うさぎのひげの謎に迫る!抜けたひげはお守りになるってホント?

うさぎの顔をじっくり見ると、ひげが四方八方に伸びていることに気づくでしょう。
このひげ、実はうさぎにとって非常に重要な役割をしています。
今回は、そんなうさぎのひげについてまとめました。
うさぎのひげの特徴や役割のほか、「うさぎのひげを切ってもよいの?」「ちぢれたひげは異常なの?」などの疑問にもお答えします。
うさぎとの生活をより楽しむためにも、ぜひこの記事をお役立てくださいね。
うさぎのひげの特徴
うさぎのひげは、生えている場所と生え方に特徴があります。
うさぎのは鼻や口の周りのほか、両目の上にも4~5本ずつ、両頬にも1本程度ずつひげが生えています。そのため、顔の四方八方にひげが伸びているように見えるでしょう。
また、うさぎのひげは生えている部分によって長さが異なっていたり、生え方に特徴があったりします。
よく観察すると、口に近い部分のひげは短く、口から遠い部分のひげは長くなっていることや、鼻や口の周りには格子状に規則正しく生えていることに気づくでしょう。
ぜひじっくりと観察してみてくださいね。
ちなみに、うさぎのひげは明るいところで見ると観察しやすいため、自然光が入る窓際のスペースがおすすめです。
ただし、気温が高い日や日差しが強いときは無理をさせないようにしてくださいね。
うさぎのひげの役割は?
うさぎのひげには感覚器としての役割があり、生活するために非常に重要です。
感覚器として役立つのには、ひげの根元の構造が関係しています。
ひげの根元にはたくさんの神経細胞が存在します。
何かがひげに触れると、その感覚を神経細胞が受け取り、うさぎが察知できるようになっているのです。
実はうさぎの視野は広く、ほぼ360度見渡せるといわれています。
しかし視力がよいわけではないため、ものとの距離感を測ることは苦手です。
そこでうさぎは長いひげを利用し、ものとの距離感を測っているのです。
例えば、狭いところに入るときは、ひげで入り口の幅を感じ取ります。
うさぎの左右に伸びた長いひげは、うさぎの身体の幅ほどの長さがあります。
その長いひげを利用して、自分が入れるかどうかを判断しているのです。
視野が広いうさぎでも、口元の部分は死角になっています。
口元が見えていないにもかかわらず、うさぎはきちんとエサを食べられますよね。
上手に食べられるのは、うさぎが口の周りの短いひげを活用してエサと口との距離感や位置を把握しているからです。
死角となる口の周りの情報を得るために、短いひげが密集しているのでしょう。
ほかにも、ひげには風の向きや強さを察知したり、湿度や気圧の変化を感じ取ったりする機能もあります。
このように、うさぎのひげは身体の周りの状況を判断するために、非常に大きな役割を果たしているのです。
うさぎのひげに関するQ&A
うさぎのひげは触ってもよい?
うさぎをなでているときにひげを触ってしまったとしても、問題ありません。
しかし、ひげをつまんだり引っ張ったりすると、嫌がるうさぎが多いです。
とはいえ、うさぎによってはひげをなでられるとうっとりする子もいるのだとか。
ひげを触ること自体はNGではありませんが、うさぎが嫌がる場合はやめましょう。
うさぎのひげは切ってもよい?
形を整える目的でうさぎのひげを切ることは、決してしないでください。
先ほどもお伝えしたように、うさぎのひげは感覚器として大切な役割を果たしています。
もしひげを切ってしまうと、うさぎは周囲の状況を察知できなくなり、自由に動けなくなるでしょう。
ほんの少しの距離を移動するだけでも慎重にならざるを得ないため、うさぎにとっては大きなストレスになります。
うさぎの行動にも支障をきたすため、絶対にやめましょう。
同様の理由で、うさぎのひげを抜くこともNGです。
さらに、抜いた場合はひげの根元の神経細胞に刺激が伝わり痛みが出ます。
周囲の状況を感じ取れなくなったり痛みを感じたりすることは、うさぎにとって非常にツライことです。
安易な気持ちで、ひげを切ったり抜いたりしないでくださいね。
とはいっても、うさぎのひげが何かにひっかかって切れてしまうこともあるかもしれません。
切れてしまった場合は、ひげが自然に伸びるのを待ちましょう。
うさぎのひげは数週間で元に戻ると考えられており、必要以上に神経質になる必要はありません。
また、うさぎが自分のひげを噛んで切ってしまうこともあるようです。
そのような行動が見られたら、うさぎの飼育環境や食餌内容などを振り返ってみましょう。
自分の身体を過剰にグルーミングしたり身体の毛を抜いたりするときは、牧草が不足していると考えられます。
自分のひげを噛んでしまう場合にも、同様の原因があるのかもしれません。
牧草中心の食餌ができているか改めて確認してみましょう。
それに加え、うさぎの行動に関して、ほかに気になる点がないかどうかもチェックしてください。
「ほかの感覚器官に異常がなさそうか」「妙な素振りをしていないか」を確認し、気になるときには動物病院に連れていくことをおすすめします。
換毛期にはひげも抜ける?
換毛期とは、季節に適応するために被毛が生え変わる時期のこと。
うさぎの換毛期は年に4回あります。
とくに目立つのは、冬毛から夏毛へと生え変わる春と、夏毛から冬毛に生え変わる秋でしょう。
換毛期には、ひげも一緒に抜け落ちることがあるようです。
とはいえ、換毛期とひげの生え変わりに大きな関係性はないと考えられていますし、換毛期の度にひげが抜け落ちるわけではありません。
その理由として、通常の毛とひげの生え変わる周期(毛周期)が異なることがあげられます。
正確な周期は明らかではないものの、ひげのほうが長い毛周期をもっていることが知られています。
ひげも生え変わるため自然に抜け落ちますが、換毛期だから抜けるというわけではないようです。
ちぢれたひげを発見!これって異常?
うさぎのひげの中にちぢれたものがあっても、異常ではありません。
ちぢれる原因として、ひげがストーブなどの熱風にあたったことが考えられます。
ひげがちぢれたからといって切ったり抜いたりせず、自然に生え変わるのを待ちましょう。
あまりにもちぢれが気になる場合は、ちぢれた部分だけを切るのもひとつの方法です。
その場合は、極力その部分だけを切るようにしてください。ひげの再生がスムーズになり、健全なひげが伸びてくるでしょう。
もしうさぎが暖房器具に近づける環境にあるのであれば、安全のためにも見直しが必要です。
暖房器具をサークルなどで囲い、うさぎが近づけないようにしてください。
また、うさぎのひげはピンと張ったものといった印象があるかもしれませんが、品種によっては生まれつきちぢれたひげをもっている子もいます。
レッキスやミニレッキスなどは遺伝的にひげが薄く、ひげの先端が丸くなりやすい品種です。
生まれつきひげがちぢれているケースも多くみられます。
遺伝が原因のちぢれたひげは、弱くて抜けやすい性質があります。
少しのひっかかりでも抜けてしまうことがありますので、グルーミングの際は気をつけてくださいね。
うさぎのひげの色が変わることってある?
飼い主さんの中には、うさぎのひげの色の変化に気づく人もいるようです。
飼育環境や遺伝、季節などが関係しているのかもしれませんが、はっきりとした原因はわかっていません。
飼い主さんは、うさぎのひげの色は変化することもあるといった知識を頭に入れておくと安心でしょう。
抜けたひげをお守りにする飼い主さんもいる
うさぎの飼い主さんの間では「自然に抜け落ちたうさぎのひげはお守りになる」ということが広く知られています。
その理由や効果、抜けたひげを保存する方法などをお伝えします。
なぜお守りになるの?効果は?
うさぎの抜け落ちたひげをお守りにするのは、レアだからというのが主な理由のようです。
うさぎのひげは自然に抜け落ちますが、ひげの毛周期は普通の毛よりも長く抜けにくいもの。
「自然に抜けたひげはレア」であるため、お守りにするのでしょう。
それに加え、うさぎのひげは抜け落ちると見えにくいため、例え落ちていたとしても見つけるのが難しいです。
実際、私も6年以上うさぎと一緒に暮らしましたが、抜け落ちたひげを発見したことはありません。
かなり注意深く見ていないと、抜けたひげを見つけることは難しいでしょう。
以上の理由から、抜け落ちたひげを見つけたらラッキーだと思われているのかもしれませんね。
うさぎのひげをお守りとして、手帳や財布に入れて持ち歩いている飼い主さんもいるようです。
抜けたひげは手軽に持ち歩け、いつでも愛うさぎのことを思い出せるといった点でも優れているのでしょう。
飼い主の間でお守りとして大切にされることが多いひげですが、とくにご利益があるというわけではなさそうです。
あくまでも個人的なお守りという意味合いが強いようですね。
抜けたひげの保存方法は?
抜けたひげを保存する場合は、ジッパー付きビニール袋などで密閉しておくのがおすすめです。
ひげはタンパク質でできているため、密閉していないとダニなどに食べられてしまうことがあります。
ジッパー付きビニール袋に入れておくと、財布に入れたり手帳にはさんだりしても紛失しにくいでしょう。
ネット通販では、うさぎのひげを入れるための桐箱も販売されています。
調湿機能をもつ桐は、防カビ・防虫の効果が優れていることでも知られています。
うさぎのひげを大切に保管したい人は、ぜひチェックしてみてくださいね。
うさぎのひげで作られた筆がある
うさぎのひげで作られた書道筆があるのを知っていますか?
うさぎのひげは珍しいため、羊やイタチなどの毛と合わせて作られる筆が多いようです。
その中で、うさぎのひげだけで作られている希少な商品もあります。
うさぎのひげの特徴は、根元が極端に太く、毛先が鋭いということ。
そのため、弾力があり穂先がやわらかい筆に仕上がります。表現の幅が広がり、書に表情をプラスできるようですよ。
まとめ
うさぎのひげは、大切な感覚器です。私たち人間のひげとは役割が大きく異なります。
形を整えたいなどと、安易な気持ちで切ったり抜いたりすることはやめましょう。
また、自然に抜け落ちたひげは、うさぎを飼っていてもなかなか見つけられないもの。もし見つけたらラッキーですよ。
ひげに注目しながら、うさぎとの生活を今以上に楽しんでくださいね。