愛犬に「待て」を教える大切さ。あらゆる場面で必要なコマンドです。

わんこを飼いはじめたら、基本的な命令(コマンド)を教えることになります。
「座れ」「待て」「伏せ」などなど。

飼い主さんとの関係を築く上でとても大切なことですが、わが家の経験上、特に「待て」はかなり重要なコマンドだと感じています。

それはなぜか…。

想定しない場面で即このコマンドが通じるかどうかでわんこを危険から守ることができるからです。

では実際どんな時があるのでしょうか。
今回は、「待て」の大切さを解説します。

まずは「待て」の教え方

基本的にコマンドを教える時は、食べ物頼りです(笑)。
ご飯やおやつをあげる前に必ずコマンドを入れます。

もちろん、最初は食べ物につられてコマンドに従いますが、慣れてくると食べ物がなくても、「待て」というだけできちんと待てるようになります。

①「待て」とはどういう状態かを教える

フードボウルにご飯を用意したら、尻尾フリフリ、興奮度MAXでやってきます。
すぐに顔を突っ込んで…の時に「待て」と一言。

鼻先を抑えたり、手でフードボウルを塞いだり、すぐに食べられないことを教えます。

「待て」と言われたら止まるということを学習するのです。

食べていいよの合図として「待て」⇒「よし」とセットで教えていきます。

「待て」の時のポーズを決めておく

わが家の場合は、わんこの顔の前に手の平を向けて「待て」としています。
よく写真とかでも見かける基本的な動作です。

「待て」の声と動作を連動することで、手をかざしただけで声が聞こえなくても、これは「待て」なんだとわかるようにします。

「待て」の時間を徐々に延ばす

「待て」ということが何かを理解したら、少しずつその時間を延ばしていきます。
最初は数秒しか待てないでしょう。

それを制しながら、「待て」の声を繰り返します。

すると、食べたいから体を震わせて待ちます。
ひたすら待ちます…(笑)。

そして「よし!」とコマンドを入れれば、わんこたちは解放されます。

結構わんことの根競べになりますが、ここは頑張りましょう。

④食事以外でも「待て」をできるように

「待て」というコマンドを覚えたら、食べ物と結びつかなくてもできるようにします。

ご飯の次に好きな物、わが家ではおもちゃですね。

遊びの中で教えていきます。

おもちゃを咥えようとしたら「待て」。
我慢できたら「よし」と声をかけ、目一杯遊びます。

これを繰り返していくと、どんな時でも「待て」ができるようになっていきます。

「待て」が必要になるのはどんな時?

過去を振り返ると「待て」と声をかけるのは、意外と危険な状況の時が多いように思います。

とっさの時に迷わずコマンドが入れらるようにしておくことがとても大切です。

実際に経験した状況をいくつか紹介します。

ドッグラン

室内飼いのわんこにとっては、ノーリードで自由に遊べるドッグランは最高の遊び場です。
それは他のわんこも同様。
どのわんこもはしゃぎまくって、いつもより興奮状態になりがちです。

そこで起こるのがわんこ同士のいざこざです。
歯をむき出して威嚇したり、噛みついたり…。
じゃれあっているうちはいいのですが、度が過ぎたら飼い主が止めるしかありません。

特に飼い主の体ほどの大型犬では人の力でも抑えることができなくなることがあります。

まだドッグランデビューから間もない頃、大型犬同士の喧嘩に巻き込まれたことがあります。

驚いてすぐにわんこを抱え上げましたが、当の大型犬同士は怖いくらいの迫力で…。
そこで、「待て!!」と大きな声が聞こえてきました。
そう、大型犬の飼い主です。
すると、あれだけ興奮状態だったわんこがピタッと止まったのです。

その時初めて「待て」の意味を教わったように思います。

わんこを落ち着かせるには「待て」。
それからは、わが家でもドッグランでちょっと怪しいな…と思ったら、きちんとコマンドを入れるように意識しました。

お散歩

ある時、首輪の留め方が緩かったせいか、散歩中に首輪がスルッと抜けてしまったことがありました。

首輪が抜けたわんこはフリーな状態。

走り出したら絶対に追いつくことは不可能です。

飼い主が慌てるとわんこもパニック状態になります。

そこで、数メートル後ろで置いていかれてトコトコ歩いていたわが家のわんこに「待て」と落ち着いた声でコマンドを入れました。

そしてゆっくりと近づき捕獲。

いつも、コマンドを教えていたおかげで大きなトラブルにならずに済みました。

ここでのポイントは声を荒げたり、走ったりしないこと。
これ本当に大事です。

車の乗り降り

こちらも脱走に近い状態になったケースです。

わが家は後部座席にわんこをフリーな状態にしてあります。
いつも通り帰宅して車のドアを開けた途端、猛ダッシュでわんこが車を降りてしまったのです。

普段はそんなことしないのに!

自宅の横は車の往来が多い幹線道路。
このまま行くと…。

「待て!!!」その時ばかりは声を張り上げました。

すると、ダッシュしていたわんこが急ブレーキ! 

あと数歩で車道というところで止まったのです。
心臓が止まるほど焦りました。これも「待て」が耳に届いたおかげです。

もちろん、その後は飛び出さないよう車にも対策はしましたが、まずはとっさの時に絶対に必要な「待て」の重要性を実感した瞬間でした。

日常生活でも「待て」は有効

来客や宅配のインターフォンによく吠えるというわんこにも「待て」はかなり有効です。

わんこは一度に複数のことがあまりできないと言われています。

ですので、吠えたい!という感情を「待て」と言われたことによって、優先順位が変わることになります。
それを利用して静かにさせることができるのです。

インターフォンが鳴ったら

ワンワン吠えていたら「待て」とコマンドを入れます。
それでも吠えるようなら、「待て」+「おやつ」でもOKです。

よく、TVのしつけ番組ではハウスでじっと待てるようになるというシーンを見かけますが、わが家では残念ながらできませんでした…。

ですが、「待て」だけは徹底して教えた甲斐があって、少しの間なら「待つ=静かになる」ができていると思います。

荷物を受け取る数分間だけでも「待て」ができていれば飼い主も安心です。

来客に吠え続けたら

初めての来客はわんこにとってみれば、テリトリーへの侵入者。
それはそれは必死に吠えます。

興奮度もかなりのものですが、そこでも「待て」が活きてきます。

ただ、わが家のわんこの場合は、結構なストレスのようで、待ってはいるが小声で唸っています(笑)。

そこで、「待て」で耐えている間に、わが家にきた方におやつをあげてもらうようお願いします。

わんこも何をされるかわからないと警戒していますので、手渡しじゃなくても良いのです。
わんこの側におやつを置くだけでも十分。

わんこにとって害のない人、おいしいものをくれる人という識別ができればそれOKです。

まとめ

いかがでしたか?
「待て」って本当に重要だと思います。

ですので、もう10年以上経ちますが、未だにご飯の前は毎回「待て」をさせています。

習慣になっているので、今ではコマンドをかける前にしっかり待ってくれていますが(笑)。

あと、わんこのベストショットを撮る時も「待て」はお役にたちます。

お手や座れも大事ですが、わんこの身を守るためにも「待て」はしっかりと教えてほしいですね。