【ペットショップ店員が解説】うさぎの視力はどれくらい?うさぎの見ている世界を知ろう
うさぎと暮らしているみなさん!うさぎの見ている世界、気になりませんか?
うさぎの視力や見え方について知ることができれば、よりお世話がしやすくなりそうですよね。
そこで今回は、うさぎの視力や視界、色覚について詳しく解説します!
うさぎの目についての理解を深め、快適な生活を整えてあげましょう。
うさぎの目の特徴
視力はどれくらい?
うさぎの視力は、実はあまり良くありません。
人間に例えると、0.05〜0.1程度です。
ランドルト環と呼ばれる黒い輪っかの空いている方向を示す視力検査では、両目で見ても一番上の大きい記号が見えるか見えないか怪しいレベルです。
それほど視力が悪いのに、どうして走り回れるのだろうと不思議に思いますよね。
実は、うさぎは嗅覚や聴覚が人間よりもはるかに優れており、視力の悪さを補っています。
目で見えない部分は、音や匂いを敏感に察知することで把握しているということです。
そのため、おやつやフードに気づいてほしいときは、袋をシャカシャカ鳴らしたり、匂いを嗅がせてあげたりしましょう。
また、お水など匂いのしないものに気づいて欲しいときは、口元に少しつけてあげるなどの方法がおすすめです。
色は見分けている?
人間は、一般的に3色型色覚を持っています。
3色型色覚とは、赤、青、緑の3色の光を受容できる色覚です。
これに対し、うさぎは青と緑の2色型色覚の持ち主です。
つまり、赤系の色を見分けることができません。
真っ赤な勝負服も、うさぎには通用しないということですね(笑)
青と緑が色覚として残っているのは、自分の食べる草を見分けるためだと言われています。
視野は広い?
うさぎの視野はほぼ360°と言われています。
確かにうさぎの顔を見てみると、目が側面についています。
人間の視野が180°程度と考えると、見える範囲が全然違うことがわかりますね。
見えない部分は、真後ろの少しの範囲と、口元だけだそうです。
どうりで、うさぎの背後でこっそりおやつの用意をしていてもすぐに気づかれるわけですね(笑)
逆に、両眼を使って立体を認識できる範囲は狭く、人間よりも限られています。
そのため、物体との距離感を掴むのは少し苦手な傾向にあるようです。
暗闇では?
明るいところでの視力はあまり良くないことがわかりましたが、暗闇ではどうでしょうか?
実は、暗闇では人間よりもよく見えているようです。
とはいえ、遠くのものが鮮明に見えるわけではありません。
うさぎは暗闇での光への感度が高く、なんと人間の8倍とも言われています。
人間は暗闇の中で何かが動いても、小さな光のみではそれを把握することができません。
対してうさぎは光への感度が高いため、小さな光でも物体を感知することができます。
これも、野生で捕食者をすぐに把握するために発達した力です。
まばたきはするの?
なんとうさぎはまばたきをほとんどしません。
うさぎのまばたきの回数は、5分に1回程度です。
人間のまばたきの回数が3秒に1回程度と考えると、驚きの少なさですよね。
野生下で自分を狙う捕食者をできる限り見逃さないように進化した結果、まばたきが少なくなったと言われています。
では、これほどまばたきが少なくて、目が乾いたりしないのでしょうか?
実はうさぎの目には、乾かないように皮脂を分泌する分泌腺が発達しています。
そのため、目を開けていながらも目を潤すことができるため、心配ありません。
寝るときは目を開けたままなの?
うさぎを飼っている方には馴染みのある光景かもしれませんが、うさぎは目を開けたまま寝ます。
うさぎが寝ている姿をあまり見たことない方は、最初はギョッとするに違いありません。
私も、ペットショップに勤め始めた頃は、死んでいると勘違いして焦って他のスタッフを呼びに行ったことがあります(笑)
うさぎが目を開けて眠るのには、理由があります。
うさぎは野生では捕食される側の動物です。いつ命を狙われるかわからない状態の中でも眠る必要があります。
そこで、外界の捕食者に気づくことができるように、目を開けたまま寝るのです。
とは言っても、目を閉じて寝るうさぎを見たことがある人もいるでしょう。
室内で愛情たっぷりに飼育されているうさぎは警戒心が薄く、目を閉じて寝ることもあるようです。安心しきっている証拠ですね。
目を閉じて寝ている姿を見られたら、飼い主さんは喜んでくださいね。
うさぎの視力は低下することがある?
目の炎症
うさぎの視力を低下させる目の病気に、結膜炎やぶどう膜炎などが挙げられます。
名前の通り、目の中の結膜やぶどう膜に炎症が起きてしまう病気です。
細菌やウイルス、床材のほこりなどが目に入ることが原因となります。
症状としては、炎症部分に充血が現れ、目やにや涙が多く分泌されます。
目やにや涙が原因で目の周りの皮膚まで炎症を起こしてしまうこともあります。
主な治療法は、点眼薬や内服薬の処方になります。
点眼も薬の内服も、たいていのうさぎは嫌がり、治療自体がストレスになることが多いです。
発症しないように、ほこりの少ない清潔な空間づくりを心掛けてあげてくださいね。
流涙症
涙が目からあふれてしまう病気で、「鼻涙管閉塞」が直接的な原因になっていることが多いです。
鼻涙管とは鼻から目までつながっている管のことで、それが何かしらの原因で詰まってしまったときに鼻涙管閉塞となります。
本来目から分泌された涙は鼻涙管を通って鼻腔に流れますが、鼻涙管閉塞の状態ではすべての涙が目からあふれてしまいます。
そのため、常に涙を流している状態になってしまうのです。
鼻涙管閉塞の原因としては、歯の咬み合わせが悪くなる不正咬合や、鼻水やくしゃみなどの症状が現れるスナッフルが考えられます。
涙が皮膚について皮膚炎を併発してしまうことが多いため、流涙症を発症したら速やかに動物病院に受診するとともに、涙をこまめに拭き取ってあげてくださいね。
白内障
人間では高齢者に多いと言われる白内障ですが、うさぎでも高齢になるとよく見られます。
白内障になると、黒目がだんだん白く濁ってきます。
基本的には、発症しただけでは痛みはありません。
発症直後から視力は低下していきますが、うさぎはもともと視力が弱いため、生活はあまり変わりません。
点眼薬を用いて症状の進行を遅らせるのが主な治療法となります。
しかし、症状が進行し、白く濁った水晶体が目の中で脱臼してしまうと、かなりの痛みを伴います。
生活に大きな支障はなくとも、症状が進行する前に動物病院を受診するようにしましょう。
緑内障
緑内障とは、急に眼圧が上昇する病気です。
症状としては、強い痛みが出たり、視力を失ったりすることがあります。
白内障とは異なり初期から痛みを伴うため、食欲減退などの変化が見られます。
ぶどう膜炎などの慢性的な炎症が緑内障に繋がることが多いため、目の炎症を起こした後は緑内障の症状がないか確認するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
うさぎの見ている世界は、私たちの見ている世界とは大きく異なることがわかりましたね。
これを踏まえ、ぜひうさぎの生活環境を見直してみてください。
みなさんの素敵なうさぎライフを応援しています!