新型コロナウイルス感染症は人からペット、ペットから人にうつる?飼い主が感染したらどうしたらいい?
ここ3ヶ月ほど、世界中で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行しています。
日本でも毎日感染者が増え、生活に大きな影響を及ぼしているので、心配している方も多いでしょう。
ペットを飼っている方にとっては、家族の一員であるペットの健康も気になると思います。
犬や猫も新型コロナウイルスに感染するのか、人とペットの間でうつることはあるのか、色々と不安がありますよね。
今回は、ペットに感染した事例やペットが感染した場合の対策等、ペットに関する新型コロナウイルス情報をお伝えします。
正しく恐れて対策し、自分や周りの人、ペットの健康を守りましょう。
世界でペットに新型コロナウイルス感染症が感染した事例
※当記事は4月5日時点での情報です。
現在、日本でペットが新型コロナウイルスに感染したという報告はありません。
しかし、世界では何例かペットへの感染が起きているので、時系列でご紹介します。
香港【犬】
2月28日付の報告によると、ペットの犬にPCR検査をした結果弱い陽性反応が出ました。
しかし実際に感染したのか、鼻や口にウイルスが付いただけなのか正確には分からないとのことです。
2例目は2月下旬に、コロナウイルスに感染した女性のペットの犬を検査した結果、弱い陽性反応が繰り返し出ました。
飼い主から移った可能性があるとみられています。
このワンちゃんは陰性になるまで施設で隔離されていました。
残念ながら、陰性になって自宅に戻った2日後に亡くなったそうです。
17歳という高齢で、心臓病を抱えていたので、コロナウイルスが死因かどうかは確定できません。
どちらの例も、陽性だったものの症状は出ていません。
ベルギー【猫】
3月27日付の報告によると、ベルギーで世界初の猫への感染が確認されました。
飼い主はコロナウイルスに感染していて、約1週間後に猫にも下痢や嘔吐、呼吸困難の症状が出たそうです。
これらの症状がコロナウイルスによるものか、別の病気によるものかは専門家の間で意見が分かれています。
香港【猫】
4月1日、香港で猫への感染が発表されました。
飼い主は3月20日にコロナウイルスの感染が分かり、30日に猫からも陽性反応が出たそうです。
幸い、目立った症状は出ていないそうです。
中国【猫】
4月4日、武漢市で飼い主から猫に感染したという研究者の論文が発表されました。
感染の日付や経緯など、詳しい情報はありませんでした。
人からペット、ペットから人に移るのか
ここまでご紹介した例を踏まえると、人からペットに移る可能性はあります。
しかし、飼い主がコロナウイルスにかかると100%移るというわけではなく、確率は低いようです。
反対に、ペットから人に移るケースは今のところ見られません。
飼い主が感染しないよう、十分に注意しましょう。
予防のために気を付けること
飼い主の手洗い・消毒
繰り返し報道されていますが、一番の予防策は手洗いです。
帰って来て、ワンちゃんや猫ちゃんに触る前にまず手を洗いましょう。
また、自宅にいる時でもこまめに手を洗ったり、触れる場所をアルコール消毒したりすることで、ウイルスから身を守れます。
スマートフォンの除菌も忘れずに行いましょうね。
犬の散歩は人混みを避ける、猫は外に出さない
こちらも最近強調されていることです。
ワンちゃんの場合、毎日散歩に行くと思いますが、なるべく人が少ないルートや時間帯を選びましょう。
感染者の数が多い地域にお住まいの方は、家の近くを短い時間散歩させるくらいにとどめると良いですね。
ワンちゃんがストレスにならない程度に外出を控えるのが効果的です。
室内で遊ぶ時間を増やしましょう。
また、ドッグランなどに行くことは避けましょう。
多くの人や犬がいる場所では、感染のリスクが高まります。
終息してから思いっきり遊ぶことを楽しみに、今は我慢しましょう。
猫の場合は、外に出さず家の中だけで過ごさせましょう。
もともと室内猫の場合は、飼い主や家族以外からの感染のリスクはほぼないと思われます。
一緒に住んでいる人がしっかり予防することで、猫ちゃんの健康を守れますよ。
ペットと過度のスキンシップは避ける
ウイルスは目に見えないので、万が一自分が持っている可能性もゼロではありません。
ですからペットにキスをしたり、手や顔を舐めさせたりといったスキンシップは控えることをおすすめします。
飼い主がコロナウイルスに感染したら
接触を避ける
もし飼い主が感染したら、人はもちろんペットとの接触も避けましょう。
生活する部屋を分けて、飼い主がいる部屋には入ってこさせないようにします。
家族がいる場合は、お世話を全て任せましょう。
一人暮らしの場合は、信頼できる友達に預けるか、ペットシッターを頼むという選択もあります。
どうしても飼い主自身がお世話しないといけない場合は、マスクをして最大限注意を払ってください。
ペットにシャンプーをする
家族や友達、ペットシッターなどにお世話を頼む場合、ペットの体に付いたウイルスから感染が広がる危険があります。
ですから、まずはペットの体を洗う(シャンプーする)ことをおすすめします。
お湯の勢いは弱くして、広範囲に飛び散らないよう注意してください。
ペットのグッズを除菌する
こちらも周りの人に感染を広げないための対策です。
キャリーバッグ、首輪、リードなどを除菌しましょう。
塩素系漂白剤を0.05%に薄めたもので拭いた後、水拭きすればOKです。
まとめ
ペットへのコロナ感染についての情報は、日々更新されています。
専門家の見解が変わることもあるので、最新の情報をチェックしたいですね。また、正確な情報を見極めることも大切です。
ペットへの感染が心配な時は、いきなり動物病院へ行くのではなくまず電話で相談しましょう。
基本的にコロナウイルスは人から人へ感染します。
そして、
『人からペットへ移ることはありえますが、ペットから人へ移ることは現時点ではありません(環境省HP参照)。』
愛するペットのためにできることは、まず自分が感染しないよう気を付けることです。
先が見えず不安な日々が続きますが、予防に努めて自分や他の人、ペットの命を守りましょう!
※当記事の情報は2020年4月5日時点のものです。ペットの新型コロナウイルスに関する情報は環境省や厚生省労働省のサイトでのご確認をおすすめします。