【体験談】愛犬ウーノの歯周病による抜歯手術レポート!
みなさんこんにちは!ReCheriライターchiiです(*’ω’*)
先日、我が家の愛犬ミニチュアダックスフンド「ウーノ」が、歯周病治療のための抜歯手術を受けてまいりました。
今年の春に狂犬病ワクチン接種のために病院へ行った時、ついでに簡単な健康チェックをしてもらったのですが、
その時にウーノの歯がグラグラになっていることを先生が教えてくれました。
「今すぐにではなくとも、抜歯してしまった方がウーノちゃんも快適になるでしょう。」
先生にそう言われ「今年中に手術をしてあげようかな…」などと呑気に考えていました。
それから3ヶ月ほど経った今年の8月、私はあることがキッカケで急遽ウーノの抜歯手術に踏み切ることとなりました。
私が呑気に考えていた間に、ウーノの歯周病は確実に進行していたのです!
そこで今回は、
・抜歯手術に踏み切ることになったキッカケ
・歯周病による抜歯手術の内容や流れ
・手術後の「外歯瘻(がいしろう)」
についてレポートいたします。
抜歯手術に踏み切ったキッカケ
■手術前のウーノです。下の歯がガタガタです。これまでに2本ほど、小さな歯が自然にポロッと抜けたこともありました。
これまでの症状
手術をする前に気になっていたのは
・口臭がキツくなった
・くしゃみを連発するようになった
・鼻水が出ている(時には青っぱなの時も)
・ドライフードを食べる時に、顎がガクガク震える
という症状でした。
口臭はある時から急にニオイのひどさが変わり、フードのニオイではなく体調が悪そうな嫌な臭いに変わりました。
口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)について
くしゃみ&鼻水が出ると「風邪かな?」と思っていましたが、くしゃみや鼻水もれっきとした歯周病の症状でした。
犬の犬歯は他の歯よりも大きく、歯の根っこが鼻に近い深いところまで及んでいます。
■手術前のウーノのレントゲン写真です。犬の犬歯は鼻に刺さっているみたいに生えています。
歯周病が進行すると歯根の周辺の骨が溶けてしまい、「瘻管(ろうかん)」と呼ばれるトンネルができて口と鼻が繋がってしまいます。
これを「口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)」と呼びます。
そして、そのトンネルを通って歯茎から鼻に菌や膿のようなものが侵入していきます。
それにより、くしゃみや鼻水が頻繁に出るようになります。
ウーノ、鼻血を出す。
鼻水&くしゃみが目立ってきたウーノが、ある日鼻血を出しました。
ネットで調べたところ「犬の鼻血はすぐに病院に行った方が良い」との意見があったので、すぐに病院へ行きました。
検査の結果、やはりこの鼻血も歯周病によるもので、歯茎の出血が鼻に回ってしまって鼻血として出てしまっていたものでした。
この日は抗生剤を処方してもらい、帰宅しました。
ウーノ、鼻から膿が大量に出る。
鼻血を出してから3日ほどが経った日、ウーノがくしゃみをした時に大量に膿のようなものが出ました。
ニオイがとてもキツく、大量だったためとても焦りました。
膿がこんなに出てしまうということは、早く処置をしないと菌が全身に回ってしまうのではないか
と思い、私はウーノの抜歯手術をすることを決定しました。
抜歯手術について
■手術当日の朝…不安そうなウーノ
歯肉粘膜フラップ術
麻酔をかけるため、手術前夜の夜9時から絶食(お水はOK)となりました。
手術当日は朝ごはんは無し、お水のみで病院へ行きました。
病院へ預けてからまずレントゲン検査や血液検査を行い、問題なければ手術開始とのことでした。
手術の内容は、
悪い歯を抜いて、抜いた後の穴を周辺の歯肉を縫い合わせて塞ぐ
というものでした。これが「歯肉粘膜フラップ術」です。
歯根の穴にフタをして、鼻と繋がってしまった瘻管(ろうかん)のトンネルを塞ぐ目的で行われます。
■術前のウーノ
術前のウーノは、歯石で歯が着色し、歯茎もすごく下がっている状態でした。
歯茎と歯の間には、歯石の元となる歯垢が溜まっています。最近では歯磨きも痛くなって、嫌がってしまうのでできない状態でした。
■抜歯後のウーノ
抜歯後、抜いた歯の後はポッカリ穴が開いています。
残した歯は歯石を除去してもらい、ピカピカの白い歯に戻っています。
■歯肉粘膜フラップ術によって、歯を抜いた後の穴がふさがりました。この糸は自然に溶けてしまうものなので、抜歯の必要はないそうです。
20本の歯を抜きました
どれだけ歯を残せるのかは、その子の歯の状態によると思います。
私は先生に
「これで最後の歯の手術にしてあげたいので、悪い歯は全部抜いてください」
とお伝えしました。
先生は手術中「2~3年は持つかもしれない」という歯をどうするかをかなり悩んで下さったそうです。
しかし、私の思いを尊重して下さって、いずれ抜けてしまうという歯は全部抜歯してくださいました。
犬の歯は全部で42本あります。
抜歯手術の結果、ウーノは20本の歯を抜きました。
半数も!と思いましたが、先生は「犬の抜歯ではよくあることです」とおっしゃっていました。
ちなみに、犬は歯が1本もなくてもドッグフードを食べられるそうです。
犬は本来、丸飲みして食べる習性があります。
これは犬の歯が「獲物の肉を引きちぎる」ためのもので、人間のように「よく噛んで食べる」用の歯ではないからです。
ですので、ドッグフードのように小さくて食べやすいものは歯がなくても食べられるのです。
ウーノはベロは出なかった
犬は歯がなくなると舌を口の中に留めておけないので、不二家のペコちゃんのように舌がペロンと出てしまいます。
私は事前にその可能性を先生から説明を受けていたので、お迎えの日に覚悟をして行きました。
しかし、ウーノはペコちゃんになっていませんでした。
ウーノの上の前歯は意外と健康だったために先生がほとんど残してくれたそうで、どうやら前歯が舌のストッパーになっているようです。
手術+1泊入院にかかった費用
■ウーノの抜歯手術の明細表
抜歯手術の費用は各病院やその子の手術内容によって違います。
ウーノの場合は、抜歯手術+1泊入院の費用で71,830円でした。
ここにはレントゲン検査や血液検査の費用、術後の抗生物質と炎症止めの処方代が含まれています。
この費用に加え、術後の傷口の確認のための再診料が別途必要となります。
ウーノは保険に入っていなかったので、全額実費です。
術後に起きた「外歯瘻(がいしろう)」
■手術後、左目が腫れてきたウーノ
もともとウーノの右の眼球は委縮しているため小さいのですが、それにしても左の眼球がグリッと大きいことに気が付きました。
外歯瘻(がいしろう)とは?
口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)が進行すると、鼻や歯茎に膿や血がどんどん溜まっていきます。
大量に溜まって行き場所をなくした膿や血は、やがてほっぺや目の下などの皮膚の薄い場所から穴が開いて外に出てきてしまいます。
これを「外歯瘻(がいしろう)」と言います。
逆に、その穴が歯茎側に開いた場合は「内歯瘻(ないしろう)」と言います。
術後の顔の腫れと発熱
手術の次の日の朝、ウーノをお迎えに行きました。
その時は顔の腫れはそれほどありませんでした。
歯肉粘膜フラップ術で歯肉を縫い合わせたので、それによる出血が鼻血として出ていました。
■手術の次の日のウーノ…顔はほとんど腫れていませんでした。
しかし、次の日から顔が腫れてきました。
最初は左の目の瞬膜が赤く腫れていき、日に日に目が開かないほどに腫れあがっていきました。
術後4日目には右側の顔も腫れ上がりパンパンに…。
■手術4日後のウーノ…顔がパンパンに腫れています。特に左目の腫れがひどく、瞬膜も出たままになってます。
最初は「20本も歯を抜いたわけだから、腫れるのは仕方ないか」と思っていましたが、4日目にパンパンになった時に「これはおかしい」と思い、病院へ行きました。
病院で検温すると40℃を超えていました。
犬の平熱は38.5℃程度なので、これは立派な発熱でした。
抗生物質と点滴
■抗生物質と消炎剤を処方してもらい、14日間効き目が持続する抗生物質の注射をしました。
ウーノは食にアグレッシヴな女子なので、熱があろうとも食欲だけは全然落ちませんでした。
このことに先生もビックリしていて
「多くのワンちゃんは、40℃あれば食べなくなっちゃうのに、食べてるの?!ウーノちゃんはエライ!!」
と褒めてくださいました。
食べる力は生きる力だそうです!
ごはんを食べてお水も飲んでいるとはいえ、念のために水分補給の点滴と、2週間効果が持続する抗生物質の注射をしました。
目の下から膿が爆発
その3日後の朝、ウーノの左の眼の下に穴が開き、膿のようなものが出てきました。
これが完成してしまった「外歯瘻(がいしろう)」です。
■左目頭の下から膿が排出されました。排出されてからは腫れが少しずつ引いていきました。
この外歯瘻(がいしろう)になってしまってから抜歯手術を決断することも多いのですが、ウーノはたまたまその順番が逆で、抜歯をしてから外歯瘻(がいしろう)ができてしまったようです。
先生いわく、
抜歯手術で刺激を受けたことによって表に現れた可能性もある
とのことでした。
とにかく、これで悪いものが全部出たのだと安心しました。
外歯瘻(がいしろう)は膿が溜まっていた袋ごと外に排出されます。
ウーノも膿と共に、死んでしまった周辺組織も一緒に出てきました。
膿と違って周辺組織は皮膚と繋がっているため、飛び出した部分だけ切除してもらいました。
外歯瘻(がいしろう)の膿が排出されてから、顔の腫れが徐々に治っていきました。
現在の様子
■現在のウーノ…顔の腫れも外歯瘻の傷口も落ち着いています。
ドライフードも食べられる
手術後から3日ほどは、抜歯後の傷が痛むのかドライフードは食べようとしませんでした。
抗生物質と消炎剤も飲ませないといけないので、ドライフードを水でふやかし、そこに錠剤を丸め込んで与えました。
現在は手術から2週間ほど経ちました。
口の中も痛くなくなったのか、ドライフードをふやかさなくても食べられるようになりました。
外歯瘻(がいしろう)の傷口も回復中
外歯瘻(がいしろう)の傷口もカサブタになりつつあります。
膿が入っていた袋が排出された後はポッカリ穴が開いてしまっていましたが、その穴が徐々に閉じて行って、最後に傷口がふさがるそうです。
外歯瘻の傷口に関しては特に塗り薬の処方はありませんでしたが、自然治癒でメキメキ治っていきました。
まとめ
■私はウーノの小さい前歯が大好きなので、上の前歯が残っていて嬉しいです。これからは歯磨きを頑張って、残った歯を守っていきます。
犬の抜歯手術は全身麻酔をかけて行います。
体にそれなりの負担がかかりますし、術中にもしものことがあったら…という不安から、抜歯手術をするべきかどうか悩んでしまう飼い主さんも多くいらっしゃいます。
実際、私自身もすごく悩みました。
言葉が喋れない愛犬の代わりに私が決断してあげるという責任を、今回の抜歯手術で改めて実感しました。
私の知り合いには、愛犬が高齢であるため抜歯手術はしないと決断した飼い主さんもいます。
飼い主さんが愛犬のために悩んで決断したことは全て正解であると思います。
抜歯手術をするかしないかは、愛犬の体調や年齢を考えて決めることが重要であると思います。
私がウーノの抜歯手術を受けて良かったなと実感した点は
・ひどかった口臭がなくなった
・鼻水+くしゃみがなくなった
・ウーノがごはんを食べる時に不快そうにしなくなった
という3つです。
特に、口臭の変化には1番感動しました。
口内環境が良ければ口臭はひどくなく、逆を言えば、あんなに臭ったのは口内環境が確実に悪くなっていたからだったんだと、術後の口臭のなさによって改めて実感しました。
犬にとって、おいしいごはんやおやつを食べることは最も幸せな時間の1つです。
口の中の不快感がなくなることでウーノもごはんが楽しめるようになったので、抜歯手術をして良かったなと思います。
愛犬の歯周病や口臭にお悩みの方はぜひかかりつけの獣医さんと十分に相談して、抜歯手術が必要かどうかを検討してみてください。
そして、抜歯手術をしても歯磨きをしなければまた口内環境は悪くなってしまいます。
私もウーノの残った歯を生涯大切にするために、口の中の傷が落ち着いたら歯磨きを頑張ってあげようと思います。