犬と猫の爪の違いと爪切りのコツ!図と写真でわかりやすく説明します!

私は犬1匹、猫3匹と暮らしています。

我が家ではだいたい3週間~1ヶ月に1度くらいでみんなの爪切りを実行しているのですが、バリカンはおとなしくさせてくれる犬でさえ、私がゴソゴソと爪切りを出してきた途端にそーっと姿を消してしまい、猫たちもサーッと飛び散っていく始末……ぽつんと残る爪切りと私。

我が家はみんな、爪切りはとってもニガテです。

私のように、犬や猫の爪切りに日々奮闘なさっている飼い主さんも多いことと思います。爪切りはトリミングサロンや動物病院などのプロに任せている飼い主さんも多いかもしれませんね。

我が家は多頭飼いなので、全員をサロンや病院に連れて行って爪切りをするとなると大変な大移動になってしまいます。そしてなるべく費用をかけたくないという私のケチ心も相まって、犬のトリミングや猫たちの爪切りもできることはすべて自分で行っています。

そこで今回は、そんな私がおうちでできる爪切りのコツや爪切り用品のご紹介します。

犬と猫の爪の違い

犬の爪と猫の爪の構造には違いがあります。
共通していることは切っても良い場所を間違えると出血&激痛が伴うということです。
犬と猫の爪は人間の爪と違い中に血管が通っています。ですので、人間でいう深爪をしてしまうと結構血が出ます。私は何回かやってしまいました。おやつで平謝りしたのは内緒です(^^;

犬の爪について

犬には前足に5本ずつ、後ろ足に4本ずつ、計18本の爪があります。
しかし稀に後ろ足にも5本ずつ爪がある子がいます。
後ろ足の5本目の爪は「狼爪(ろうそう)」と言い、本来は歩行に必要のない爪です。狼爪がある子は赤ちゃんの時に取ってしまう子もいますが、グレートピレニーズやブリアードなど特定の犬種は狼爪があることが犬種標準になっていることもあります。

■白い爪と黒い爪
犬の個性によって、白い爪の子と黒い爪の子がいます。
白い爪の子なら見て分かりやすいのですが、爪の一定部分にはピンクの血管と神経があるのが透けて見えるかと思います。
爪切りで切っても大丈夫なのはこのピンクの部分の手前までで、ピンク部分を切ると出血して痛いです。

黒い爪の子は、このピンクの血管部分が見えませんので、どこまで切って良いのかが分かり辛いため、だいたい爪切りが難航します。
我が家の犬もミニチュアダックスの爪が黒い子なので、爪切りの時は緊張します。

■血管部分は成長する
さらに知っておきたい点は、このピンクの血管部分は爪きりせず放置するとどんどん成長して伸びてくるという点です。
爪切りをせず爪を伸ばしっぱなしにすると血管部分も一緒に伸びて、いざ爪を正常な長さに切ろうとした時にはピンクの部分を切らざるを得ない状態になってしまうのです。
当然出血し痛みも伴うため、犬にとっては至極鬼畜の所業。定期的に爪を切ることで血管部分の成長も一定でストップします。ですので、犬には定期的な爪切りが必要なのです。

猫の爪について

猫も犬同様、前足5本ずつ後ろ足4本ずつの計18本の爪を持ちます。
犬と違う点は、「猫の爪は収納されている」「爪が層になっている」という2点があります。

■忍び寄るハンターの爪

猫は獲物にそっと忍び寄り、待ち伏せして突然仕留めます。足音をできるだけ出さないために、猫の爪は収納できるように進化しました。
しかし、ネコ科の中でもチーターの爪は犬のように出しっぱなしで収納することができません。待ち伏せ型の一般の猫とは違い、チーターは獲物を追いかけて仕留めます。忍び足よりも速度を選んだため、スパイクの役目を持つ出しっぱなしの爪を持っています。

猫の爪は足の健で出し入れする仕組みになっています。爪切りをするときは爪の付け根を軽く押します。
健が伸び、爪がニュッっと出てきます。

■タマネギのような層構造

猫の爪はタマネギのように層になっており、爪研ぎをすると外側の層がポロッと剥がれ落ちます。しかし爪研ぎで上手く剥がれきらないと猫はうっとうしく感じ、噛んで爪を剥がそうとします。そこからバイ菌が入って爪囲炎(そういえん)という炎症が起きてしまうこともあるため、定期的に爪切りをして爪を快適に保ってあげましょう。
また、猫は手を使ってハンティングするため、その爪は犬より鋭く、ひっかかれたりするとかなり痛いです。赤ちゃんがいるご家庭や多頭飼いしているおうちはじゃれていてケガをする恐れがあるため、爪切りをして安全にしておきましょう。

爪切りが必要なサインは?

犬の場合、床に爪が着いていない状態が好ましいと言われています。
我が家はフローリングなので、犬が歩くときにチャッチャッチャっと音が出てきたら爪切りをするタイミングというルールにしています。

猫の場合は通常は爪が見えていない状態なので気付きにくいのですが、甘えてきてお腹をフミフミしてきたときや私の足で爪研ぎをしてきたとき(デニムを履いているときはよく爪研ぎをされます)に痛いなあと気付いて爪切りをします。
1本でも先が鋭くなった爪があったら爪切りのタイミングにしても良いと思います。

我が家ではだいたい3週間~1ヶ月に1回は爪切りをしています。
犬1匹猫3匹の大所帯なので、誰か1匹が爪切りのタイミングとなればついでにみんな行ってしまいます。
飼い主的にも「よし、やるぞ!」という気持ちにならないとなかなか大変な作業なので…

そして、夫に手伝ってもらえる週末に爪切りを実行することがほとんどです。
特に忍者のごとく一瞬で隠れてしまう猫は捕まえるのが大変ということもあり、捕獲作業と保定を夫にお願いしています。

爪切り本体+神アイテムで安心!

爪切りに必要なのはまずペット用爪切りです。
赤ちゃんの頃は爪が細く柔らかいので人間用のもので代用できますが、基本はペット用のものを使用した方がよく切れます。
今は100円ショップにもペット用の爪切りは売られていますが、やはりちょっとお金を出してでもそれなりのものを買った方が切れ味が違います。
1000円前後で売っているもので大丈夫です。良く切れない爪切りを使用すると、爪が切れずに押し潰れるので、不快に思う子もいますし、変な力がかかってケガの危険性もあります。

ペット用爪切りには主に2種類があります。その形状の違いで、1つはギロチンタイプ、もう1つはニッパータイプです。
ギロチンタイプのメリットは力を入れずに切れるという点で、動物病院ではギロチンタイプを使っている先生が多いように思います。
動物病院やトリミングサロンには大型犬もくるので、大きく分厚い爪を切りやすいギロチンタイプが好まれるのかもしれません。

私はニッパータイプを使っています。ニッパータイプはハサミのような形をしていて、そぎ落とすようなイメージで爪が切れます。

私にペットの爪切りを教えてくれた師匠がニッパータイプを使っていたので、自動的にニッパータイプを選んだ感じです。
ギロチンタイプよりも少し握力が必要で、手元がくるいやすく感じるかもしれませんので、大型犬にはおすすめではありません。
小型犬や猫のように小さく細い爪にはニッパータイプでも良いかと思います。

爪切り本体のほか、爪やすりと止血剤も用意することをおすすめします。
切りっぱなしの爪は結構痛いので、ソファーや家具の傷防止にも爪をなめらかに整えてあげると良いでしょう。

そして止血剤、私は新米飼い主の頃に何度もお世話になりました・・・。

粉状の止血剤で、血が出てしまった爪の断面に付けると血が止まります。
特に犬の爪からの出血は結構トロッと出てきてビックリしてしまうので、止血剤があると飼い主さんの精神的安心にもなりますのでおすすめです。止血剤の使い方は、のちほどご紹介します。

爪の切り方のコツ

お待たせいたしました。いよいよ爪を切っていきます!

共通のコツ

■親指の爪に注意
犬と猫の爪の形状は違いますが、前足の親指にあたる爪に注意することは共通しています。この爪は、ほか4本と違って奥側の切りにくい位置に生えています。

この爪は伸びすぎるとクルンと弧を描き手に刺さってしまうので、切りにくいですが放置厳禁です。

■後ろ足から切り始める
私の経験上、前足は後ろ足より嫌がる子が多いです。顔と耳に近い分怖いのかもしれません。まずは後ろ足からちょっとずつ切り始め、慣れてもらいましょう!

■後ろ足の爪は切りすぎ注意!
犬も猫も、後ろ足の爪は前足と比べて小さく短いです。前足と一緒ぐらい思い切り切ってしまうと切り過ぎて出血してしまいますので、後ろ足の爪はちょっと切るイメージで大丈夫です。血管部分を確認しながら慎重に切っていきましょう!

■一気にバチンと切らず、角を落としていくイメージでちょっとずつ切る
どうして爪切りを嫌がるのか、私は最近その結論に至りました。あのバチン!という音と衝撃、飼い主の緊張のあまり震える手から伝わる不安、この2つが怖いのだということに気付きました。
うちの子で実験的に切り方をちょっとずつに変えてみたのですが、音がしないように削るように切ったところ、今までイヤイヤして動き回っていた子が落ち着いて切らせてくれました!
一気に切ろうとすると私が緊張しますし、切り過ぎて大出血の危険もあります。特に犬の爪は猫より硬いため、力づくで動かないようにしようとすると掴む手にも力が入り、犬はますます恐怖で暴れまくる悪循環…音がしないようにちょっとずつ切ることで私も怖くなく、犬や猫にもそれが伝わったのでしょう。切る時はバチンと音がしないように切りましょう。

■爪1本だけから始める
最初のうちはトラウマになってしまわないように無理をしないことです。爪1本だけから始めてみてもいいくらいです。飼い主さんも犬も猫も、お互いに少しずつ慣れていきましょう。爪を切ったらごほうびのおやつを与えて褒めるのもモチベーションを保つのにおすすめです。

犬の場合のコツ

犬の爪切りのコツは大きく2つあります。

■骨格に反した持ち方をしない
よくやりがちなのは、飼い主さんが集中するあまり犬の足を外に開いてしまうことです。


特に前足は骨格上開脚することに無理が生じますので、犬が嫌がる原因にもなります。
コツとしては開くのではなく、犬の脇は閉めたまま後ろに蹴り上げる格好で爪切りすると骨格に負荷がかかりにくいです。

■角を落としていくイメージでちょっとずつ切る
まず先端の尖っている部分を切ったら、切り口の角を削るように切っていきます。これを少しずつ繰り返していくと、爪の中心部分に湿ったものが現れはじめます。それを確認しながら切っていきましょう。白い爪の子は目でピンクの部分の位置を確認しながらきっていきましょう。

■黒い爪の子は中心部の筒が湿ってきたら注意!
爪が白い子はピンクの血管部分が透けて見えますので、確認しながらそこの一歩手前まで切っていきます。ただ、黒い爪の子は外から確認できませんので、切った爪の断面の様子から判断します。
爪を少しずつ切っていくと、爪の断面により黒っぽい筒のようなものが見えてくると思います。切り始めは乾いた質感なのですが、切っていくと湿っぽくなってきます。湿った感じになってきたらストップのサインです。また、爪は魔女の爪のように弧を描いて伸びていきますが、前回切った場所が爪の下側(肉球側)で確認できますので、私はそこも目安にしています。

猫の場合のコツ

猫の爪は犬の爪より細く、わりと切りやすいと思います。しかし猫の難しさはその身体能力の高さゆえで、おとなしく捕まえていられないということです。2人がかりの我が家でさえ、犬よりも身体が柔らかい猫は抱こうにもウナギのようにつるんと逃げてしまいます。(そしてその時の爪が痛い。夫が傷だらけ。)

もし飼い主さんお一人で爪切りをしなくてはならないのなら特に、洗濯ネットに猫を入れて爪切りをすることをおすすめします。それぞれの手足だけ外に出して爪切りを行います。

洗濯ネットの感触や狭さに安心するということと、洗濯ネットの中だと歩くことができないというミステリーから脱走防止になります。動物病院を嫌がる子に洗濯ネットを使っている飼い主さんも多いかと思います。震災の時にも、レスキュー隊員の方が洗濯ネットで猫を救出したそうです。

使用するネットは猫の身体より一回り大きいサイズがおすすめです。また、入口がチャックではなく巾着タイプのものが手に入ればさらに使いやすいです。チャックのものを使う時は、チャックで毛を巻き込んでしまわないように注意しましょう。

猫も犬と同様、ピンクの血管部分の手前までで切るのをやめましょう。

ヤスリのかけ方

我が家では電動のヤスリを使っていますが、スティックタイプのヤスリでも大丈夫です。
スティックタイプの場合、かけるときはガリガリ往復せず一方向にサッサッと撫でるようにかけます。
往復してしまうと振動が強く、あのガリガリとした振動が不快に感じやすいためです。

止血剤の使い方

もし切り過ぎて出血してしまったら止血剤を使います。
止血剤を少し手のひらに出し、出ている血を少しぬぐってから爪の断面をスタンプするように粉につけます。
止血剤で出血部分にフタをするイメージです。
止血剤でフタをすると結構すぐ血は止まります。犬や猫が舐めてしまうため、血が止まって落ち着くまでしばらく舐めないように見守りましょう。

まとめ

今回は私の経験談多めに犬猫の爪切りについてご説明させていただきました。
犬でも猫でも、ご自宅で爪切りを実行するときに何よりも大切なのは「飼い主さんに任せても安心!」と思ってもらうことです。
犬や猫は何よりも飼い主さんの不安を察知してしまうので、信頼関係を大切にしてください。

最初は爪1本だけ、できる爪だけで大丈夫!
無理矢理抑えつけてしまうと信頼関係が壊れてしまうので、飼い主さんが爪切りに慣れていくためにも少しずつ続けていきましょう。
おとなしくやらせてくれた時には大げさに褒めてあげてくださいね!(ごほうびも忘れずに!)