目が見えない犬との散歩ってどんな感じ?盲目犬とのお散歩を楽しむための注意点やコツ☆
私は盲目犬と暮らしているのですが、私の心配をよそに愛犬はお散歩が大好きです。
「目が見えない」と聞くと、お散歩なんて無理なのでは?と心配になってしまいますよね。
目が見えない犬とのお散歩には注意点やコツがあります。
それらを意識すると、愛犬も飼い主も、より安心してお散歩を楽しむことができるでしょう。
今回は「目が見えない犬とのお散歩」について、注意点やお散歩を楽しむためのコツをまとめました♪
盲目犬とのお散歩ってどんな感じ?
■愛犬ウーノのお散歩時の様子
我が家の愛犬ウーノは、右目は眼球が委縮し、左目も視力がない盲目犬です。
人間も目をつむって歩くと、まっすぐ歩くことがとても困難になりますよね。
それと同じように、目が見えない犬もまっすぐ歩かないことが多くあります。
ある程度知っている道や静かな場所だとまっすぐ歩くこともありますが、匂いや音が気になる時ほど蛇行して歩くことが多いと感じます。
一例として、愛犬のお散歩時の一コマをご紹介します。
動画を見ていただくとわかると思いますが、愛犬の場合は順調に歩くこともあれば、何かが気になると急に方向転換したりピタッと止まってしまうこともあります。
また歩いているうちに私の方に寄ってきてしまうことも多く、うっかり踏んでしまうことに終始注意する必要があります。
盲目犬とのお散歩の注意点
目が見えない犬とのお散歩時には
・愛犬の急な動作
・歩行者や自転車との接触
・物や植物などとの衝突
・下水溝の格子
などに注意をしてあげる必要があります。
飼い主が愛犬の目になってあげよう
愛犬が急に止まったり方向転換すると、歩行者や自転車との接触の恐れがあります。
飼い主が、終始周りに気を配ってあげましょう。
また、植え込みや電柱などに気が付かず激突してしまうと痛い思いをしてしまいます。
目を開けたままぶつかってしまうと、植え込みの小枝や葉で眼球を傷つける恐れがありますので注意しましょう。
目が見えない状態に慣れることが大切
犬は目が見えなくても優れた嗅覚や聴覚があるため、お散歩コースに慣れることでスムーズにお散歩をすることができるでしょう。
生まれつき盲目である場合には愛犬自身も目が見えないことをあまり気にしないことも多いです。
でも病気や事故などで視力を失った場合、失明直後は目が見えなくなったことに愛犬が戸惑って、お散歩を怖がってしまうこともあります。
まずはお家の中や限られた範囲で安全なお散歩コースを選び、歩行に慣れさせることが大切です。
盲目犬とのお散歩のコツ
静かな時間帯と場所を選ぶ
盲目犬は目が見えない分、他の感覚器官が敏感になります。
お散歩中は特に音に敏感になると感じるため、人や車の往来が静かな時間帯にお散歩することをオススメします。
踏切の音に強く反応し、びっくりして固まってしまうこともあるので注意してあげましょう。
盲目犬とのお散歩コースは
・車の往来が多い大通りを避ける
・歩行者用の歩道が狭い道を避ける
・できるだけ静かな道を選ぶ
ということがポイントです。
自転車に気を付ける
自転車は歩行者よりもかなりのスピードで往来するため、愛犬が自転車と接触しないよう注意しましょう。
自転車を運転する方にとっても、突然犬が現れるとびっくりしたりリードが絡まるなどして事故の原因になる恐れもあります。
自転車の往来が激しい場所や時間帯はできるだけ避け、もしその道を通る必要がある場合は抱っこをするかリードを短く持って愛犬をリードしてあげましょう。
コマンドで指示を出す
目が見えない愛犬にとって重要なのは「声によるコミュニケーション」です。
愛犬をリードでコントロールするだけでなく、コマンドを教えて指示に従ってもらうことでより安全にお散歩することができます。
・歩行速度を緩める「ゆっくり」
・歩行を止める「待って」「ストップ」
・再び歩行を始める「GO」「行こう」
・段差を上り下りする「ステップ」「階段」
このようなコマンドを覚えるトレーニングを行っておくと、愛犬が自信を持って歩くことができるでしょう。
コマンドの言葉は簡潔で明確であれば何でも大丈夫ですが、今までに使用している言葉以外にすると覚えやすいでしょう。
たとえば伏せをする時に「ダウン」という言葉を使っている場合、階段を降りる時にも「ダウン」を使ってしまうと混乱しやすくなります。
犬は言葉を伸ばすとその行動の速度を緩める傾向があります。
歩行速度を緩める「ゆっくり」の時は「ゆーっくり」というように伸ばして言うと伝わりやすいです。
リードやハーネスでサポートする
盲目犬の場合は目が見える犬と比べて、リードによって愛犬の動きをコントロールする機会が多いでしょう。
そのため首への負担を軽減するためにハーネスを使用するとより安心です。
私は愛犬に首輪とハーネスの両方に接続できるダブルリードを使用しています。
盲目犬はまっすぐ歩くことができないことも多いので、飼い主側に寄ってきてしまった時にはリードで外側に力を加えて補助してあげると良いでしょう。
無理に引っ張らない
盲目犬は視力以外の感覚が敏感なことが多いので、お散歩途中で頻繁に立ち止まって固まってしまうこともあるかもしれません。
音だけではなく、風に反応して立ち止まってしまうこともあるほどです。
立ち止まってフリーズしている時の愛犬は緊張気味で、その情報が危険ではないかを自分の中で確認していると考えられます。
私の愛犬も車や踏切、子どもの声、通行人の足音、向かい風などに反応すると、ピタッと立ち止まってじっと様子をうかがいます。
音や声が静まったり風が止むと、安全を確信した様子で再び歩き出します。
盲目犬が固まってしまった時には、危険がない限り無理に歩かせようとせず、愛犬の気が済むまで待ってあげると良いでしょう。
横断歩道では抱っこする
盲目ゆえに、横断歩道のど真ん中で固まってしまうこともあります。
曲がって来る車や自転車との接触が心配ですので、横断歩道を渡る際には抱っこをすると安心です。
大型犬の場合は抱っこが難しいので、スムーズな歩行が難しい場合や臆病な性格の場合は横断歩道を避けた散歩コースにしてあげると安心です。
盲目犬はいきなり触られるとビックリしてしまうので、抱っこをする前にはひと声かけてあげましょう。
我が家ではお散歩時に愛犬を抱っこする際には「ワープ」と言ってから抱き上げています。
飼い主の「音」を出す
私が盲目犬である愛犬のお散歩で感じたのは、私がわざと足音を立てて歩くと愛犬も自信を持って歩けるということです。
愛犬は家の中であっても、私の声や音がしないと私を見失ってしまいます。
飼い主の存在を声や足音で伝えてあげると、盲目の愛犬は安心するのではないかと思います。
足音をわざと出して歩くのは、周りの人から異様な感じに見えると自覚しています(汗)。
そのため飼い主の足首に鈴を通したヘアゴムなどを付けてお散歩すると、鈴の音で飼い主を感じることができます。
・軽快に歩けた時は「グッド!」「上手!」などと褒める
・頻繁に声掛けをする
・足音や鈴などで飼い主の存在を明らかにする
このような方法で、愛犬に「一緒にいるよ、大丈夫だよ」と伝えてあげると良いでしょう。
まとめ
盲目の愛犬と暮らし始めて3年ほどですが、迎えた当初のお散歩はとても緊張しました。
愛犬が蛇行して歩くと踏んでしまいそうでヒヤヒヤしましたし、急に飛び出して自転車や車に接触しないかも心配でした。
そして他の通行人や自転車の方にご迷惑を掛けてしまうことも申し訳なく、終始緊張しながら愛犬のお散歩をしていました。
今でも相変わらずお散歩時は緊張していますが、愛犬の歩行の癖や「なぜ固まってしまうのか」を考えて把握してあげることで私自身も愛犬とのお散歩を楽しめる余裕ができました。
目が見える犬と全く同じ生活は難しいですが、目が見えなくても飼い主の工夫とリードによって盲目犬は楽しく暮らすことができます。
盲目犬と暮らす飼い主さんはぜひ、愛犬の「できること」を1つ1つ積み上げて行ってあげてくださいね。