うさぎの体質や体調、商品の特性も考えながら使用することをオススメします。
うさぎの目に刺激となるものを避ける
前述したように、人間には影響がなくても、うさぎの目には刺激となるものがあります。
飼い主さんは、たばこや蚊取り線香、芳香剤などがうさぎにとって刺激物となることを正しく理解し、うさぎに優しい生活環境を提供してあげてください。
このようなものを使用したい場合は、うさぎが出入りしない部屋で行いましょう。
適切な食事を与える
歯の伸びすぎが原因で不正咬合となり、その結果目やにを生じるうさぎもたくさんいます。
そのため、歯が適切に削れるよう、牧草をしっかりと食べさせることが目やに予防にもつながるのです。
牧草中心の食生活はうさぎの健康の基本です。
ほかの病気を防ぐためにも役立つので、常に意識しましょう。
呼吸器症状がある場合は早めに受診する
目やにと同時に、くしゃみや鼻水などの呼吸器症状が見られたら、できるだけ早めに動物病院に連れていってください。
うさぎがなりやすい呼吸器疾患に「スナッフル」があります。
実はこのスナッフルから「鼻涙管閉塞」という病気になる可能性があるのです。
鼻涙管閉塞になると、目やにや涙の症状が目立つようになります。
スナッフルはくしゃみや鼻水が見られることが多いので、これらの呼吸器症状が見られたら速やかに受診しましょう。
まとめ
うさぎの目やににはいろいろな原因があります。
飼い主さんだけでは判断しにくい場合もあるでしょう。
そんなときにはここで紹介したチェック項目を参考に、緊急性を判断してみてくださいね。
また目やにが頻繁に出る場合は、飼育環境がよくないのかもしれません。
「目やにくらい大丈夫だろう」と軽く考えず、飼育環境を見直してみてはいかがでしょうか。