うさぎは虫歯になる?飼い主さんがうさぎのためにできる歯のケアとは
うさぎが虫歯になるのかどうかは、うさぎを飼い始める人だけでなく、すでに飼っている人も気になりますよね。
「歯のケアが必要なら知りたい」という飼い主さんも多いでしょう。
そこで今回は、うさぎの虫歯や注意すべき歯の病気、健康な歯を保つために必要なケアについて解説していきます。
うさぎは虫歯になるの?歯磨きは必要?
まずはうさぎの歯の特徴から解説していきましょう。
うさぎは虫歯にならない!その理由は?
本来、うさぎは虫歯になりません。
というのも完全草食動物であるうさぎは、自然界で糖分の入ったものを食べないからです。
そもそも、虫歯は細菌が糖分から酸を作り出し、その酸が歯を溶かして起こります。
そのため、砂糖などの糖分を一切摂取しなければ虫歯になることはありません。
つまり、ペットとして飼われているうさぎも糖分を摂取しなければ、虫歯にならないということがおわかりいただけるでしょう。
虫歯にさせないためには、糖分を多く含んだおやつを与えないことが大切です。
歯磨きは不要!その理由は?
結論から言うと、うさぎに歯磨きは不要です。
うさぎのデンタルケアの基本は、本来与えるべきでない食べ物を与えないこと。
それだけで、うさぎは虫歯にならないのです。
うさぎにどんな食べ物を与えればよいのかについては、記事後半で触れているので参考にしてくださいね。
うさぎの歯で注意すべきは不正咬合
うさぎの歯の病気では、虫歯よりも「不正咬合」に注意しましょう。
不正咬合はうさぎの歯科疾患で最も多く発症している病気で、ひどくなると全身に影響を及ぼすこともあります。
ケージをかむなどしてかみ合わせが悪くなったり、繊維質をあまり摂取しなかったりすることで、本来削られるはずの歯が削られずに伸び続けることが不正咬合の原因です。
歯をカットしたり抜いたりして治療しますが、麻酔を使う場合もあり、うさぎの身体へ大きな負担となるでしょう。
不正咬合は自然界に住むうさぎには見られない疾患です。
そのため、ペットとして飼われているうさぎの食餌や飼育環境が影響しているのではないかと考えられています。
柔らかいものを多く食べているので歯が削られない、ペレットをメインに食べることですりつぶすという歯の動かし方をしない、といったペット特有の環境が不正咬合を引き起こしているようです。
うさぎの歯と健康を守るためにできること
飼い主さんはうさぎの歯や健康を守るために、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか?
うさぎに適した食べ物を与えよう
うさぎの主食は牧草です。
牧草を食べるとき、うさぎは切歯でかみ切り、臼歯ですりつぶして食べます。
かみ切る・すりつぶすという歯の動きによって歯が自然に削られ、伸び過ぎを防いでくれることは前述した通りです。
また、牧草に含まれる繊維質は、うさぎの消化管活動を活発にしてくれます。
うさぎの健康維持には、消化管を健やかに保つことが大切なので、その点でも牧草はうさぎの身体にとって重要といえるでしょう。
もちろんペレットや野菜も、うさぎに与えてかまいません。
しかし、ペレットや野菜は「副菜」としてとらえ、与えるときは少量にとどめておきましょう。
ペレットは牧草から作られているものですが、牧草は細かく刻まれているため、うさぎにとって重要な繊維質を摂取するには不向きです。
また、野菜は柔らかく食べやすいのでうさぎが好んで食べますが、積極的に与えていると牧草を食べなくなることもありますので、1日5gほどを目安にしておきましょう。
葉物野菜を中心として、糖分の多いにんじんやかぼちゃはごく少量にとどめておくことをおすすめします。
ペレットや野菜は、ご褒美やコミュニケーションの手段として上手に使いましょう。
うさぎ用のおやつも原材料をチェックしよう
「うさぎ用として販売されているおやつなら安心でしょ?」と思っている飼い主さんは多いのではないでしょうか。
実はうさぎ用として販売されているものの中にも、うさぎの歯や健康のために控えたい、小麦や糖類を含んだものがあるようです。
虫歯の原因となる糖分だけでなく、小麦もうさぎには与えるべきではありません。
それは小麦や糖類が、うさぎの腸内細菌を異常に発酵させてしまうことで、腸内環境を悪くしてしまうからです。
小麦や糖分を多く含むおやつは嗜好性が強く、うさぎも喜んで食べますが、うさぎの健康を考えて飼い主さんがしっかりと管理することが大切です。
市販のうさぎ用おやつを購入するときには、原材料欄に「小麦(グルテン)」「糖類」の表示がないものを選んでくださいね。
牧草を常に食べられるようにしよう
うさぎの健康の元である牧草は、常に食べられるようにケージにセットしておきましょう。
与える牧草は、基本的にはイネ科のもの。
イネ科の牧草には繊維質はもちろん、歯のケアにもなるケイ酸が含まれているため、積極的に食べさせましょう。
イネ科の牧草のなかでも一般的なのがチモシーです。
チモシーにも種類があり、刈り取り時期やプレス方法によって、硬さや栄養が異なります。
与えたチモシーを全然食べないようなら、ほかの種類のチモシーや別のイネ科の牧草を試してみてもよいかもしれませんね。
チモシー以外にも、オーツヘイやバミューダグラス、イタリアンライグラスなどイネ科の牧草にはさまざまなものがあります。
イネ科の牧草を食べないからといって、マメ科のアルファルファなどを与えるのはNG。
うさぎの食いつきはよいですが、繊維質が少なく栄養価が高すぎるため、子うさぎや妊娠期のうさぎなど、高栄養を必要とするうさぎ以外は控えましょう。
病院で定期的に歯をチェックしてもらおう
うさぎの歯を飼い主さんがチェックするのは難しいもの。
特に奥にある臼歯は、なかなか確認できませんよね。
うさぎは異常を表に出しにくい動物でもあるので、獣医師による定期的な健康チェックが重要です。
うさぎを飼い始めたら、うさぎに詳しいかかりつけの病院を持っておくことをおすすめします。
まとめ
うさぎの歯科疾患は、食べ物が大きく関わっています。
好んで食べるからといった理由で、おやつやペレットなどを多く与えることは控えましょう。
本来の食餌をしていれば、うさぎが虫歯になることはありません。
ぜひうさぎの健康のために、適切な食べ物を与えてあげてくださいね。