うさぎ蟯虫症って知ってる?うさぎの糞から虫が出てくるってホント?

2匹のうさぎ
ウサギ

うさぎの糞から虫が出てきたらびっくりしますよね。

虫の正体は、うさぎの腸に寄生する蟯虫(ぎょうちゅう)。

この蟯虫が糞の中に混じっていたり、動いていたりすることもあるようです。

今回は、うさぎ蟯虫症についての情報をまとめました。

急いで病院に連れていくべきなのか、人にはうつるのかといった、疑問も解決していきます。

後半では、うさぎの寄生虫疾患についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

うさぎ蟯虫症ってどんな病気?

うさぎの糞

まずは、うさぎ蟯虫症がどんな病気なのか解説していきます。

原因・感染経路

うさぎ蟯虫症は、うさぎの盲腸や結腸に寄生する蟯虫によって起こる病気です。

この蟯虫は、夕方から夜にかけて、うさぎの肛門に出てきて肛門付近の皮膚に卵を産みます。

うさぎは食糞をするため、肛門付近の卵をなめてしまうことも多く、再び体内に蟯虫を取り込んでしまうことになるのです。

蟯虫は産卵を終えると死亡し、うさぎの肛門から糞に混じって排泄されます。

蟯虫が混じった糞や卵が付着した糞は、別のうさぎの感染源ともなるため、多頭飼いをしている場合は注意が必要です。

症状

うさぎと蟯虫は、片利共生という関係にあります。

これは、共生することによって蟯虫には利益があるものの、うさぎには利害がないという関係です。

つまり、蟯虫の存在がうさぎの身体に影響することはなく、ほとんどの場合特別な症状はみられません。

しかしまれに、蟯虫によってうさぎの腸内環境が変化し、下痢をしたり、成長が遅くなったりということがあるようです。

予防

蟯虫はうさぎの腸内に寄生しているものなので、特に予防方法はありません。

うさぎの免疫力が低下すると、蟯虫が増えてしまうため下痢をすることがあります。

飼い主さんはうさぎが健康にいられるよう、飼育環境を整えてあげてくださいね。

また、多頭飼いをしている場合には予防が必要となります。

多頭飼いの場合の予防法については、のちほど解説していきましょう。

治療法

蟯虫がいてもうさぎにとって害がないので、特に治療をする必要はありません。

しかし、飼い主さんにとっては気持ちが悪く、不快なことから、飼い主さんが駆虫を希望するケースも多いようです。

蟯虫の治療には、駆虫薬を使います。

駆虫薬には経口タイプのほか、皮膚にたらすスポットタイプの薬剤もあるようです。

しかし、薬剤を投与したからといって、すぐに蟯虫を駆除できるわけではありません。

うさぎは食糞の習性があるため、蟯虫の感染を遮断するのは難しく、駆虫薬を複数回投与したり、タイミングを検討したりといった工夫が必要となります。

うさぎ蟯虫症に関する4つの疑問

うさぎ

うさぎ蟯虫症に関するさまざまな疑問にお答えしていきます!

どうやって気づくの?

飼い主さんにとっては気持ち悪いかもしれませんが、糞の中に虫を発見して病院を受診したというケースが多いようです。

うさぎ蟯虫は5~11mm程度の細長い形状をしており、人間の目でしっかり確認できます。

しかも、糞の中で蟯虫が動いていることもあるので、びっくりする飼い主さんが多いようです。

人にはうつる?

うさぎ蟯虫は、人間にはうつりません。

しかし、ケージの掃除をしたあとや、うさぎを触ったあとなどは、手洗いをしておくことをおすすめします。

また、赤ちゃんや小さい子どもがいる場合は、獣医師に相談しておくと安心でしょう。

多頭飼いしている場合の注意点は?

多頭飼いをしている場合は、感染したうさぎの糞の処理を迅速に行うことが有効です。

これはうさぎ蟯虫が、感染しているうさぎの糞を介して別のうさぎに感染することがあるため。

ケージやトイレの掃除には、うさぎ蟯虫に効果が高い熱湯消毒を活用しましょう。

すぐに病院に連れていくべき?

蟯虫はうさぎにとって害のあるものではないので、急いで病院に連れていく必要はありません。

糞の中に虫を発見しても慌てず、時間のあるときに受診するのがよいでしょう。

うさぎには蟯虫以外にも寄生虫がいる!

うさぎ

実はうさぎに寄生しているのは蟯虫だけではありません。

ここからはうさぎの寄生虫を3つ紹介します。

これらの寄生虫による疾患は、うさぎをお迎えしたときに健康チェックを受けていると発見できる場合が多いです。

うさぎをお迎えしたら、必ず動物病院で健康チェックを受けましょう。

コクシジウム

コクシジウムという原虫は、うさぎの腸管や肝臓に寄生します。

少し前までは、お迎えしたばかりのうさぎに多く見られる疾患でしたが、衛生面に配慮したペットショップが増えたことから、コクシジウムに感染したうさぎは減っているようです。

コクシジウムは、感染したうさぎの糞が付着した餌を食べることなどで感染します。

感染していても無症状の場合もありますが、抵抗力が落ちると発症しやすく、子うさぎでは重症化することもあります。

コクシジウムが腸に寄生したときに発症する、腸コクシジウム症の主な症状は下痢。

お迎えしたばかりのうさぎが、ゆるい糞をしている場合は特に注意しましょう。

また、コクシジウムが肝臓に寄生すると発症する肝コクシジウム症は、主に子うさぎで発症します。

病原性が強いため命に関わることもあるので、お迎えしたばかりのうさぎに食欲不振や黄疸、お腹が膨らむなどの症状があるときは、すぐに病院を受診しましょう。

ウサギツメダニ

ウサギツメダニは、うさぎの皮膚の角質層に寄生します。

感染した動物と接触することでうさぎにも飼い主さんにも感染する寄生虫で、うさぎの寄生虫疾患の中で最も一般的なものです。

健康なうさぎに感染していても特に症状は見られません。

しかし、ストレスなどでうさぎの抵抗力が低下すると、頭から首、背中にかけて、激しいかゆみやフケ、赤みなどを生じます。

人間に感染した場合は、皮膚の発赤やかゆみなどの症状が表れます。

エンセファリトゾーン

エンセファリトゾーンは、うさぎの脳や目、腎臓などに寄生する原虫。

脳に寄生すると斜頸やローリング、目に寄生するとぶどう膜炎、腎臓に寄生すると腎不全の原因となります。

感染経路は母親からの垂直感染が主で、そのほか感染したうさぎの尿を口にしたうさぎが感染するケースがありますが、現在は稀な疾患です。

もしエンセファリトゾーンに感染したうさぎをお迎えし、多頭飼いする場合は、感染しているうさぎを隔離する必要があります。

まとめ

うさぎ

うさぎの蟯虫症と寄生虫疾患について解説しました。

「うさぎに寄生虫がいるなんて知らなかった!」と驚いた人も多いでしょう。

蟯虫やそのほかの寄生虫は、うさぎの抵抗力が落ちたときに症状が出やすいようです。

飼い主さんは、うさぎが元気で過ごせるよう、飼育環境を整えてあげてくださいね。